グランメゾン・パリ | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

監督:塚原あゆ子
脚本:黒岩勉
尾花夏樹:木村拓哉
早見倫子:鈴木京香
ユアン:オク・テギョン
小暮佑:正門良規
リンダ・真知子・リシャール:冨永愛
相沢瓶人:及川光博
京野陸太郎:沢村一樹
ルイ・ブランカン :パトリック・デスカン (Patrick Descamps)
パスカル・ブランカン :ヤニック・レニエ (Yannick Renier)
アルマン :ヴィクトール・ポンテコルヴォ (Victor Pontecorvo)
平古祥平:玉森裕太
芹田公一:寛一郎
松井萌絵:吉谷彩子
久住栞奈:中村アン
料理監修:小林圭
1. パリでの三つ星へ、日本人にとっての高い壁・降りかかる試練
ミシュランの二つ星を守っている、グランメゾン・パリ。
パリ・ヴァンドーム広場前にあるブシュロンという老舗ハイジュエリーブランドでのガラディナー(格式高く華やかな晩餐会)があり、フランス料理の重鎮たちを招きました。
尾花は卸業者から届いた肉を見て「魔法使いじゃねえんだよ」
尾花は市場で卸業者にかけあい「なんですか、これは」
卸業者「牛肉のフォーフィレだな」
尾花「ウチの店で出せるわけがない」
卸業者「異常気象でいい肉が少なくなっている。いい肉はいい店に卸す。嫌なら他を当たってくれ」
けんもほろろでした。
倫子「メインの熟成肉はどうした」
バイクで尾花が帰って来て「交換してもらえなかった。熟成肉の状態が悪すぎるんだよ。和牛に切り替える」
倫子はジルに「和牛に切り替えるからペリグーソースの準備して」
ジルはびっくりして「今から?」
尾花「急げ」
そして尾花は「今回は伝統的にやるんだ。アレンジするな。アレンジするなよ」
相沢「でも仕入れた野菜がイメージしていたのと違う」
尾花「そうやって、アレンジに逃げるから三つ星に手が届かないんだよ」
倫子にもキツく当たり「俺が代わる。塩味が足りない。お前には任せられない」
招待客は、巨匠であり、尾花の師匠でもあるルイ・ブランカンさん。
ルイさんの息子の三つ星シェフのパスカル。
世界一のフードインフルエンサー・リンダも含まれています。
前菜:カニのタルタル、ウナギの燻製のジュレとクレソンのクーリ
和牛フィレのグリエ、ソースペリグーソース
尾花はパティシエのユアンに「(デザートを)5分で出せ」
ユアンはタルトショコラを用意していました。
尾花「タルトじゃなくて、軽いヴァシュランにしろと言ったよな。出来のいいデザートでも、コースに合わなきゃ意味がないんだよ。作り直し」
時間が無いため、そのままタルトがふるまわれました。
食後、尾花があいさつしましたが、まばらな拍手でした。
リンダは京野に帰り際、「まだ仕入れに苦労しているみたいね。感じたままをありのままに書かせてもらうわ」
車に乗り込むルイさんは、見送りした尾花に「俺はお前に何を教えたんだろうな」
尾花「本当に申し訳ない」
店に戻った尾花は、倫子だけなのを見て「みんなは?」
倫子「今日はもう帰らせた」
尾花「明日の仕込みだって何にもやってないのに?」
倫子「今日ぐらい休ませてあげたっていいでしょ。私はもうこの店を辞める。誰の言うことも聞かないあんたのスーシェフをやっても意味がない」
尾花「ちょうどよかった。俺もあんたをクビにしようと思ってた」
倫子はすすり泣きしながら、鍵を置いて出て行きました。
半年後
相沢「ミシュラン三つ星店は、激戦区のバリには10軒ほどひしめきあっている。名だたる巨匠たちはいわば怪物だ。怪物たちと互角に戦うには、彼らに匹敵するシェフの独創がないとお話にならない。尾花が抱えてあるプレッシャーは計り知れない」
店の大家さんのルイ・ブランカンさんに呼び出されてのランチです。
ルイさんの店は29年連続ミシュランの三つ星で、息子のパスカルさんが店を引き継いでいます。
パスカル「ランチは俺が用意する。(名物料理の)提督のターボットだ」
