照明が落ちて、
最初の音が会場に響いた瞬間から
もう、ブワワワワァァァンと涙があふれた。
OZだ、OZの音だよ!
もう、絶対に生で聴けることはないと思っていた
OZの音が降り注いでくる。
私は小学生の頃からの
カルメン・マキのファンです。
よくよく考えてみたら
寺山修司を知るよりも前に
カルメン・マキのファンになっていたのだった。
私の誕生日を意味するカードには
ライオンと子どもが書かれていて
生者と死者
現実とスピリチュアル
オトナと子どもなどなど
両極のものを併せ持つ
あるいは
その両極をつなげる
という意味合いがあるらしい。
うちの母親は
ちいさな居酒屋をやっていて
私は小学生の頃から
そのお店を手伝うようになっていた。
飲み屋のネエチャンと学校での優等生。
そんな両極を行ったり来たりもしていたわけで
なんだか子どもの頃から
両極の間で
やっこらバランスをとってきたようなところがあった。
実の母親と育ててくれたバアチャンとの間でも
なんとかうまいことバランスをとってきたのだ。
そういう私にとって
カルメン・マキの声は
自然と心の奥まで届いて来るのだった。
小学生の頃に私がみた
カルメン・マキは
すれたような、あきらめたような顔をして
淡々と
寺山修司が作った<歌謡曲>を歌っていた。
それから何年かして
飲み屋のお客さんの一人が
「おい、これを聴いてみろ」
と一本のカセットテープを私にくれた。
大音響の君が代に続いて流れてきた歌が
カルメン・マキだときいて
私は度肝を抜かれた。
https://www.youtube.com/watch?v=GmrY18ZUXo8
私自身、いろんなことのバランスをとることが
だんだんとむずかしくなってきていた。
思春期になり
優等生でもいられなくなり
飲み屋で笑っているのもしんどくなってきた頃
カルメン・マキは
大きな声で叫んでみても
誰にも文句は言わせない
と歌っていた。
この歌に
どれほど私は救われたことだろう。
「午前1時のスケッチ」が出たのは1974年。
OZが解散したのは1977年。
わずか3年の間に
すさまじいほどの名曲をたくさん生み出したバンドだった。
OZが解散したあとも
私はカルメン・マキの歌を聴き続けたけれど
残念ながら、どのバンドの曲も
OZに優るものではなかった。
でも、でも、再結成のニュースをきいて
胸は踊ったものの
コンサートには二の足を踏んでいた。
何年か前に
カルメン・マキのリサイタルに行った時
さすがに高音はむずかしく
https://www.youtube.com/watch?v=HLEQCKVfy44
もう、↑この頃のシャウトはできなくなっていた。
だから再結成のOZを聴きに行っても
がっかりするだけじゃないのかな
という気持ちが強かったのだ。
でも、実際には
がっかりなんかしなかった。
この<the LAST TOUR>2019というツアーでは
ていねいに、ていねいに
<あのころのOZ>をなぞってくれていた。
今風のアレンジ、なんて小手先のことはしない。
<あのころのフレーズ>
<あのころのシンセの入り方>
<あのころの音のはだざわり>
を忠実に、再現しようとしてくれた。
たぶんそれは
私たち聞き手に向けての配慮なのだろう。
だからワタシね、
OZの歌は、全曲歌えたよ。
歌詞も全部忘れてはいなかった。
カセットテープが
本当にすりきれるくらい
ポンコツの車の中で
おんぼろのデッキを大音量にして
ひたすらカルメン・マキを聴き続けた
あの頃のことを想うよ。
<カルメン・マキの歌を何回聴いたか?大会>があったら
たぶんワタシ、全国大会に出場くらいはできると思うよ。
泣きながら
笑いながら
踊りながら
歌いながら
もう時空間がわけわかんなくなるくらい
ワタシのゼンブ
をこのコンサートの時間の中に投入し尽くした。
お客さんもオッサンオバサンばっかりだから
一曲目から立っている客なんかいやしない。
カルメン・マキもOZのメンバーも歳をとった。
春日さんのギターは昔ほど尖っていなかったし
カルメン・マキはもう、ほとんどシャウトができなくなっている。
歌詞の途中でグイイイイイ〜〜ンと高音にもっていく
かつてのあの歌い方は、もう無理だ。
でも!
「昔わからなかった歌の意味が
最近わかるようになってきた」
って、本人が言ってるとおり
表現力は格段に、さらにすばらしくなっているし、
低温の太い響きはすごい迫力で迫ってくる。
よかったよ、
本当に素晴らしいコンサートだった。
ワタシ的には
クラプトンより
ジミー・ボーンより
心に響いたコンサートだったよ。
(いや、比べなくてもいいから…)
で、最高のコンサートだったけれどね、
ひとつだけ文句を言うよ。
アンコールにヒトの歌を持ってきたのは
興ざめだった。
「とりあえず・・・Rock'n Roll」
かなんかで
気持ちよく、しめて欲しかったなぁ。
セットリストを!
とトモダチに言われたんけど、
いや、全部は思い出せない。
もしかしたら、違うかもしれないけど、
おぼえているのは↓これぐらい。
思い出したら、また加えます。
閉ざされた街
南海航路
きのう酒場で見た女
崩壊の前日
IMAGE SONG
昔
六月の詩
Love Song を唄う前に
空よ
午前1時のスケッチ
通路には立ち見客がびっしり
という大盛況だったから
< LAST TOUR>には
たぶん、ならないと思われます。
今回、ききのがしたみなさま
待て、次回!
