それでも、ふるえに触れる人がいる
占いからはじまったものが
やがてタロットになり
チャネリングになり
高次の導きになり
宇宙のメッセージになったとしても
どれだけ
名前が変わっても
語り口が洗練されても
使っている“思考のパターン”は同じ
この構造に気づいたとき
ぼくは、ある種の静かな絶望と
妙な可笑しさに
ひとりでふるえていた
思考がつくる安心の構造
“占い”という素朴な入り口
そこには
「これから何が起こるの?」
「わたし、どうすればいい?」
というシンプルな不安があった
でも
思考はそれをもっと洗練させたがる
シンプルな問いは
すぐに言葉を変えて
より深そうなフリをして
ぐるぐると同じ構造の中をループする
占い → タロット → 高次元 → 前世 → 宇宙の使命
→ そして時々「古代の叡智」「縄文文字」…
それっぽい言葉たち
なじみのない記号
未知への憧れ
“特別感”というスパイス
だけど
よく見たら
どれも同じ問いを、別の形で繰り返してるだけだった
「ねぇ、わたし、大丈夫かな?」
「この道、あってるかな?」
「誰かに、見ててほしい」
それは
否定すべきものじゃない
とても人間らしくて
やさしい震えだと思う
でも、
思考は安心の枠からは出られない
だから
どれだけ“進化”したように見えても
カタチを変えた「安心のくり返し」が
思考パターンの限界点
一周まわって、同じ場所に戻る
こうして
人は同じ円を
ぐるぐる回る
「より高く」
「より深く」
「より神聖に」
そう唱えながら
でもたどり着くのは
いつも同じ構造の輪の中
言葉だけが変わる
表現だけが更新される
SNS対応型のスピリチュアルですら
根っこにある回路は、いつも同じ
“わからなさ”を
「わかるっぽい場所」に預ける
思考の古くて精巧な習性
でもね、「ふるえ」に触れた人だけは…
そんな中で
このループの外に
降りてくる
派手じゃない
誰かに言いたくなるようなネタもない
見た目には「目覚めた感じ」もしない
でも、
ふるえに触れている
それは、
意味に還元できない感覚
言葉が追いつけない振動
名前をつけようとすると
スッ…と逃げていくもの
それが
“ほんとうにある”という感じ
そして
この「ふるえ」に出会った人は
自然と気づくようになる
言葉が変わっても、構造は変わらない
どれだけ進化した風でも、思考のパターンは抜けてない
でも
それに気づいたからといって
誰かを見下したり
正しさを掲げたりしない
ただ
ふとした時に笑っちゃうんだ
「あれ、結局また“ここ”に戻ってきたな」って
そして
あたらしい輪を描くのをやめて
ただ、そのまま“わからなさ”を
“ここ”に置いておくようになる
風のように
火のように
水のように
土のように
その人の存在は
誰かを導かない
救わない
正さない
でも
一緒にふるえる
だから
救われる
それが
ふるえの人
言葉では届かないけど
ちゃんと沁みる人
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