今もファンではない。
けれども彼の紡ぐ言葉の一言一言は、
歌謡曲の作り手として、それはそれはずばぬけている。
そんな彼の歌から、迷わず一曲!
それが「加速度」
私がまだ10代の頃、
自分の重みに耐え切れず落ちてゆく
ガラス窓のしずく
という歌詞にものすごい衝撃を受けた。
10代の頃というのは、
本当に自分の存在が重かった。
その重さに耐えられなかった。
だからその歌詞にとても共感したのと同時に、
それをガラス窓のしずくに例えてしまう詩心と、
それを加速度という恋愛の落下につなげる
この構成力に度肝を抜かれたものだった。
まだ携帯電話のなかった時代、
公衆電話を舞台とした恋愛の歌はたくさん作られているけれど、
この歌は、その公衆電話を使って別れを描いた珠玉の名作ですね。

悲しいことに、
恋愛も、人生も、
「オワリ」といったら「オワリ」なんだよ
という、どうしようもない決まり事というのがある。
どれだけ相手のことが好きだって、
どんなに相手のために自分を捧げたって、
「オワリ」といったら「オワリ」なんだよ
この決まり事は曲げられません。
死んでしまうまでの人生で、
こういうことを学んでおくことは、
とっても大事なことなのかもしれないね。
最近、どうもこの
「オワリ」といったら「オワリ」というルールが理解できずに、
<別れ汚い>事件というのが多いような気がしています。
それは何も刑事事件にまで発展せずとも、
キレイに別れられない人が増えている…ような気がする。
「加速度」では、彼女が最後に、
「それから…」って言います。
それでも、ここでオワリなんです。
「さっき、なんて言いかけたの?」なんてききかえさない。
なぜなら、タイムオーバーだから!
「オワリ」といったら「オワリ」だから!
それを最後の優しさだと受け止めるのは、
彼氏サイドの勝手な解釈なのだけれど、
それは「オワリ」がもたらすことのできる想像力。
「加速度」という歌には、そんな最後の緊張感が漂っています。
この歌はパールピアス同様に、2番が特に素晴らしいので、
ここに転載させていただきます。
作詞はさだまさしさんです。
加速度の2番
最後の電話がコトリと切れて
静かに僕の手に残ったものは
発信音と穏やかな雨のさざめき
途絶える直前の君の優しさは
最後にピリオド打たなかったこと
まるで悲鳴の様に
言いかけた「それから」って
自分の重みに絶え入れず落ちてゆく
ガラス窓のしずく
あたかも二人の加速度の様に
悲しみを集めて
ほらひとつ またひとつ
ほらひとつ またひとつ
ほらひとつ またひとつ
この最後の ほらひとつ という言葉
こうして6回も書かれているその言葉を見ていると
ポトリポトリと落ちてゆく
しずくの一粒一粒の様に見えてきませんか?
この2番のサビは、
歌謡曲の歴史の残るものすごいフレーズだと私は感じております。
もちろん、昔も今も!
歌詞を転載することについて調べてみました。
ネットで歌詞を書いて曲名を聞くことはできませんが、
批評などを目的とした「引用」であれば著作権法で認められています
(著作権法32条1項)
という項目を見つけたので、あえて転載させていただきました。
もし、それでもダメだよ、ということがありましたら、どうぞお教え下さい。
ネットで歌詞を書いて曲名を聞くことはできませんが、
批評などを目的とした「引用」であれば著作権法で認められています
(著作権法32条1項)
という項目を見つけたので、あえて転載させていただきました。
もし、それでもダメだよ、ということがありましたら、どうぞお教え下さい。