おはようございます。キキキです。

 

稲葉俊郎さんの『いのちを呼びさますもの —ひとのこころ と からだ—』を読みました。

稲葉さんは心臓が専門の医師。一方で「山形ビエンナーレ2020」で芸術監督を務められるという芸術方面にも活躍されている方です。

 

本書はそんな稲葉さんの体や心に関するエッセイです。ご専門の医学や芸術だけではなく、生物学、哲学などの知見も混ざっていて、さまざまな角度から心と体が捉えられており、読む度に気づくことがありそうな本だと思いました。

 

 

出版はアノニマ・スタジオさん。アノニマ・スタジオさんの本は、装丁が素敵。

大好きで、本ブログでも何度かご紹介している早川ユミさんの本も、アノニマ・スタジオさんです。

 
この本を知ったきっかけは寺田真理子さんの『心と体がラクになる読書セラピー』です。

寺田さんは日本読書療法学会を立ち上げられた方で、ご自身も読書によってうつ病から回復されています。

 

こちらの本で紹介されている本を、『いのちを呼びさますもの』含め、何冊か読みました。心にやさしく、でも少し考えさせてくれる内容の本が多く、本を読むのが好きな方にはおすすめです。

 

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さて、少し脱線してしまいましたが『いのちを呼びさますもの』も感想を書きましたので、ブログにアップします。書籍の内容のごく一部について触れているだけなので、あまりネタバレにはならないかなと思います。

 

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●もっとも敏感なところに症状がでる

心と表裏一体の関係になっていて、その人の全体性の中の歪みが、たまたま心臓という臓器に病となって表現されたのだと私は考えている。おそらく、その人にとっては心臓がもっとも感受性が強く、最初に反応することで全体のバランスを取ろうとしているのだろう。

稲葉さんは心臓がご専門なので、心臓病の患者さんを診るなかでこのような考えを持たれたそうです。心身のバランスがくずれた時、心や体の一番敏感な部分に症状が現れるのだそう。もっとも感受性が高い部分に症状がでる、という考え方が面白いなと思いました。言われてみると、例えば風邪は人によって鼻から、頭痛から、喉から、とさまざまで、「感受性が高い」とはこういうことを指しているのかな、と。

 

また、別の章では、葛藤のなかで敏感なところが反応する(症状がでる)、とも。「葛藤」は文章のなかでは明言されていませんが「ストレス」と理解しています。ストレスは色んな病気の原因になりますよね。ストレスの現れ方が人によって違うのは、敏感なところが違うからなのかな、と感じました。

 

そして思ったのは「自分にとって「ストレス」がまっ先に現れる場所はどこだろうか?」ということ。

私の場合は「集中力」かな、と思っています。

 

理由は、仕事や家事が忙しいと、読書に影響がでるから。活字を目で追っても、内容が頭に入ってこなくて、何度も同じところを読みかえしたりするんですよね。。。

だから、私の場合、ストレスに敏感に反応するのは「心」であり「集中力」であり、その反応を掴む手段として毎日の読書があるのかも、と思いました。健康のバロメータという意味合いでも、日々の読書って、自分にとっては必要なんだな、と読書の効用をまた1つ見つけました。

 

●未知を比喩で説明する

「もっとも偉大なのはメタファーの達人である。通常の言葉は既に知っていることしか伝えない。我々が新鮮な何かを得るとすれば、メタファーによってである」

これは紀元前の哲学者、アリストテレスの言葉だそうです。本書では、寝る時に見る夢の話のなかでメタファー(比喩)の話がでてくるのですが、私はこのアリストテレスの言葉に惹きつけられました。

 

「比喩」というと、「人にわかりやすく説明する時に使う表現」というイメージでした。でも、アリストテレスの言葉を知って、比喩の一番の大事なところは「未知のものを既知のもので表現する」ということなんだと。よく知ったもので表現するからこそ、こちらのイメージ(=相手にとっては未知!)を相手に伝えられるのだと。

 

よく文章術の本では「形容詞や副詞で説明しない」というようなことが書かれています。これって、形容詞や副詞を使った補足は「そのものの性質の一部」を表わしているだけに過ぎなくて、「そのもの自体、そのものの本質」といったことは表現できない。あまり良い例えが思いつかないのですが、「大きな象」より「要塞のような象」と説明したほうが、情報量が多く、「象はもともと大きいけれど、その中でも大きくてがっしりしている象」と、そのものに迫れているのかなと。だから「そのもの自体」を詳しく説明しようとしたら、言葉を変える必要がありそうです。この「言葉を変えて」というのが、狭い意味での比喩なのかな、と思いました。

 

とはいえ、比喩って、先程の象の例のように考えるの苦手なんですよね。物事の本質をとらえて、本質が似ているものが何か考える。頭のなかでやることが多いし高度というか。。。

どうやったら比喩を使いこなせるようになるのかは、まだまだ研究が必要そうです。