ルイさんが本題を話しました「時間切れだ。ガラディナーも散々な結果だった。しかも鋭い味覚を持っていた倫子さんが抜けて、評判はさらに下がっている。別の才能にあのテナントを貸すべきだという声が多い。これ以上私も庇いきれない」
尾花「待ってください。三ツ星を取ります」
ルイさん「希望的観測では説得できない。取れなかったらどうする」
尾花「フランスから出て行きます」
ルイさん「違う店で始められるよりも、その方が納得するかもな。わかった。次のミシュランの発表までだ」
店に帰って尾花は「ミシュランの審査は一年を通して行われる。メニューを全てリニューアルする。俺は今まで日本人ならではの発想と技法を取り入れた料理で勝負してきた。でもそれじゃあパリでは三つ星に届かなかった。これからはフランス料理の格式と伝統を前面に押し出す」
相沢「日本やアジア的な料理法、食材は入れた方がいいんじゃない? でないと、僕たちがパリでフレンチやってる意味ないんじゃない?」
尾花「前に俺らでパリで店開いた時、フランスで日本ブームみたいのがあってさ、パリで日本的なものがむちゃくちゃ受けて、粉末の出汁使うグランシェフいたからな。だから俺も日本の食材や技法を積極的に使って、日本人初の三つ星を狙った。でも大きな弱点があった。日本人の良さでもある繊細さと線の細さ、この国の伝統だったり風土の重みが俺には欠けていた。和に甘えた料理じゃ、三つ星には届かない。フランス人に負けない、フランス料理の技術伝統、骨格を備えた料理が必要になってくる。だから俺は日本や異国の文化を一切取り入れない。正当なフレンチで真っ向勝負する」
ユアンは皮肉たっぷりに「じゃあ俺はトリコロールのジェラートでも作ろうか。エッフェル塔の形にして」
ミーティングで、スタッフに「三つ星が取れなかったら閉店する」と伝えました。
尾花「成功を信じんないメンバーは出ていってくれ」
相沢「尾花、そんな言い方っ」
(窓に、アルカンの顔がありました)
ユアンは「ちょっと飲んでくる」と言って、出て行きました。
小暮「最近変な奴らとつるんでるって噂です」
ホールの女性2人は、店に別れを告げました。
「ホール回りそうなのかよ、これで」
京野「いいや」
尾花「だったらすぐ補充してくれ」
京野「お前なあ、そんな簡単にいい人材が見つかるわけないだろ」
尾花「料理はオレ、スタッフは京野に任せるって一番最初に決めたろ」
ユアンが、アルマンの部下たちから殴られています。
目撃した尾花は「俺は撮影している。やっぱり借金取りか。警察沙汰になったら困るだろ。(周りの)みんなも撮影しているだろ」と言って追い返しました。
ユアンの部屋には食材やスパイス、レシピがたっぷり。
尾花「宝の山だな。借金の理由はこれか」
ユアン「俺の趣味だ。あんたには関係ない」
尾花「じゃ、なんでウチのコックコート着ているんだよ」
ユアン「10年ぐらい前、パリでパティスリー開いていた。店は好評だったが、パティシエに贈られる最高賞とは一切無縁だった。理由は俺が東洋人だからだと思った。そんな時、パリで東洋人シェフが二つ星を取った。そいつの料理を食べた時、無性に腹が立った。どうして俺にはチャンスが来ないんだ」
尾花「金のことだったら、京野に相談しろ」
ユアン「お前こそ、なんで俺みたいに言うことを聞かないヤツをパティシエにしている」
尾花「人事のことは全部京野に任せてある」
ユアン「早く倫子さんを呼び戻してもらうんだな。お前なんかに誰もついてかないぞ」
尾花「何言っているかわかんねえよ」
仕入れでは、相変わらず苦戦していました。
2. 倫子の復帰でスタッフ間の雰囲気が一変
京野「今日から新しいホールスタッフ雇ったから。紹介するよ、早見倫子さんだ」
尾花「何しにきた」
倫子「あんたと料理することは嫌だけど、店のみんなのことは大好きだし、ホールスタッフとして働くならいいかなと思って」
尾花「クビにしたはずだ」
倫子「あなたがそんなこと決められるでしょうか」
京野「スタッフのことは全部俺に任せるって、言ったよな」
