能meetsブログ特別企画
番外編② 杉江能楽堂紹介 其の一
さて、いよいよ今回お世話になった杉江能楽堂を林本先生に存分にご紹介していただきたいと思います。
能舞台全般の事や、杉江能楽堂ならではの事も。
すべて林本先生目線でご紹介いただくことが能meets企画です。
こちらも参考にされてください。
杉江能楽堂の簡単なご紹介を。
※能meets杉江能楽堂のの際にも少し書かせていただきました。
観世流能楽師・杉江櫻圀が、岸和田藩最後の城主・岡部長職から場内にあった能舞台の一部(橋掛)を譲り受け、大正6年に設立。
100年の歴史を持つ大阪府下最古の現存する民間の能舞台。
今まで未公開で、特別な催しなどで使用されることはあってもほぼ一般には公開されていませんでした。
それが去年から、本来の目的やこの能楽堂の特色を生かして活用しつつ保存していこうという動きになり、能楽師の先生などのお力添えもいただきつつ、事務局の伊地知さんが奮闘されております!

この図面を見ていただくだけでもワクワクしませんか?
私も色々な能楽堂、能舞台に行かせていただいていますが、このような能舞台が広間の見所(客席)に対して白州を挟んで置かれている(対置式というそうです)形は初めてで、その白州の広さや、庭園のような景色、独特の和室の見所…最初に足を入れた時には圧倒されました。
能舞台はどこも初めて足を踏み入れた時は圧倒される空気がありますが、杉江能楽堂は昔の趣を活かしたまま舞台を拝見できるまた格別な雰囲気を持った場所だと感じました。
さぁ、絵と文字だけではなくいよいよ画像も添えて
ようこそ杉江能楽堂へ…
門を入って、進むと…和風の横幅のある入り口です。
先生は羽織り袴でお迎えしてくださいました。
※羽織りは私はコートのようなイメージかと思っていましたが、必ずしも室内で脱ぐものではないので、ジャケットの方が近いようですね。先生も取材や撮影がある時は羽織を羽織られることが多いです。
まずは舞台をご覧ください。
見所(客席)の正面から撮影したところです。
よくお客様から質問されるのが
「客席のどこから観るのが一番いいのか」
だそうです。
私も最初思いました。
通常現代演劇で良くみられる舞台形式はプロセと呼ばれるいわゆる額縁舞台です。
が、能舞台の客席はL字型。
前と横と、斜めから観られるようになっています。
これは確かに悩みますね…
大体の催しでは、正面が一番高い料金になっていたりするので、やはり正面からがいいのかな?と思ってしまうのですが…
ここで、その見え方の違いをお見せしますね。
先生には舞台中央に居ていただき…
スタッフ走ります!!
まずは正面から。
ここだとお囃子も正面に見えますね。
脇正面と呼ばれる横側から。
ここからだと地謡が正面に見えます。
橋掛に近くて臨場感がありますね。
そして一番皆さんが気になる柱の方角から。
中正面と言います。正面と脇正面の間の三角の部分ですね。
確かに、どうしても隠れてしまう部分がありますね。
ただ、中正面でも位置によっては柱にそこまで干渉しないかな?ということころあります。
もちろん曲によっていろいろな位置があるでしょうから、一概には言えませんが…
「ここ!」というところで全て柱に被ってしまうのは残念ですね。
実は私はこの、正面よりも少し斜めのこの位置ぐらいから拝見するのが好きなんです。
能舞台に通われている方には、ご自身の好きな場所があるんではないでしょうか?
そしてここは杉江能楽堂だからこその場所です。
正面から更に舞台の上手方向にも客席があります。
脇正面の反対ぐらいですかね。
ここに客席がある能舞台は少ないので、珍しい位置です。
地謡は見えませんが、揚げ幕がバッチリ見えますね!
杉江能楽堂ならではの場所からの眺めもまた素敵です。
結局どこから観るのが一番なのか…先生にもお聞きしましたが
「正解はないです。それぞれの良さがあります。」
でしょうね。
確かに。
先生がよく仰る言葉があります
「私は元々客席側にいた人間なので」と。
お家の出ではないという事なのですが、学生時代にたくさんの能舞台を観てそれに感銘を受け、この道に進むことを決めた先生だからこその感覚もあるのだと思います。
ちなみに、その先生に「どこでよく観られてました?」とお聞きした所、
「昔は幕が揚がるのが見える所を選んでいたかと思います」
だそうです。
昔という事は今は違うのか?幕が揚がる所ということは正面の上手側なのか??とまだまだ聞いてみようとする私に先生が一言
「観る場所は決めない方がいいという事ですね」
と…。はい、そうですね。
ですので皆さんも参考にされつつ、是非とも色々な場所でご覧いただいてお好みを見つけてください。
観たい部分にもよるでしょうし、曲によっても変わるでしょうし。
そして、同じ曲でも観る場所によってきっと印象が変わると思います。
特別に普段は見ることがない…
舞台から客席を。
正面
脇正面
先生がいます…
そしてもっと特別な…
揚幕からワキ方を。
ワキ座から揚幕から登場してくるシテを。
この距離感がなんとも言えません。
そして橋掛から。
実はここにも先生が客席にいらっしゃいます…見つかりました?
色々な場所から能舞台を観る機会がないので、貴重な時間でした。
次回は其の二、舞台の上の解説をしていただきます。












