「・・・コ、チコ」

 

うわっ、地震?ガバッと飛び起きる。

 

目の前に、祥ちゃん先輩の顔があった。

 

「・・・祥ちゃん先輩」

 

「よ」

 

そっか私、小さくなってたんだ、なぜか。

 

地震かと思ったのは、祥ちゃん先輩が私の体を揺すってたからだ。

 

「あは。揺すり方、強かったか?びっくりしちゃったか?」

 

祥ちゃん先輩が、くすくす笑った。

 

「寝てたか?まあ、やることないもんな」

 

チコは結局あれから午前中うとうとして、お昼ごはん代わりのパンを食べて、

 

また寝ていた。

 

うっわ~何もしないで、動きもしないで、ただ食べて寝るなんて太るじゃない。

 

チコは慌てたけど、もう遅い。

 

「明日は俺たち三年生、試験なんだよな。でも、どこかに隠せば大丈夫だろう?

 

学校に連れて行ってやるよ」

 

え?今なんて言いました?学校に連れてってくれる?

 

ホントならどんなに嬉しいか。

 

「まあ、それまでにチコが元の大きさに戻れればいいんだけどな。

 

・・・にしてもなんでチコは俺の部屋にいたんだ?」

 

私もわかりません。

 

「それより・・・そっか。チコの親が心配してるんじゃないか?」

 

それなんですぅ、それ、心配なんです。

 

「だな。きっと心配してるな」

 

先輩はちょっと腕組みをして考えて・・・

 

「そっか、チコ。山口の電話番号、知ってるか?」

 

山口・・・?

 

「由果の?」

 

「そう。山口由果だ」

 

えっと・・・チコはポケットを探った。ポケットの上からでも判る、固い感触。

 

あったよ。嘘みたいだけど。

 

チコはポケットから一緒にちっちゃくなった携帯を出した。

 

「わは。ちっちゃくなったなあ、携帯も」

 

先輩はその携帯をつまみあげて、笑った。

 

「助かったな。でも、充電切れる前に戻れるといいなあ」

 

そうだよね、こんな小さな携帯充電器があるわけない。

 

チコは先輩から携帯を受け取ると、アドレス帳から由果の電話番号を出すと、

 

先輩に見せた。

 

「・・・ん?090・・・小さくって見にくいな」

 

先輩は、目を細めて番号を読み取ると、自分の携帯で由果にかけた。