2026年 新年おめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。

 

今からちょうど90年前、1936年の元旦にベルリンの日本大使館で撮影した写真を紹介し、そこから分かることなどを読み解いていく。

 

この写真でまず興味深いのは、以下の文字が写し込まれていることだ。

 

背景の建物に「祝四方拝」の文字(元旦の儀式のこと)

また左下に「於伯林(ベルリン)」、右に「昭和11年(1936年)元旦」の文字が読める。

このようにして写真の記録的価値を高めている。

 

写真を焼く時に、文字の部分をマスキングして光を遮り、白い文字がとなって表れている。

当時すでにこのような技術が用いられていた。そこから読めるのは次の文字だ。

 

技術のしっかりした写真屋が撮ったのであろう。90年を経た今日でも写っている人物の顔が、しっかり識別できる。大事な年中行事ゆえに外交官、軍人、企業の駐在員はほぼ全員写っていると思われる。

中央は大礼服を着けた井上 康二郎臨時代理大使。その右が大島 浩陸軍武官(後に駐独大使)、その右が横井 忠雄海軍武官である。

井上は武者小路公共大使の在任期間の内、9か月ほど代理大使を務めている。おそらく武者小路が休暇で一時帰国したためであろう。


子供は前面に立つが、着ているおそろいの服装から、誰と誰が姉妹かがわかる。当時は受験の関係で、小学校高学年になると男子は日本に戻った。よって女子が圧倒的に多い。

 

中央、黒いワンピースの3人の子供たちが井上代理大使の娘で、最前列がピアニストの井上二葉さんとのこと。1930年の生まれで今も現役。

 

2026年1月1日、つまり90年後の元旦で昨日、「第67回毎日芸術賞受賞者」が発表されて、その一人に二葉さんが選ばれたのだ。

授賞理由は「ガブリエル・フォーレ歿後百年記念コンサート」「エラールピアノ演奏会」などであった。

彼女の写る90年前の写真、なんというタイミングだ。

 

前から2列目で白いワンピースで眼鏡をかけ、後ろの軍人が肩に手をかけているのが加藤綾子さん。お父さんは大倉商事の駐在員であった。彼女は戦前の写真を見せて、これはXXちゃん、こっちは〇〇ちゃんと教えてくれた。そうして二葉さんも筆者に示してくださった。

 

加藤綾子さんには何度か話を伺い、写真の提供を受け、『日本郵船 欧州航路を利用した邦人の記録 他三篇』という書籍の中で紹介した。こちら

その加藤さんは惜しくも2021年に亡くなった。

 

 

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