読書には、ものすごい効力がある。
読書は、ストレスを下げるという調査結果もある。
病気や悩み事も和らげる効果がある。
しかも「副作用」がない。あるとすれば、本を読みたくてしかたなくなる衝動が抑えられないことぐらいだろう。
自らの経験から、読書効果を力説するのは、寺田真理子さん。
2011年に、日本読書療法学会を立ち上げ、会長を務めている。
読書セラピー(読書療法、ビブリオセラピー)は、「読書によって問題が解決されたり、なんらかの癒しが得られたりすること」だ。
歴史は古く、古代ギリシャの時代から「読書セラピー効果」は認識されていた。図書館のドアに「魂の癒しの場所」と記されていた。17世紀の医師シデンハムも、「良好ナル書ハ百ノ医薬ニ勝ル」と述べている。
1930年代のアメリカのメニンガー兄弟の研究を経て、20世紀半ばには精神療法ないしは、カウンセリングの具体的なひとつの技術として認識されるようになった。
現在、イギリスでは国として本を処方する取り組みまである。
イスラエルでは、読書セラピスト(ビブリオセラピスト)が国家資格になっている。
日本で読書セラピーを始めたのは、吉田松陰と言われている。
投獄された身でありながら、獄中で読書に励み、ほかの囚人にも感化を与えた。
その後、少年院などの矯正教育の現場で読書セラピーが積極的に活用されてきた。
そして、いまや、日々のさまざまな悩みごとだけでなく、認知症やうつ病、腰痛治療など、読書セラピーは、その適用範囲を拡大している。
寺田真理子さんは、長崎県の生まれ。
幼い頃から、父の仕事の関係で、メキシコ、コロンビア、ベネズエラと、海外生活が長かった。治安のよくないコロンビアでは、恐ろしい体験もした。帰国子女として団体行動にとけこめず孤独だった。
中学生の頃から服用し始めた精神安定剤に頼る生活が続いた。
東大卒業後就いた通訳の仕事も激務で、心身ともについていけず、うつを発症した。
社会復帰もままならず漆黒のトンネルにいたとき出会ったのが読書だった。本を読むことで、言葉の力を再認識し、「自分ばかりが損をしている」という被害妄想思考が消えていった。
読む言葉、使う言葉、聴く言葉が変われば人生が変わる。
寺田さんには、文化放送『日曜はがんばらない』にご出演いただいた。番組の中で、人間関係に悩んだとき、ぎっくり腰になったとき、時間に追われているとき、認知症になったとき、雨降りで鬱陶しいとき…シチュエーションに合わせて読んだらいい本をご紹介いただいた。
その書籍愛に満ちた過不足ないプレゼンが素晴らしかった。
放送は、28日6:20~。
