一日能楽師入門体験
② 着付け 其の二
前回の続き、今回はかずらから仕上がりまでです。
更に煌びやかですよ!
かずらをつける時は、座って行います。
舞台でも主に腰掛けとして使用するかずら桶と呼ばれる道具をお借りました。
調べると「葛桶」や「鬘桶」と書くみたいですね。
一般的な呼び方のかつらと言わずに、かずらと呼びます。
被ったら即その形になっているものではなく、
ここから結ったり束ねたりして、仕上げていくんです!
髪も結えないといけないそうですよ…南川さん!
先生もかつて、美容師系の会社で実演依頼をされたことがあるそうです。なんと汎用性の高い職業(能楽師シテ方)でしょう…
かずらの下には、綿の帽子を被ります。
そして先生が、横の髪の毛を結っていきます…これも思わず見惚れる作業です。
主に南川さんの仕事は、抑える事。これも大切。
ここでずれでしまうと後で困るのです。
時に平手チョップのような形で、時に掌で覆うように。
これも今回は随時言葉にして教えていただきましたが、普段は阿吽の呼吸で進められていく作業です。
かずらを結ったら、下掛けという紐で固定します。
この時も「おしまり」「はい」の掛け声が。
そしてその前に「おあたり」というのがあります。
これは、紐を結ぶ上下の位置です。
結ぶ位置が上過ぎるとすっぽ抜けてしまう恐れがありますので、これも本人に確認しかわからない感覚なので、「おあたり」で下げて行き、「おしまり」で締めていくのです。
極限まで簡素化された専門用語、カッコイイです。
今回の装束では、後ろでひとつに束ねます。
元結(もっとい)と呼ばれる白い紐で。和紙だそうです。
この時も先生が「ハサミを」と言われて思わず撮影スタッフが手渡してしまい…後で「あ!南川さんの仕事」と気づきました。
かずらの後は、唐織と呼ばれる装束を。
今回は女性もので色も鮮やか、豪華です!
これをまた後ろから、羽織らせます。
この時に「羽織る」理由が、上から掛けないといけない理由が、わかります。
せっかく結った髪の毛が崩れないように。です。
これ下から袖を通すように「着せて」しまうと、髪の毛が崩れて台無しです。そうかそうかと何度も頷きます。
中心をしっかりと南川さんに押さえていただき、先生は前を。
襟を作っていきます。
今回は熨斗付けという着付けだそうです。
熨斗紙の右上のアレが熨斗ですね、あの形をご想像ください。
これはもう…
一朝一夕では出来ない技術ですね。
そして足元をさばきます。そのままでは歩けません。
肩も綺麗に。
この時に使うのが、第三弾でご紹介した撚った糸です。
着付けの時に大切な役目を発揮します。
そのあとは、再びかずら桶に腰掛けて。
鬘帯と呼ばれる綺麗な帯を頭に。
で、いよいよ能面を掛けます。
掛ける前に能面へ一礼を。
こういった細かい所作にも礼儀を重んじているんだと、感動します。
これも流派によって向きが違ったりします、今までの作法も流派によって違いますが、今回は林本先生の観世流をご紹介しています。
流派だけじゃなく、お家によっても細かい違いはあるそうです。
もちろん能面を掛ける時も
「おあたり」
「おしまり」
そして!
面を掛けて驚きが!
面の髪の毛の流れと…先生が結ったかずらの位置!!
ピッタリ!!!
こ、これは…。
もちろん結っている時に面をあてて確認なんてしていませんよ。
シレッとされてますが…熟練の技ですね。
この後はいよいよ舞台へ!
杉江能楽堂でこの企画をさせていただいている醍醐味ですね。
本当にありがとうございます!
装束体験はあっても、中々それで能舞台に立つことは出来ません。
次回、一日能楽師入門体験③舞台へ、です!
もう南川さんに出来ることはないのでしょうか??










