「言葉の誕生を科学する」という興味深い本を読みました。
小説家の小川洋子さんと脳科学者の岡ノ谷一夫さんの対談形式で書かれているこの本では、動物たちの求愛の「歌」にはじまるコミュニケーションに端を発して、言葉がどのようにして生まれたのか?というテーマを追求しています。
その中に、「つがいになった二羽で動作を合わせて首を振りつつずっと鳴いている白鳥」について語った箇所があります。
脳科学者の岡ノ谷さんによると「(厳格な一夫一妻制である)白鳥たちは、もうペアになっているのだから、それは求愛活動ではなく、一緒に鳴き続けることでお互いにつながっているということを確認し合っている」。
また、白鳥は一夫一妻制であるため、子どもがたくさんはできないし、子どもを育てるのは大変なので、相手を信頼しないといけない。
そして相手を信頼できるかどうかというのは、常に相手に仕事を要求すること=ずっと「愛しているよ」といい続けることだ、と解説されています。
岡ノ谷さんによると、私たち人間がバレンタインデーや、記念日などに何かを贈りあうのも「愛を伝達したい」という意図を伝達するためなのだそうです。
また、「その確認をさぼること自体が愛情を疑うことだ」とも・・・
話は欧米の夫婦が結婚何十年とたっていても「アイラブユー」と言い合うことにおよび、日本人はそれを儀式化しきれていないので照れ臭くて言えないけれども、欧米の夫婦にとっては(心がこもっている・いないに関わらず)それは「つながりを確認するための儀式になっている」という解説をされていました。
日本人の夫婦の間では、この岡ノ谷さんの言う欧米の夫婦が「アイラブユー」を言い合うことに相当する行為というのは、夫婦の間で交わされる「なんということのない話」ではないかな~という気がします。
例えば何か面白くないことがあって不機嫌なときや、あるいは相手に腹を立てているときでも、パートナーが他愛もないことでも話しかけてくることってありますよね。
そんなときは「ああ、『つながりを確認するための声かけなんだな』と理解して、たとえ儀式だとしても精一杯の返答をするということも、愛情の伝達には必要なことなのだな・・・と感じました。
国際結婚であってもなくてもこれは変わりませんね。