「お父さんが半年ぶりに家に帰ってきました〜!おかえりなさ〜い!」
母の弾んだ声で、車椅子に乗った父が嬉しそうに家の中に入る様子が映し出された動画がLINEで届いた時。
oliveは長崎の町中華の店で、長崎チャンポンを食べる為に、中学生の修学旅行生と行列に並んで、ようやく目の前にチャンポンが現れた時だった。
うっそー!
一体どうなってるの〜!
病院からリハビリ施設に移ってまだ10日、どんなにお父さんが家に帰りたいと言っても、まだ歩けないし、家の準備が出来ていないから無理だと皆で説得してたのに。
いやいや、今朝だって、長崎のホテルからお父さんに電話して、施設の食事を全く食べないのは身体が弱ってしまうから、なんとか食べて!って話をしたばかりなのに。
あぁ、でも、そう言えば。
「このままだと死んでしまう。今日こそ家に帰る」と話してたなぁ。
到底、無理だと思って、聞いていたけど。
まさか、本当にリハビリ施設を出てきてしまうなんて。
確かに父の気持ちもわかる。
半年間、病院で治療と手術とリハビリ、食事制限。
86歳で両膝の人工関節手術をしたものの、一時は、どんなに頑張っても、歩行器を使っても歩くのは難しいだろうと言われて。
でも諦めずに頑張って。
歩行器で歩けるようになり。
長い間、寝たきりだったのに、自分でベッドから車椅子に移動できるまでに回復した。
そして、病院を退院、リハビリのできる高齢者施設に移ることに。
あともう少しリハビリ施設で、しっかり回復してから家に帰る予定だったんだけど…
病院のリハビリに比べると、施設でのリハビリは、1日わずか15分。
しかも半分は頭の体操?
これは?キャベツ。
これは?ブロッコリー。
歩けるようになる為のリハビリを頑張りたい父に、絵を指さしながら、3歳のひ孫にもわかるような言葉を返す時間が、どうにも受け入れがたかったらしい。
柔らかくて味気ない食事にも手を付けなくなって。
病院で発揮した、歩けるようになる為の強い意思を、今度は、一刻も早く家に帰る為に発揮した。全力で。
呑気にひとり旅を楽しむoliveと違って、そばにいる妹たちは、どんなにか困ったと思うし、父を説得しようと頑張ったと思う。
でもきっと、母は父の希望を叶えてあげたいと思っていて。
昔から優しそうに見えて、とても頑固な性格も知っていたので。
とうとう、父の強い意思が勝って、家に帰ってきた。
oliveが、遠く離れた長崎で、チャンポンを食べようとしていた、その時に。
そして、今日。
突然の帰宅から1週間が過ぎ。
満面の笑顔で、シニアカーに乗り、畑を見に行く父の動画が送られてきた。
強行突破の帰宅の後、一時はどうなることかと思ったけれど。
最速で、介護ベッドや手すりが取り付けられ、家の中で使える歩行器もレンタルして、父は自分で食事やトイレに行き、シニアカーで移動できるまでになったとのこと。
玄関の段差も「なんのためらいもなく」上がれるようになったと聞いて、ただただ驚くばかり。
施設でほとんど食事しなくて皆に心配かけたのに、今ではなんでも食べれるのだとか。
お父さん、まったく、もぅ!
心配したんだから〜!
あんまり、無理しないでよ〜!
でも、帰って来れて良かったね!
家の中で動けるようになって良かったね!
また会いに行くからね!
父の様子を心配しながらも、長崎旅行の余韻に浸って、アルバムを作ったり。
休日には、お義母さんと一緒に久しぶりのドライブとカフェに出かけて。
曇り空だけど、お義母さんは大喜び。内灘のサンセットパークまでドライブ。
旦那さんのリサーチでは、あのフルーツやケーキで人気のHORITAのカフェがあるのだとか。
「お義母さん、ケーキ食べます?」
「ケーキ!?嬉し〜い!」
お義母さんの顔がパァ〜と輝いていて、嬉しい笑顔笑顔。
旦那さんも大好物。
3人揃って、大きな苺ロールケーキ!
ドリンクバー付きです。




