「共喰い」の原作 |      生きる稽古 死ぬ稽古

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ー毎日が おけいこ日和ー
        


 

この映画の中で、

 

とても中途半端だと感じたことがありました。

 

刑務所の中で、

 

親子で「アノヒト」と呼んでいるシーンです。

 

先のイクサをはじめた張本人、

 

いや、その名前のもとに多くの人が死んでいった

 

天皇について、話しています。

 

それがね、ものすごく中途半端な会話なんです。

 

私はそれが気になった。

 

おそらく原作では、

 

映画で言う「アノヒト」が重要な何かを握っていて、

 

それについて映画ではうまく描ききれなかったのではないかと思った訳です。

 

で、原作を読んでみました。

 

…「アノヒト」は出てきません。

 

原作者である田中慎弥氏は1972年生まれ。

 

戦後の若き作家さんです。

 

「原作にはない衝撃のラスト」

 

というふれこみがあったので、

 

私はてっきり原作では、

 

父親が刺されることはないんだろうなって思ってました。

 

そうしたら、

 

そういう内容は原作にもあって、

 

要するに「昭和天皇の崩御」で終わる

 

というのが「原作にはない衝撃のラスト」だったみたいです。

 

原作を読んだ上で、言うならば、

 

「原作にはない衝撃のラスト」は中途半端なだけで、

 

この作品には必要なかったのではないかなぁ、というのが正直な感想。

 

 

 

田中慎弥氏の作品ははじめて読んだけれども、

 

とても素晴らしいですね。

 

しかも映画はこの原作の色もテーストも見事に表現していて、

 

原作を読むことで、原作と映画、両方のよさを味わうことができました。

 

(あ、「原作にはない衝撃のラスト」以外の話ね)

 

第146回芥川賞受賞作。

 

久しぶりに見応えのある小説を読みました〜合格