春画と妖怪画のコラボも珍しいですが、父と娘で春画を見に行くのも珍しいかもしれないですね。
細見美術館は、平安神宮の南西にあり、外見は美術館っぽくありません。


どんな客層か、まさかエロいオッサンばかりでは?と長女は気にしていたようですが、どちらかというと女性中心で、外国人の姿も目立ちました。カフェもありますね。
春画も妖怪画も芸術ですから。
妖怪画というジャンルがあるのは初めて知りましたが、妖怪の絵もよく描かれています。
現代より夜の闇が深かった時代には、物の怪の仕業だと思われた現象も多かったのでしょうね。また、不可思議なことや理不尽なことを、物の怪のせいにする事で、納得していたのかもしれないです。身近な存在だったのでしょう。現代では、何もかもが科学的に解明されているかのように思っている人も大勢おられるかもしれないですが、解明されていないことのほうが多いかもしれないです。不思議なことを『こわい』と怖れる気持ちはとても大切だと感じました。
春画の芸術性。それは繊細な描写だと思います。全裸ではなく、ほぼ必ずと言ってもいいくらい、着物が描かれています。そして、毛の描き方。細かいです。細かく丁寧に、髪の毛や陰毛が描かれています。春画には、当時の最高峰の技術が使われているそうです。
東京伝統木版画工芸共同組合が、春画を復刻再生するプロジェクトがあるそうで、春画再生の大変さを担当者が語る映像のコーナーがあったので、見てみました。
映像では、見るからに上品そうな和服姿の女性が『今、鳥居清長の木版画全12作品の再生に取りかかっています。この作業では、再生する技術を、親方と呼ばれる人たちから若い世代に受け継ぐという目的もあります。』と話され、細かい陰毛を表現すべく、丁寧に彫っていく若い女性職人の姿が映りました。『このような作業で一本一本を丁寧に彫っていき、陰毛の姿を描いていきます。特に、陰毛が絡まった部分には高い技術が必要です。そして、陰毛特有のもやっとした質感は、彫り師と刷り師の技術で表現できるもので、いくつかの色を使い、重ねていっています。』などと、上品そうな和服姿の女性が『陰毛』を連呼していましたが、これは芸術です。
もっちい『陰毛、陰毛、言うてはる。もやっとした質感やって。』
長女『これ、大変そうやなあ。もし、完成間際で、ガリって削り過ぎてミスったら大変やなあ。』
もっちい『これ、目指す?職人?陰毛職人!』
職人の仕事は、完成した物が形として残るのがいいなあと思います。
春画を見ていて気になったのが、絵の背景に書かれている文章です。読み取りづらいので、現代語訳が欲しいです。
私はこの絵が一番好きです。春画には、子供や小さなオッサンが出てくるものがあり、笑いがありますが、この絵のインパクトは強烈です。こういうおおらかな感じの笑いが好きです。今ほど娯楽がなかった時代に、春画は大きな娯楽だったでしょうね。擬人化するこの発想力は素晴らしいです。緻密な描写で性行為を描くだけでなく、そこに笑いの要素があることで、さらに魅力が増しているように思います。『笑い』は大切ですね。
第3展示室まで見てから、ミュージアムショップへ。さんざん検討して、長女は妖怪の本を二冊買い、私は春画の本『春画の見方10のポイント』を買いました。大好きな絵が載っていたから。いろんなジャンルの絵があっておもしろかったですし、絵の背景に書かれている文章についても触れられていたのが良かったです。
私は古いものが大好きです。平安時代から続く春画には、古い価値だけでなく、いつの時代にも通用する『笑い』が含まれているのがいいなあと感じました。
実は、一昨年に同じ細見美術館で開催された春画展にも行きました。きっと好評だったからまた開催されたのでしょう。
細見美術館を出ると、夕焼け空が広がり、東山が美しく見えていました。←長い時間おったんやなあ。
また、開催されたら行こうと話し合いながら大満足で帰宅しました。