ユアンが入って来て「倫子、おかえり」
グランメゾンパリのホールで生き生きと働く倫子。
卸の肉業者は、いい肉を提供してくれるようになりました。
小暮「ジョエルさんて、なんでうちにいい肉卸してくれるようになったんですか?」
相沢「それは・・・、僕が通い詰めたから(何か奥歯にものが挟まった言い方で)」
小暮「さすが相沢さん」
相沢「でも今、安定していいものを卸してくれるのは、肉だけ。魚介類や野菜に関しては、まだまだ一級品を卸してもらえていない。パリで日本人が三つ星を取るための1番の難関は仕入れの難しさだよ」
ホールで倫子はお客さんの感想をキャッチし、厨房へ「ユアン、タルトショコラ最高だって」
ユアン「作ったのは俺だから、当然」
小暮「なんか倫子さんが戻ってから、店に活気が戻りましたね」
相沢「(尾花に聞かれないように)シーっ」
倫子は尾花に「聞いたよ、今年三つ星取らないと、店は終わりなんだってね。まあおじさんも50過ぎだし、もう後がないか」
尾花「集中したいんで話しかけないでもらっていいですか。おばさん」
倫子「どうやって今年三つ星を獲るつもりですか、尾花シェフ?」と言って、串をマイクに見たてて、顔に近づけました。
倫子は、尾花の手に串を刺しました。
「イッテ」
倫子「あんたの仕事には、みんなの生活がかかってるんだから、ちゃんとこれからのビジョン説明してください」
尾花「とりあえず、仕入れる食材のクオリティーを上げる」
倫子「肉は、一級品が手に入るようになったみたいだけど、次の狙いは?」
尾花「キャビア。三つ星店っていうのは、どの店もその店でしか食べられない、素晴らしいキャビアを持っている。ウチにも必要なんだよ」
尾花と倫子はキャビアの卸し会社・ランペール社を訪ねました。
「ウチもブランドがかかっている。初めて会ったあんたを信用するわけには行かない」
尾花「だったら、キッチンを貸してください。空気を抜く工程前のキャビアを少し分けてください」
社長「圧縮前の?」
尾花「よければ」
社長のOKがもらえました。
倫子「(粒が)大きーい」
尾花「圧縮すると粒が潰れて、弾力がなくなっちゃうんだよ」
味見した尾花は社長に「この食感を求めていたんです」
社長「このキャビアをどう使う?」
冷蔵バックにエビなどを持参していました。
尾花「オマール海老のフライ、キャビア入りグリビシュソース添えです」
社長は試食して「圧縮して空気を抜かないと、二週間も持たないぞ」
尾花「ランベールさんのキャビアを、ウチの看板メニューの一つにします」
社長「週にどのくらいだ」
尾花「2キロ」
社長「悪いが無理だ。あんたの腕は認める。うちは様々な店や業者と深い付き合いがある。そういう人たちに睨まれるようなことは出来ない」
倫子「つまり、私たちのようなよそ者には協力できないということですか」
社長「フランス人が東京で寿司屋を開いたとする。最高のマグロが手に入ると思うか?」
倫子「この人はフランスとフランス人を尊敬しています。この国の人たちを喜ばせるために必死に努力して・・・」
尾花「やめろ。ありがとうございました。これは今まで出会った中で最高のキャビアでした」
尾花は戻ってホタテを焼き始めました。
ホタテはブルターニュ産なのに粒が小さいのが届きました。
尾花は相沢に「マイヤーレモン(レモンとオレンジの自然交雑種とされるレモンの一種)、手に入んないかな」
相沢「いやー、今の時期難しいよ」
ジルがキッシュのようなものを尾花に食べさせています。
「アーティチョークの苦味に対して、パプリカの甘さを使いました」
尾花「うん、食べたことあるな」
ジルはガッカリ。
届いた魚は黒くなっていました。
尾花「血抜き全くできていないよ」
3.ワンマン・尾花シェフとスタッフとの摩擦
尾花はユアンに「自分の国の味や文化を入れるなって言ったよな」
ユアン「料理に自分らしさが出るのは当たり前だろ」
尾花「これはウチの料理じゃない。ウチのパティシエだったら、俺の思いが行き渡るようなもん、ちゃんと作れよ」
ユアン「デザートを一番考えているのは俺だ」
