伴に歩んで

伴に歩んで

ガンと闘った老夫婦の人生日記です。

5年間で5度のS状結腸がんのオぺを経験した最愛の妻に、この亭主が寄り添い、 1日1日の幸せを噛み締めながら、大切に歩んだ闘病の軌跡と、その後の生活や趣味のエッセイのことを書いています。 


 

再発を繰り返し、最後は多くの臓器に転移してしまった妻。延命治療はしないでほしい、という意志を若い主治医は尊重してくれ、痛みを抑える強い薬で、2019年1月16日に64年の短い生涯を終えました。

 逝くのは怖くない、ただ痛みが嫌なだけ、と言い続けた妻でした。粛々と自分の現実と運命を受け止めていました。

「まっすぐで意志の強い人だった」。主治医は妻をそう表現し、僕以上に妻に寄り添ってくれました。


2021年春、この若い主治医と妻との信頼を書いた僕のエッセイが、読売新聞社と日本医師会主催のコンテスト「生命を見つめて」で、審査員特別賞を頂きました。(右下)妻も喜んでくれていると思います。


また闘病記事はブログから製本し、大切に持っています。 
 

朝6時半、公園まで行く。

藤棚の下にベンチがあり、僕の指定席だ。

いつも10分ほど、下半身中心のストレッチをする。

強張った筋肉や筋が伸びて気持ちいい。

 

何やら話し声が聞こえてきたと思うと

けばい赤服の婆ちゃんが、手にぶら下げたラジオから大きな声を出しながら、こっちへ歩いてくる。

嫌な予感がしたが仕方ない。

 

ラジオをベンチに置いて、アナウンサーが大声で、意味不明のことをがなりたてるラジオをかけたまま体操を始める。

1.5m横に僕がいるのに。

 

朝っぱらから、ネジが切れたババとケンカもしたくないので、黙ってその場を離れた。