3年くらい前のこと。
「お前が持っておきなさい」と渡された香水。
シミだらけの箱。
香りが変わってしまっているフレグランス。
20年前に亡くなった母の香水を、ずっと大事に持っていた父の想いに、心が震えました。
言葉はたったそれだけでしたが、私には全部伝わってきました。
だんだんと動かなくなる自分の体に、長くない未来を覚悟していたんでしょう。
一緒に住んでいるTomokoさんへの配慮も忘れず、彼女のいないところでそっと渡されました。
今は、父が亡くなって悲しいと言うよりも、やっと愛する母のもとへと行ってくれて、正直ホッとしています。
そして、そういう風に両親が愛し合っていたからこそ、私たち子どもにもたっぷりと愛情を注いでくれたんだということが、何よりも誇りに思えます。
ただ私には、せっかくたくさん受け取った愛情を引き継ぐ子どもがいません。
だから、少しでも周囲におすそ分けしたいなーと思うのです。