尾花「お前の考えなんて、どうだっていい。俺の指示に従え」
ユアンのため息。
京野「ユアンにお客さんだ」
アルマンが、テーブルに座っていました。
店内でユアンはアルマンの部下からボコボコにされました。
アルマンは尾花に「返済が滞っている。お前がシェフか? お前が払わないか。大事なスタッフがケガしたら困るだろ?」
アルマン「三つ星なんて夢見ないで、金になることをやれよ」
ユアン「叶わないなんて誰が決めた? 勝手に決めんな」
アルマンたちは厨房に入って、食材を持っていこうとしました。
尾花「触ってんじゃねえよ」
場面が変わり、尾花とユアンが警察から出てきました。
京野と倫子が2人を迎えに「ルイさんが保証人になってくれた」
尾花「店は?」
倫子「相沢さん達が片付けてくれてる」
その後から、アルマンも出て来て、迎えの車に乗り込み、去って行きました。
京野「あいつはかなりやばいスジらしい。お前も気をつけろ」
倫子「ワビメシだね」
ユアン「?」
京野「迷惑をかけたら、料理を作ってみんなにご馳走するってことだよ」
倫子「明日の賄いはユアンに決定」
4. ユアンの住まいにまで襲い掛かる借金取り
ユアンは「ただいま」と言って、ガストンのチーズ工房に顔を出しました。
ガストン「またチーズのデザートか?」
ユアン「いや、ワビメシ」
雨が降って来ました。
チーズ工房の隣がユアンの住まいでした。
借金取りが、家で待ち構えていました、
アルマン「俺の金はどこだ」
ユアンは手を縛られました。
アルマンは火のついたストーブを倒して、逃げて行きました。
京野が電話しても、ユアンは出ません。
「下準備やっとけ。すぐ戻るから」と言って、尾花はバイクで出かけました。
尾花が間に合いました。
ユアンは「宝の山」に未練があり、何かを持っていこうとしましたが、尾花が部屋から出しました。
部屋は全焼。
2人は病院にいました。
尾花「自分の命と料理とどっちが大事なんだ。バーカ」
ユアン「同じくらいだ。俺一人じゃ無理だった夢が、叶えられるかもしれないと思った。もう終わりだな。大切なものをなくした」
京野が駆け付けて、尾花に「大事な話がある。ユアンのラボの隣のチーズ販売店が被害にあった。保管庫の空調が壊れて、このままだと全損になるらしい」
尾花「うちの責任だし。全部買い取ろう」
京野「そういう風に言うと思ったよ。了解。昨日の乱闘騒ぎで、次の借り手から正式に立ち退きの連絡が来た。新しく店をやるのは、パスカルだそうだ」
尾花はパスカルの仕事場に顔を出し、膝をついて「立ち退き要請を取り下げてくれないか」
パスカル「今から三つ星が取れると本気で思っているわけ」
尾花「俺は信じている」
パスカル「なめんなよ。フランス料理を。ルイ・ブランカンの一人息子のボンボンだと馬鹿にしていただろ。30年の三つ星を守るプレッシャーがわかるか? 俺は親父の提督のターボットをメニューから外した。その時の恐怖がわかるか? だが、やらなければならなかった。フレンチは進化し続けないといけないんだ。三つ星シェフにはフランス料理の地位を守る責任が生まれる。フレンチは世界最強だと証明し続けなければならない。あんたはその重みがわかっていない。尾花夏樹に三つ星を語る資格がない」
尾花は京野に「立ち退きを取り消して欲しい、ルイさんのところにもいかないと」
京野「倫子が行ってるよ」
尾花「は? なんで。途中で投げ出しただろ」
京野「決まってるだろ。お前に三ツ星を獲って欲しいから。なんでジョエルさんからあんないい肉が入るようになったと思ってんだよ。お前ならまともな食材が入ればパリの天才たちと互角に戦えるって。だから倫子さんはジョエルさんところで働いていたんだよ。これを知っているのは俺と相沢だけだ。倫子さんが必死に働いてくれたおかげでジョエルさんの信頼を得て、いい肉を卸でもらえるようになったんだよ。尾花、お前が誰よりも背負っているのはわかる。でもこれじゃあ、二つ星で終わった昔のまんまじゃんかよ。おれは、ミシュランのステージでスピーチするお前の姿が見たいんだよ」
