一日能楽師入門体験
番外編① お稽古レポート
実は南川さんは、2年前から林本先生の元で謡を習われています。
いわゆるお社中(生徒)さんなんです。
とはいえ、舞台のお仕事が忙しく1年以上ブランクがあるそうで、まだ数回しかお稽古には通われていないとか…
今年に入ってからお稽古を再開された南川さん。
今は「橋弁慶」の謡を習っているそうです。
今回は、杉江能楽堂でのお稽古の様子を拝見させていただきました。
先生のお稽古場は大阪だけでなく、奈良・佐賀・徳島、そして今年から東京にもあります。
能舞台であったり、公民館など色々な場所で。
謡・仕舞
その両方をされている方もいらっしゃいます。
謡の場合は、正座で…
もありますが、今は椅子を使う事も多いそうです。ちょっとホッとしたのは私だけでしょうか?
ブランクがあったものの、南川さんはきちんと家で練習をしていたそうで、先生も感心されていました。
やはり、予習も復習も大切なんですね。
特に印象的だったのは「息」の話でした。
音の高さではなく、息の高さ。
先生も色々な例えで説明されます。
お能は口伝です。
師匠からお弟子さんへ、脈々と受け継がれていたったもの。
それをプロでなくとも習えるとは…
もちろん厳しさはプロとは全然違うのでしょうけども貴重な機会です。
先生が仰る事を聞いて。
その中で感じ取って、考えて。
向かい合う一対一のお稽古は、とても厳かでした。
ちょっと離れて能舞台越しのお稽古風景…遠いですが。
言われてすぐに出来るものではもちろんないのですが、南川さんもただ真似をされたり、考えてやろうとしたり。何度も何度も。くり返し。
これも大切な事ですね。
先生も身振りになったり、実演したり。
厳か且つ、贅沢な時間だと感じました。
700年の歴史を持つ伝統芸能を「観るだけではなく、体験する」こういった形で触れられるのは本当に貴重です。
更に、実際に謡で声を出すと、身体が熱くなり気持ちがいいです。
仕舞も体幹がとても鍛えられます。
何より自然と礼儀作法や良い姿勢も身につきますね。
南川さんは、お稽古後の後も声に出して
「こぉ」「ンこぉ」「こぉぉ」と…
ちょっとおかしかったですが、これも復習ですね。
家でもやってください!
そしてスタッフも摺り足と、基本的な型(動き)をいくつか教えていただきました。
スタッフ自身が参加したので写真すらありませんが…
いやもう…まず立ち方からして「腰を入れる」という事、「丹田」への意識。普段意識しない部分への意識。とても難しかったです!
摺り足は能meetsで何度かやった時に、ちょっと聞きかじっていたつもりですが、実際やってみる事でその難しさを改めて感じました。
しっかりと身体の細部への意識や、力の入れ具合などを丁寧に教えて下さるのですが、それを同時に全部しつつ、となると…
一歩がまず出ない。出せないのです。
立っているだけで、精一杯で「え、ここからどうやって足を出せば…」と考えてしまうともうそこから動けなくなる、そんな瞬間が何度もあり、しばし固まってしまうことが…。
「最初はそれでいいんです」と仰ってくださいましたが…
一歩でこれだけ苦労していたら…「舞う」なんて、増してや「仕舞」、更に「曲」となると…と、ちょっと途方に暮れてしまいました。
でも、これも文字通り一歩一歩の積み重ねなんですね。
南川さんに言ってるだけではなく、私もやらねば!と思います。
そして先ほど謡のお稽古の時に礼儀作法や良い姿勢が身につくお話をしましたが、同時に「習っているその曲」への興味関心や自分なりの理解も深まっていくものだと思います。大切ですね、考えるという作業。
林本先生ありがとうございました。
お社中さんにも発表会があり、能舞台でやる大きなものもあるそうです。能楽師の先生方の謡やお囃子で舞う事も出来るとか!
私も他の先生の会ですが、一度拝見したことがあります。
師匠の謡で、お弟子さんが舞うというその舞台に、とても感動したことを覚えています。
謡のお稽古レポートや仕舞(…の前の段階ですが)の実戦レポートで、家でやってくる練習が大切だと改めて。
それを師匠の前で見せて、教わるのが稽古。
稽古の為に、日頃から練習なんですね!
今回の一日能楽師入門を取材していても思いました。
技術だけではなく、日頃からの立ち居振る舞いや、自分で考えて行動していくことが大事だと。
次回は、林本先生による今回とてもお世話になった杉江能楽堂のご紹介です!













