1 旧石丸助三郎邸

 

文化学院を創立した西村伊作は教育者で実業家である。さらには建築家、画家、陶芸家、詩人、生活文化研究家という顔も持つ、今でいうマルチタレントである。

その伊作の設計で東京に唯一現存するのが、1923年に建てられた旧石丸助三郎邸(現・結婚式場「 ガーデンテラス広尾」)である。その年には関東大震災が発生したが、大きな被害なく難を逃れた。

 

筆者の気づきとしては、歴史的建造物が結婚式場になっている例は多い様だ。横浜のロアビル、横浜迎賓館など。

また石丸は日本郵船のロンドン支店長であった。日本郵船の船長の住居(洋館)なども横浜では歴史的建造物に認定されている。日本郵船の社員は外国文化に触れ、裕福でもあったのであろう。

 

旧石丸助三郎邸  正面玄関から。木の枝から見える窓の部屋も数えると3階建てだ。

 

家の前の大木(ケヤキ?)は撮影にはとても邪魔であるが、第二次世界大戦時の東京大空襲では、火の粉から邸宅を守ったという。

 

2 文化学院

 

1921年、伊作は神田駿河台に文化学院を設立する。自分の子供たちに自分の教育方針にあった教育を受けさせるというのが目的であった。戦時中は連合国軍兵士の捕虜収容所にもなる。

伊作は1963年に亡くなる。そして学校は2018年に閉校となるが、学校の門は今も保存され残っている。

 

3 ルヴァン美術館

 

軽井沢の長倉地区には、伊作の3男の八知が1997年に設立したルヴァン美術館がある。

館長は4女でアメリカ在住のソノ、実質すべてを取り仕切っている副館長の木田三保は次女百合の娘で、伊作の孫である。

 

美術館は創立当時の文化学院の雰囲気を再現しようとした。

 

4 西村別荘

 

多くの子供たちが泊まれるように7つのコテージがある。今年(2023年)のNHKの新日本風土記「軽井沢の夏」では同別荘に集う一族の様子が、冒頭に大きく取り上げられた。別荘近くにはルヴァン美術館のポスターが掲げてあった。写真左上が伊作。

 

5 横浜山手の洋館

 

横浜の山手にある洋館には三女ヨネの子供が暮らす。こちらの家は次男永吾の設計であるという。

このように伊作の9人の子供達はほぼ全員、建築に関係している。

 

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