倫子はルイさんに談判「私は尾花夏樹の料理が好きだからです」
ルイさん「尾花は獲れない。フランス料理の価値を忘れている。私は常にフランス料理の発展を願っている。強い扉を開いてくれる誰かにあの店を託さなければいけない。それは彼じゃないんだよ」
倫子「彼はまだ終わっていません」
ルイさん「君が尾花を想うなら、諦めることの大切さを教えるべきだ。人生は長い。パリで三つ星を取ることだけが全てではない」
尾花が店についたとき、倫子や店のスタッフはカトラリーを磨いていました。
多国籍のスタッフが、同じ歌を様々な言語で歌いながら作業していました。
尾花「小暮、俺には何が足りない? 三つ星を取るのに。言ってくれるか?」
小暮はびっくりして「正直すごすぎて、よくわからないんですけど」
倫子は尾花を外に呼び出しました。
尾花「ルイさんになんか言われた?」
倫子「もう諦めろってこと。諦めよう。わたしももう、無理だと思う。パリにこだわることないんじゃない。ニューヨークとかで獲るのも悪くないよ」
尾花「そうだな・・・。俺がそう言うわけねえだろう。終わんねえよ。倫子、取るぞ三つ星」
倫子「ウィー、シェフ」
京野が尾花に「警察から連絡があった。あいつら(アルマン一味)は捕まったって」
ユアンが出社して来ました。
ユアンは尾花に「俺は店を辞める。迷惑をかけて、悪かった」
尾花はそもそもの話から始めました「京野から、パリでガチンコで挑んでる東洋人のパティシエがいるって聞いて、食べに行ったんだよ。腹立ったんだよな。自分のデザートより格段に上だったから。東京でやり直してからパリに戻って、そいつを探したんだよ。リアンのデザートが絶対三つ星に必要だ。料理に国境がないってことを証明してやろう、絶対。俺たちで獲るぞ、三つ星。今日は俺からのワビメシだ」
尾花はスタッフに「コンテチーズのクロックムッシュ。ボナペティ」
さらに尾花は「みんな、食べながら聞いて欲しい。ここに集まっているみんなは三つ星を獲るためにここにいる。パリの三つ星シェフは怪物たちだ。俺1人で太刀打ちできない。メンバー全員の力が欲しい、頼む。改めて俺に力を貸して欲しい。この通りだ。頼む」
ユアン「あんたは周りに頼むのが下手すぎる」
相沢「自分の国の文化を取り入れるべきだよ」
小暮「俺が言うのも生意気ですが、相沢さんの言う通りだと思います」
尾花「買い取ったチーズを取り入れたい。そして、海外のものも積極的に取り入れる。チーズはユアン、お前の仕事だ。俺はメインを中心に考える。倫子、手伝えよ。京野、いいだろ」
東京の平子の店に連絡し、大量のチーズを分けることになりました。 市場の魚介コーナーでは放火のことが有名になっていました。
卸業者「ガストンさんのチーズを全部買い取ったらしいな」
高品質の魚を卸してくれることになりました。
しかも、以前卸を断ったランペール社のキャビアも扱いが可能になりました。
市場の野菜コーナー
卸業者「放火なんて馬鹿な連中が迷惑かけて同じフランス人として恥ずかしいよ。野菜で困ったら、相談してくれ」
尾花「これだけいい野菜があれば、サラダも素材の味で勝負できる」
放火され、チーズをすべて買い取ったことが、市場で語り継がれ、事態が好転してきました。
尾花「最高の食材は揃った。第一関門は突破した。あとは俺たちがどう調理して、どうお客様に出すかだ。日本の食材や調理法も取り入れる。目指すのは、俺たちの感性とフランスの伝統を融合した料理だ」
相沢がサラダについて尾花に熱弁「絵画のように野菜が散りばめられたミッシェル・プラスのガルグイユが登場した時、サラダの常識が変わった。その常識をもう一度覆す。それぞれの野菜を全部一緒にしちゃうんだよ。食感は大丈夫。見た目は同じだけど、それぞれの野菜に手を入れて食感の違いは際立たせる。酸味、甘味、苦味、全てを一口で感じさせてみせる。100年先まで語り継がれる、そんなスペシャリテを目指さなければ新しい扉は開かない」
小暮が無理だと口を挟もうとしましたが、尾花が静止。
