クイズ番組でたまたま
「フォレスト・ガンプ」
を取り上げていたのをみて、
久しぶりに、もう一度みてみよう!
と思い立ちました。
1994年の映画ですが、
この頃、私はアメリカ映画をみまくっていて
この映画はそんな中の一つ、
というだけの印象だったように思います。
でもね、30年近くたって
あらためてみてみると
しみじみといい映画でした。
原作の再編が保守寄りになっている
という批判もあるようですが、
そういうことより、
1950年代から1990年代にかけてのアメリカの歴史、
(そしてその影響をモロに受けている日本の歴史についても)
振り返ってみるいい機会を与えてもらった、という気がします。
で、そういう歴史についても
政治にはあまり関心のない
ワタシタチ庶民が触れやすいような
エンターテイメント性を前面に追い出した
そして<リアリティのあるおとぎ話>として
脚本ができているなぁと感じました。
プレスリーやジョン・レノンだけでなく
ケネディ、ジョンソン、ニクソンといった
大統領たちにも
ストーリーに合わせてご登場いただいています。
実写と映画とを
うまく組み合わせて編集がされています。
ベトナム戦争に従軍した兵士たちと
戦争反対を唱えるヒッピーたちとは
本人の思惑などお構い無しに
相反する立場に立たされてしまうことも多いのですが
映画の中では、
その双方を、記録映画のようにおさめながら
<リアリティのあるおとぎ話>として
物語を進行させていきます。
この映画には
「はいはい、現実にはそんなことあるわけないけどね」
と思わせるような奇跡がなんども出てきます。
それは突拍子もないものだったりもします。
けれどもそれらの奇跡については、
<現実味がないばかりではない>とも思えるんですよね。
例えば、主人公のフォレストは
いじめっ子たちに追いかけられて
必死に逃げるうちに、
足につけていた強制金具が外れても走ることができるようになっています。
その逃げ足を見込まれてフットボールの選手になったりもします。
また預けておいたお金を投資してもらったおかげで億万長者になったりもします。
また一方ではフォレストのおかげで
九死に一生を得た人もいますし
キャッチコピーやTシャツのデザインで
大成功をおさめたヒトまで出てきます。
みんな<そんなバカな!>であるとともに
物事のきっかけって、そんなところにあるもんだよ!
的なことだったりもするんですよね。
だから私は、<リアリティのあるおとぎ話>だなって思うんです。
そしてフォレストが幼い頃から愛してやまない
ヒロインのジェニーなんですが。。。
この娘の生き方は、危なっかしくて無責任で奔放で
ある意味とても危険です。
彼女は幼児期から父親による虐待を受け続けてきて
そういうトラウマはのちの人生に大きく影を落としてしまう
という、そういうとてもツライ宿命を負わされているのですよね。
やさしく、穏やかなフォレストとずっと一緒にいれば
安定した人生が送れるとわかっていても
そこからは逃げ出さずにはいられない
そういう外から見たら矛盾しているようにみえる
選択しかできない生き方。
そういう生き方の中で苦しみ悶える日々。
映画の中ではあまり大げさに描いていませんが
ジェニーの苦悩には心を痛める映画です。
この映画では
なんといってもダン中尉を演じた
ゲイリー・シニーズが魅力的です。
ベトナム戦争で両足を失い、人生に絶望する
負傷退役軍人なのですが、
ゲイリー・シニーズは現実の人生では
負傷退役軍人へのチャリティー活動を実施しているそうです。
ダン中尉を地でいってるみたいです![]()
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ダン中尉は
「おまえがシュリンプ船のキャプテンになれるなら
オレは宇宙飛行士だ」
なんて言うんですけど、
フォレスト役のトム・ハンクスと
ダン中尉役のゲイリー・シニーズは
映画「フォレスト・ガンプ」の翌年
映画「アポロ13」でも共演しているんですよね〜。
それを当て込んだセリフなんだと言えるでしょう![]()
それ以外にも、この「フォレスト・ガンプ」には
興味深いセリフがたくさん出てきます。
子どもの頃、
「バーーーカ、バーーーカ
」
「バカって言ったもんがバカなんだよ〜〜
」
なんて言い合いをした記憶はありませんか?
「Stupid is as stupid does」
これ、まさにそんなセリフです。
バカなんてものが、ポツンと存在してるんじゃなくて
ヒトに向かってバカと罵る行為、
バカな、愚かなことをする行為、
それこそがバカなのだよという言葉です。
フォレストは自分に向けてバカだと言われるたびに、
この言葉を返しています。
そしてなんと言っても
「Death is just a part of life」
という言葉は、一番心に残ります。
「死ぬことは生きることの一部なのよ」
自分の最期の時に、母親がフォレストに向けて言う言葉です。
遺される息子に向けて
こういう言葉を残せる母親は偉大ですね。
若い頃に見た映画を見直すと
いろんな発見があっておもしろいものです。
あ、そうだ。
テレビで取り上げていたことを補足的に。
映画の中で、フォレストはある日突然走りたくなって
アメリカを横断して走り続けるのですが
その走っているだけのシーンは
経費がかかりすぎる上に、あまり魅力がないのではないか?
ということで、撮影できない状況になったのだとか。
監督は自分のギャラのほとんどをつぎ込んでもいいと言ったのですけど
それでも足りない!!
最終的に主演のトム・ハンクスに相談して、
トムがギャラからも出資してもらって
撮影を続行したのだそうです。
今回、映画を見直してみて、
このアメリカ各地を走っているシーンは
フォレストの心情を表現する上で
とても大切なシーンになっていると感じました。
これらのシーンがあるのとないのとでは
映画のクオリティは段違いです。
ゼメキス監督とトムの英断に
心から拍手を送りたいです。


