その日、
私はスーツケース1つで実家に帰った。
親から大反対された国際結婚。
上手くやれると思ったけれど、
結果はこの通りだ。
夕飯の時間になり、食卓の席に着く。
何を話せばいいのかわからず、
黙々とご飯を食べる。
そのうち母が
「『ほら、見たことか』
とでもいうと思った?」
と、言ってきた。
「そんなこと、言わないよ」
その優しい声を聴いた瞬間、
涙がボロボロとこぼれ始めた。
鼻水も出てきて必死にすすったら、
口の中が、咀嚼したご飯と、塩気と、
なんだかドロドロとしたもので一杯になった。
そのドロドロの汁をゴクンと飲み込んでは
またおかずを口の中に放り込み咀嚼していると、
再び涙で口の中が一杯になるから、
無理やりに飲み込む。
その作業を、
ひたすらに繰り返した食事だった。
ただただ、しょっぱかった。
あの時の献立が何だったのか、
どうしても思い出せないけれど、
あの涙の味は、いまだに忘れられない。
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