(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/7937279

 

 
 

「新刊」は既刊へ読者を案内する入口

 
たとえば、自分の本が8万部売れたとすると、多くの場合、「次は10万部突破を目指そう」と考え、その一冊を粘り強く売り続けることに意識が向きます。
 
もちろん、その努力にも意味はあります。
 
しかし、出版した書籍の発行部数を伸ばすうえで、最も効果的な方法は、実は「新刊を出すこと」です。
 
新刊は、新たな読者との接点を生み出します。
 
そして、その作品に魅力を感じてくれた読者は、自然と著者の過去作品にも興味を持つようになります。
 
結果として、新刊の売上だけでなく、既刊の売上も連動して伸びていく。
 
つまり、一冊の本を積み上げるよりも、新たな作品を世に送り出して読者との出会いの総量を増やすほうが、長期的には出版活動全体の価値を大きく押し上げることが少なくありません。
 
本の場合、この戦略が成立する大きな理由の一つは、「過去作が棚に残り続けていること」です。
 
ここで言う「棚」とは、街の書店の書棚だけを指しているわけではありません。
 
Amazonや楽天ブックスといったオンライン書店の商品ページもまた、一種の棚として機能しています。
 
新刊を手に取った読者は、その著者に興味を持つと、自然とその棚を遡ります。
 
そして、過去作品が並んでいれば、その中から次の一冊を選ぶことができる。
 
つまり、新刊は単独で売上を生むだけでなく、既刊へ読者を案内する入口としても機能しているのです。
 
だからこそ、本の世界では、一冊を売り続けることと同じくらい、あるいはそれ以上に、新しい作品を生み出して読者との接点を増やし続けることが重要になります。
 
新刊は未来の売上をつくるだけでなく、過去作の価値を再発見してもらう機会も生み出しているのです。
 
 

「人間」という変数の塊

 
厄介なのは、映画というメディアです。
 
新作を公開した時には、過去作の多くはすでに映画館での上映を終えています。
 
新作によって過去作へ関心を持ってもらうことはできますが、その導線の先にあるのは、サブスク配信やDVD・Blu-rayであることがほとんどです。
 
もちろん作品に触れてもらえること自体は嬉しいのですが、「映画館で観てもらう」という体験にはなかなかつながりません。
 
そのため、多くの映画関係者は、作品公開後も少しでも上映期間を延ばそうとPR活動に力を注ぎます。
 
しかし、ご存じの通り、映画は時間の経過とともに上映館数が減っていきます。
 
つまり、同じ熱量で宣伝を続けても、その効果を受け止める“受け皿”そのものが小さくなっていくのです。
 
だからこそ、どこかで見切りをつけ、新しい挑戦へとリソースを移さなければなりません。
 
公開済みの作品に執着し続けることは、次の作品を生み出す機会を失うことにもなりかねないからです。
 
とはいえ、お恥ずかしい話ですが、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』に関しては、その見切りをまだつけられずにいます。
 
公開からまもなく3ヶ月が経とうとしている今も、なおPR活動を続けています。
 
冷静に考えれば、その効果は公開直後とは比較にならないほど小さくなっています。
 
3ヶ月前と比べれば、宣伝によって動く数字など驚くほど減っている。
 
それでもなお、手を止められずにいます。
 
これは合理的な経営判断というよりも、一つの作品に人生を注ぎ込んだ作り手の未練だと思います。
 
経営者としては、やっちゃいけないことだとは思いますが、クリエイターとしては、やらないと気が済まない。
 
頭では理解できていても、心がそれを認めない。
 
我が子を諦めるようなことはできないんですね。
 
そうして今日もPR活動に励んでいるわけですが、そんな中、先月、2ヶ月間の上映期間に幕を閉じた「渋谷HUMAXシネマ」さんで「復活上映」が決まりました。
 
なんと、明日からまた、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の上映がスタートするんです。
 
僕自身、こんなことは初めてで、何が起きているのか上手く言語化できずにいるのですが、一つ言えることは、復活上映にあったのは劇場さんの想いで、そして、その想いを引き出したのは、作り手の「執念」や「未練」の類だったということ。
 
仮に、クリエイターが正しい経営判断を下していたら、この復活上映はなかった。
 
エンタメは「人間」という変数の塊で、その「変数」というのは経営者には計ることができないというのが今回の気づきです。
 
明日の上映は17時40分からです。
 
僕は17時過ぎには劇場に入って、グッズを購入してくださった方を対象に、サイン会やツーショット撮影会をさせていただきます。
 
そして、上映終了後は簡単な舞台挨拶をさせていただきます。
 
是非、明日は「渋谷HUMAXシネマ」にお越しください。
 
▼チケットはコチラから

 

 
 
いつも応援ありがとうございます!
「西野亮廣エンタメ研究所」ではオンラインサロンの会費を活動資金として、さまざまなプロジェクトに挑戦しています!
 
▼メンバーになって西野の挑戦をもっと応援したいという方はコチラ
「西野亮廣エンタメ研究所」
https://salon.jp/s/d5cQrp0i

 

 
※サロンメンバーさん同士交流される場合は今まで通りFacebookアカウントが必要です
 
\公式LINEができました/
▼西野亮廣 公式LINEはコチラ↓
https://lstep.app/yshrz02