わたしは自分の体で実験をすることが好きなので
食事については色々と実践したことがあるんです。
宮本美智子さんの本で
砂糖や炭水化物の取りすぎの危険性について学び
さらに金森重樹さんの本で
いかに食べ過ぎているのかを痛感しました。
宮本さんや金森さんの本を読んだ後で
きちんと低脂質や断糖などの食事を実践したんです。
それぞれの食事の取り方には
色々と批判される部分もあるようで
実践された方の中には
体調を崩したり
精神的にバランスを崩した方もいるという話を聞きました。
が、私はどちらの食事の取り方も
いたって健康に体重だけを落とすことに成功しました。
そういう意味では素晴らしい食事の取り方だと思っているんです。
ただ!
どちらも
<食べていいもの>
と
<食べてはいけないもの>
の制限が厳しいために、
自分以外の人と食事をするということに
ストレスを感じるようになってきてしまいます。
自分がストレスを感じるだけではなくて
家族や友人に気を使わせてしまう
ということがあるんです。
私には、そこが何より辛かった。
で、どちらも3ヶ月、半年、と
続けていたものの
結局はやめてしまったわけなんです。
(この辺りのことを書いたブログをリプログしようとしたら
メンテナンスのため、できないらしい)
その後は玄米やオートミールを食べたり
色々と試しながら
今に至っています。
食べることが好きだから
料理の本は好きで読むんですよ。
だから、そんなに料理が上手ってわけでもないのに
知識ばかりが増えてしまう。
ハズカシイ。。。
でもね、
料理家の先生というのは
どうしてこうも深く物事をみつめ
広い視野に立った洞察力を持てるんだろう!!
と、料理家の方の本を読むたびに痛感させられます。
丸元淑生さんの本からは出汁の大切さを学び
辰巳芳子さんの佇まいの美しさに打たれました。
そうしてね、
今回、読んだのが
土井善晴さんの
「一汁一菜でよいという提案」
です。
私はまず、
タイトルの手書き文字に惹かれました。
カバーデザインは佐藤卓さんという方だそうです。
紙のご飯の色
文字の菜の色
帯の味噌の色
それぞれのバランスを緻密に計算し尽くした結果の「深いもの」
だということが、本のあとがきに書かれています。
佐藤卓さんは縄文時代が大好きな方だということなので
このことも私をワクワクさせてくれました。
ただね、
このタイトル。
読もうとは思ったものの、
(私には無理だな![]()
)
っていうのが第一印象です。
だって大食いなんだもの![]()
一汁一菜なんて無理!
ですが読むにつれて
内容に引き込まれていきます。
なんてすごいことが書かれているんだろう![]()
そうだよねそうだよね。
こういうことなんだよね。
と、同意することや
感動することや
教えられることが満載の本だったのです。
土井先生とは、ざっくりと同年代。
子どもの頃の描写など、
夕暮れの空の色や
物悲しさを覚えるような風の感じを伴って
私の中にも思い起こされてきます。
土井先生のおかあさんが
「午後になって買い物に行くのは恥ずかしい」
といったという発言などは
当時の一般的な家庭というものの様子がよく出ています。
てんやもん(出前)の後ろめたさ
というフレーズもありました。
私のうちは母が居酒屋をやっていたため
てんやもんをとることが多いうちでした。
そのことに、なんとも言えない後ろめたさのようなもの
というか、ちゃんと家庭料理が食べたい
という寂しさのようなものがあったんです。
そんなことも思い出したりしておりました。
語彙量の豊富さもこの本の魅力です。
鍋料理の具材の一つ一つの食べ頃を「煮えばな」というとか、
お米をといでザルにあげておいた米を「洗い米」というとか…。
中でもそうだったのか!と思ったのは
旬の食べ物についてです。
「はしりもの」 旬として出始め
「さかりもの」 まさに真っ盛り
「なごりもの」 そろそろ終わりに近いもの
と、旬の中でも使い分けているのだそうです。
交差する生命のはじまりと終わりを
五感で感じ意識するところに
旬の楽しみ方の幅、細やかさ、深さがあらわれる。
と、書かれています。
言葉が本当に美しいの![]()
読んでいて清々しい気持ちになれる本です。
そして厳しさと優しさが同居している本でもあります。
土井先生は
「一汁一菜にしろ!」
とは言いません。
「提案」
と言っています。
これを基本にして、応用していけばいいんですよ
ということなんです。
私は太極拳の師匠から
<体軸>
ということをずっと学び続けていて
「軸の感覚がつかめると
それがいろんな動きの拠り所になるんですよ」
と言われています。
一汁一菜も
その<体軸>と同じなのではないだろうか?
と思うんです。
これが基本。
この基本ができれば
拠り所としていくらでもバリエーションができる。
↑この本を読んで早速影響を受けた写真![]()
ただ、パンとコーヒーだけなのに
お膳に乗せて食べると
ありがたみが増すような気がします。
優しい一方で、
調理の基本である下ごしらえを
手間とは言いません。
と、キッパリ言っています。
「料理はやっぱり"ひと手間"ですよね」
とはよく聞かれる言葉ですが、
それは労力を褒めているのであって、
必ずしもおいしさにつながるものではありません。
とも言っています。
どちらも納得の厳しさです。
土井先生は
いちばん大切なのは
一生懸命、生活すること。
と言っています。
それがどういうことなのかを
書いているのがこの本なのだと思うのです。