尾花は感心して「お前に任せる」
尾花は倫子に「早見倫子の絶対味覚は戻っている。相沢は気づいていた」
倫子「私はこの店のために頑張る」
尾花「なあ。この肉全部出そうぜ。ピティヴィエ(フランスの地名に由来する伝統的な焼き菓子 )はどうだろう」
倫子「お菓子の?」
尾花「普通はアーモンドクリームをパイで包むだけだけど、その代わりに肉を全部詰め込む。表面は王様の馬車の車輪の模様。16世紀にシャルル9世がピティヴィエの街で初めてパイを食べて感激してから職人たちはその模様を描きだした。焼き上がったパイはホールまで持って行って、目の前でカットする。お客様は音と断面の美しさと香りを楽しめる。お皿に乗ったさっくさくのパイを切って口の中に運んだら、さまざまな肉の味が楽しめる。見た目はシンプルだけど、味はアグレッシブに。この店にいるスタッフの思いをこのパイに詰め込む。三つ星の扉を全員の力でこじ開けるメインだよ」
そして尾花は「思い出した。フランス料理は異国の文化を取り入れたんだ。それがすっげえおもしえと思ってフレンチ始めたんだ」
5. 重鎮を招いての最後のディナー
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倫子はルイさんと会いました。
ルイさん「ミシュランの発表まで一週間だ。諦めていないんだね。それでも出ていってもらうよ」
倫子「ルイさん、最後に食べに来ていただけませんか。グランメゾンパリへ」
ルイさんも承諾し、パスカルとリンダも同席しました。
リンダさんの作り手の思いも読み取った魅惑的なレポートとともに、フルコースが紹介されました。
京野「まずは日本産の赤紫蘇のグラニテをお楽しみください。スプーンでお召し上がりください」
泡状に仕立てたスモークヨーグルトムースの小タルト
ユッケ風ホタテ
ラングスティーヌとブラッディマリー
庭園風季節のサラダ
アーティチョークの天ぷら
スズキのウロコ焼き
イカスミ入りのジェノベーゼとプチトマトのコンフィ
オマールフュメ
ピティヴィエ
ゆずのソルベと24ヶ月のコンテチーズ
フランボワーズと白みそのヴァシュラン
すべての料理が終わり、ルイさん「まずは、立ち退き要請を出している次の借り手から話を聞こう」
パスカル「白々しい。俺は尾花を追い込むためのダシにされたんですかね。立ち退き要請に関しては、初代が決めることですよ」
ルイさん「三つ星の基準は『そのために旅行する価値のある卓越した料理』だ。だが、お前の料理には当てはまらない。それ以上の価値がある。ゴチソウサマ」と言って、頭を下げてくれました。
パスカル「これまで以上に厳しいぞ。星を守るのは」
尾花「ここからが始まりだな」と言って、固く握手。
リンダ「美味しかった」と言って、尾花に思わず抱きつきました。
すべてのお客が店を出てから、スタッフ内で大喜び。
倫子「シェフ(ひと言言ってよ)」
尾花「みんなのおかげで今夜もお客様に良い時間を提供できた。お疲れ様」
ミシュランの授賞式で、尾花のグランメゾン・パリは待望の三つ星獲得。
ミシュランのコートに着替えた
尾花「フランスとフランス料理に心から感謝します。料理に国境がないことを私に教えてくれました。望めば叶う。ありがとう。本当にありがとう」
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日本人唯一ミシュランの三つ星獲得の小林圭さんが監修もされています。
木村拓哉さんは、小林さんに敬意を込めて金髪にしたそうです。
林修先生との対談もテレビで見たいものです。
仕入れの難しさに加えて、言葉の壁もあったのではないでしょうか。
やはり細かいニュアンスを伝えるご苦労があったことでしょう。
日本人にとって、パリでのミシュラン三つ星という偉業を達成したのは2020年。
「偉業」という意味で、スポーツ界でボクシングの井上尚弥選手、メジャーリーグの大谷翔平選手が偉業を成し遂げましたが、サッカーの森保ジャパンに期待してしまします。

