一日能楽師入門体験
③ 舞台へ
着付けが終わり、いよいよ舞台へと…
鏡の間と呼ばれるところで精神を整えます。
杉江能楽堂には奥の楽屋に大きな鏡がありその代わりになっています。
舞台へ向かう心構えや能舞台の説明などは、このブログ特別企画の林本先生による杉江能楽堂のご紹介や、能meets杉江能楽堂の時の「能舞台」解説の時にゆっくりとお話が出来たらと思います。
役者は、能舞台の橋掛かりと呼ばれる下手奥の廊下のようなところから登場します。
そしてその入り口には揚幕と呼ばれる五色の幕がかかっています。
この幕にももちろん意味がありますよ。解説が楽しみです。
揚幕を揚げるのも、その日の後見(こうけん)と呼ばれるシテ方の役割です。南川さん!出番です!
揚幕に竹の棒がついていて、それを二名で揚げます。
※本来は先輩が奥らしいのですが、今回は写真に映りやすい奥側に南川さんに座っていただきました。
舞台へ出るシテは、この時「おまく」という声をかけます。
お客様には聞こえない声で。
その言葉がゆっくりだったら、ゆっくり、勢いがあれば、それにあわせて…と、揚げ方も、登場人物によって演出が違います。
この竹の棒の使い方が中々難しいようで…![]()
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棒だけを揚げればいいわけではないですからね、幕をしっかりと巻き込まないといけません。技術が必要です。
先生側と南川さん側の幕に違いが出てしまってますね…
二人で息を合わせるのも難しいですよね。
「おまく」がゆっくり聞こえたと認識しても、自分の思うゆっくりと、相手の思うゆっくりがどうなのか…
ホラ、美容院で「ちょっと短めに」の「ちょっと」が通じなかった時の悲劇…あ、例えがわかりにくいですかね…![]()
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しかし、これも経験と慣れですね。
数字で表せるものではないので、身体で覚えていくしかないのです。
橋掛かりに歩いて行くのですが…本来はもちろん摺り足です。
これも体験した人はわかると思いますが、全身の力をグッと中に…よく言われる表現では「ブレーキとアクセルを同時に全力で踏んでいる状態」なんです。す、すごい…
橋掛かりも真ん中をちょっとだけ外して歩くというルールがあるんですよ。
能面からの視界は少し先の、ほんの狭い部分のみ。
自分がどこにいるかを見失ってしまいます。
遠近間隔や距離感を掴めないんです。
なので、その能舞台の特徴や、見えるものから判断していくんです。
これは…すごい世界です。
今回は特別に、橋掛かりの終わりで先生が補助を。
舞台の前へ歩いて行くのも、足元が見えないので
「こわいこわい
」と伊地知さん。
なので、能舞台には目付柱(めつけばしら)と呼ばれるものがあるんですね。もちろん歩数や身体で覚えるという事も必要です。
ここで、伊地知さんへ撮影のプレゼントを。
立ち姿と、座り姿。
似合ってますね!
先生も「似合ってますね…着付け方がよかったのかな」
と自画自賛されておりました。はい、そう思います!
この座り方も能独特のもので、右は膝折、左は膝を立てて。
私もちょっとやってみましたがとてもしんどいんです!!
これで長い時間待機もあるとは…
正座だけじゃなく、これもまた…無理そうです。
南川さんも一緒に記念撮影を。
ちょっと嬉しくなってポーズをつけたり。
笑うスタッフに伊地知さんが「なに?なに?何が?」
と不安そうでした。
はい、伊地知さんには後ろどころか、すぐ横も全く何も見えてません。
記念に先生も一緒に。
いい写真ですね。
杉江能楽堂で撮影させていただけて本当に良かったです!
最後はもちろんまた橋掛かりから、揚幕へ。
この揚げるタイミングも難しいです。
歩く速度からそのタイミングをはかって、あげます。
揚幕の前であがるのを待ってしまうことがないように。
実はこの中でもお客様には見えない所作があるのですが…
それは秘すれば花ということで。
あ、でも秘していることを言うこともダメなんですよね、本来は![]()
また鏡で自分の姿を確認します。
装束が乱れていないかどうかなど。
最後までその日の舞台への想いをしっかりと。
ここでお囃子方の方や他の方と終了後のご挨拶もされます。
歩いて、座っただけの伊地知さんでしたが、
良い疲労感に包まれながらも、とても喜んでくださいました。
LINEのアイコンをさっそく能装束姿に変えてらっしゃいました。
実家のご両親にも送ったらとてもとても喜んで下さったそうです。
嬉しいですね。
もちろんこの後、
南川さんには片づけが待っていますが…
ひとまずこちらで能楽師体験はおしまいです!
お疲れ様でした!ありがとうございます、南川さん。
合間のオフショット。
これも本来は座るんですね…。
しかも下にきた肌着が見えてしまってます…![]()
次回は、先生による舞台による着物の違いの解説です。














