立ち話をしている二人の女性が目に入った。
一人は二匹の、もう一人は一匹の犬を連れている。
その脇を通り過ぎた瞬間に、
自分が足りないものに<気がついて>しまった。
足りないこと、不足していることを、
さびしい
と思っている自分に<気がついて>しまった。
猫が家にいなくなって半年。
半年の間、ケモノにさわっていないことに、
我が家にケモノである猫がいないことに、
そしてそのことがさびしいことだということに、
<気がついて>しまったのだった。

これはきっと、
<ケモノ欠乏症>
なのだろう。
ヒト以外の生き物と暮らして、
その生き物がいなくなった時、
この欠乏感を感じた人は多いんじゃないのかしらん?
あのあたたかな、優しい手触りが、
どれだけ私に癒しと元気を与えてくれてきたことか。
腕の中で丸くなったその体躯に、
どれだけ平安をあたえられてきたことか。
あの猫をもう一度抱っこしたい。
あの猫をもう一度なでたい。
その気持ちを<なかったことに>してたんだって、
その気持ちに浸ることに我慢をしてたんだって、
そんなことがわかってしまったよ。
これからも、たびたびこんな気持ちにはなるんだろう。
もう一度、会いたくて会いたくて、
たまらなくなるんだろう。
でもまぁ、そんな時には我慢をせずに、
「会いたいよぉ」と言いながら、
思いっきり猫との思い出に浸って過ごそう

本当に、楽しかったのだものね
