映画「デンデラ」についてボヤく |      生きる稽古 死ぬ稽古

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ー毎日が おけいこ日和ー
        

「すっっゲェ〜〜〜〜びっくりびっくり

と、思わず口をついて出たんです。

 

佐藤友哉の「デンデラ」という小説

これを読み終えた直後の

心からのつぶやきでした。

 

 

 

 

今年読んだ本の中で

間違いなく最高の一冊。

まぁ、この本のことは、また書くとして…。

 

なんでこの本を読んだのかといえば、

映画「デンデラ」を観たからなのでした。

 

そうして、この映画を観た時に、

(うん? たぶん違うよね?

原作者がいるのなら、

おそらくこういう内容ではなかったよね?)

と思ったからなのでした。

 

映画「デンデラ」は

姥捨山伝説の、いわばその後を扱った作品。

 

https://youtu.be/k-JVnAsBRm4

 

 

ただ!

予告編を観てから映画を観ると

騙された!と憤慨することでしょう。

予告編で伝えているような内容じゃありません、映画はね。

 

 

これみてください。

浅丘ルリ子、倍賞美津子、山本陽子、草笛光子

という往年の大女優四人の共演!!!

しかも

山口果林、白川和子、山口美也子、角替和枝ってね

もう実力派の役者陣がずらりと名を連ねています。

出演者が豪華すぎ酔っ払い

それだけでも、観ていて楽しい。

 

ただし、毎度のことながら

和洋問わずに、

スターを揃えた映画に名作はナシ笑い泣き

 

私は個人的に

女ばっかりでわちゃわちゃと元気な作品、

アマゾネス的な作品は大好きです。

そういう意味では、この映画も嫌いじゃないです。

 

(まぁ、レビューでは散々な言われようですが爆  笑

 

この映画は、今村昌平監督の長男である天願大介が

メガホンをとっています。

今村監督といえば、

同じく姥捨山をテーマにした「楢山節考」の監督ですね。

 

 

 

今村監督は、人間の持っているある意味原初的な

ケモノ的な、腹の底から湧き上がるようなエネルギーを

スクリーンいっぱいに表現するような

そういうイメージのある監督さんです。

 

この「楢山節考」では、

主役の坂本スミ子が役作りのために

歯を抜いて挑んだ、ということが

話題になりましたね。

名作の一本です。

 

で、映画「デンデラ」は、

その「楢山節考」から28年後の

アンサー作品といえよう。

 

ということが

この映画のプレスサイトに載ってましたが

それは嘘です。

そんな訳あるか〜〜〜ムキー

 

映画のクオリティは

天と地ほども違います。

 

 

 

 

この映画、脚本も天願大介ですが、

たぶん脚本がオソマツなのだと思います。

 

原作の良さがまったく!からきし!

残っていませんチーン

 

以下、ネタバレになりますので

これから観たい!

という方は、読まないでね。

 

山に捨てられたバァさんたちが、

そのまま死ぬのではなく、

山の反対側で、自分たちだけで生きていきます。

という設定のお話です。

そこはすごくおもしろいのよ。

だから、前半は

とても興味深く観られるんです。

最初に生きる、という選択をしたのは

メイというバァさん(草笛光子)です。

 

この人は村を、特に男衆を憎んでいて、

自分たちを山に捨てた男衆に復讐するのだ!

という気持ちを生きがいにしています。

で、この前提があって、

それに賛同するバァさんたちもいるわけですから

どうやって村に降りていって

村の衆と戦うのかなぁ?

って思って、ワタシタチは観ているわけですよ。

 

でも、このバァさんは途中、

雪崩であっけなく死んでしまいます。

そして後半は、もう

村のことなんてまったく出てこなくなって

巨大なクマとの戦いの話に終始してしまいます。

 

ここがね、原作とは似て非なるところ

原作も、村人と戦うわけじゃないんですが、

描写の細やかさとか、

生きるということの力強さとか、

クマとの戦いの背景とか、

登場人物の心情とか、

そういうところが、素晴らしく表現されているんです。

 

ところが映画ではね、

そうした心理描写や

細やかな背景とか、

そうしたいろんなものが

すっぽりと抜け落ちてしまって、

ただ

バァさんVSクマ

というだけの映画になっちゃってる笑い泣き

大女優、名女優、あれだけ使ってもったいない〜〜滝汗

 

しかも演出がね。

何年前の映画だ、コレ?

っていう出来栄えで

クマそのものにリアリティがなく、

クマにやられる描写もイマイチで、

そしてまぁ、

なんといってもラストシーンがお粗末でしたよね〜チーンチーンチーン

 

この映画の主人公は山に捨てられたばかりの

カユ(浅丘ルリ子)というバァさんです。

このバァさんがデンデラに加わることによって

それまでの均衡が少しずつ崩れていくのですが

そういう人間関係の微妙なところとかも

描ききれていませんでしたね。

 

 

せっかくのサバイバルものだったのに

どうしてもリアリティに欠けてしまっています。

だってそもそも白装束だけを身につけて山に捨てられているんですよ。

それなのにデンデラにいるバァさんたちは

何枚ものボロを身に纏っているんです。

↑ね?けっこうたくさん着てるでしょ?

この布、どうしたんだろう?

家を建てるための木材も

かなり頑丈なものを使っていますしね。

木を切るための道具もないのにね。

 

そういうところが、なんというか

おとぎ話になってしまっていて

それでいてクマの撮影とかが嘘くさいから

初期の頃の怪獣映画みたいなことに

なってしまっていたんです。

 

あとね、もうひとつ。

名女優さんたちが、みんなバァさんになっていて

そこは素晴らしかったんですが、

眉毛がね、きれいに整えられている人が多かったんですよ。

さすがに、そこまでは汚せなかったのかなぁ、と。

時代を考え、

歳をとって捨てられるバァさんということも考えると、

眉毛はボウボウのバァさんとか、

眉毛がまったくなくなっちゃったバァさんとか

いろんな眉毛の人がいていいと思うんだけれどもね。

<何年も山で生活している>にも関わらず

ものすごく美眉のバァさんがいて、

映画を観る、という上では興醒めしてしまいました。

それと同時にね、

眉毛というのは、バァさんぽくならないための

ものすごい大事な要素なのだということも教わりました。

 

髪が女の命なんじゃなくて、

眉毛こそ、女の命だったんだわ

 

という、大切なことを

この映画から教わったような気がしたのでありました。

(↑こんな感想って、ひどいよね〜笑い泣き

 

映画のレビューでは、

さんざんな言われようだったと書いたけれど

いやいや、

私も相当ひどいこと書いているよね。

 

でもね、こんなにひどいこと書いているけど、

それでも私は、この映画が好きでした。

好きだけど、もったいない。

そんな映画でありました。