もしがく | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

三谷幸喜さん脚本
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脚本家 久部三成 :菅田将暉
劇団のスタッフ トンちゃん:富田望生
演出家 黒崎:小澤雄太
無料案内所のおばば:菊地凛子
ダンサー いざなぎダンカン :小池栄子
ダンサー パトラ鈴木:アンミカ
ダンサー 毛脛モネ:秋元才加
ダンサー・兼バー・ペログリーズのママ リカ:二階堂ふみ
バーのウエイター・ケント:松田慎也
モネの息子・朝雄:佐藤大空
放送作家 蓬莱省吾 :神木隆之介
WS劇場のオーナー ジェジー才賀:シルビア・グラブ
運転手兼秘書 乱士郎:佳久耀
支配人 浅野大門:野添義弘
妻 フレ:長野里美
スタッフ 伴工作:野間口 徹
芸人はるお:大水洋介(ラバーガール)
芸人フォルモン :西村瑞樹(バイきんぐ)
客引き うる爺:井上順
取り立て屋 トニー安藤:市原隼人
受付兼チケットもぎり 毛利里奈:福井夏
ジャズ喫茶の店員 仮歯:ひょうろく
ジャズ喫茶のマスター 風呂須太郎:小林薫
神社の神主 論平: 坂東彌十郎
巫女 樹里:浜辺美波
是尾礼三郎:浅野和之
カリスマ演出家・蜷川幸雄:小栗旬
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久部の前に現れた蜷川幸雄さん「芝居は猥雑なものなんだ。ストリップ小屋でシェイクスピアなんて、僕は最高だと思います」
久部「蜷川先生にそう言っていただけると」
蜷川「今日の冬物語面白かった。楽しかった」
久部「裏では色々ありまして・・・」
蜷川「舞台は何が起こるかわからないんだ。大切なのはノイズ、予定調和は罪悪。面白い役者が揃っていましたね」
久部「是尾さんはいかがでしたか」
蜷川「相変わらずくさい芝居をしていたな。役には合っていたが」
久部「是尾さん以外はみんな役者じゃないんです」
蜷川「素晴らしいよ。あの唐突に漫才を始めたのは?」
久部「芸人とダンサーです」
蜷川「よかったよ、あれがノイズだ」
久部「了解しました」
蜷川「人間にはね、それぞれ培ってきた人生がある。それを土台にして、演劇という新たな身体表現で新しい自分と出会う、その瞬間に僕たちは立ち会うんだ。オートリカスを演じていたのは?」
久部「彼は元警官です」
蜷川「いい目をしていた。彼は伸びるよ。客席から出て来た背の高い男は?」
久部「あれは神社の宮司です」
蜷川「あれはノイズとは言わない、あれは雑音だよ」
蜷川さんはマスターのところに来て「もう一杯。次は濃いめを頼む。いい芝居を見た後はコービーが飲みたくなる」
マスター「わかりました」
蜷川「お元気ですか」
マスター「ええ、歳の割には」
蜷川「明日も公演はあるのですか」
久部「役者が1人出られなくなり、代役をどうするか、考えているところです」
蜷川「どんな形であれ、君ならきっと面白く仕立ててくれるだろうね。僕の知り合いにも見るように言っておきますよ。井上ひさしさんにも見るように言っておきますよ」
久部「ありがとうございます」
蜷川「今夜の唯一の不満は客が少なすぎたことだ。
とにかく今はがむしゃらに突き進みなさい」
事務所で、久部はオーナーに録音を聴かせました。
トニーの声「ジェシーコーポレーションの者だ。社長に頼まれてブツを持って来た」
オーナー「つまり、あなたたちはこれを使って、私を恐喝しようと考えたわけね。この録音テープを渡す代わりに120万円のことは忘れる、そういうことでいいのね」
久部「そういう・・・ことです」
オーナー「了解しました。忘れましょう。劇場からは一切手を引きます。とはいえ一銭もいただかないとなると、かえってそちらも気が引けるでしょう。これからはあなたたちの劇団に劇場を貸すという形でどうかしら」
久部と大門「いいと思います」
オーナー「幾らぐらいが相場?」
大門「だいたい一日4万・・・」
オーナー「2万でいいわ。週6日で休園日は半額で13万」
大門「ええ? いや、あまりにもオーナーの物分かりがよろしくて、いささか驚いております」
オーナー「当たり前じゃない。せっかくあなたたちが罪をかぶって私と会社に火の粉がかからないようにしてくれたんだもん。今さらこんなものが流れたら、みんなの努力が水の泡。こう見えても、はらわた煮えくり帰っているんだから」
久部「感謝いたします」
オーナー「帰ります」
2人は外でお見送り。
車が行ったと思ったら、抱き合わんばかりの喜び。
久部「これで一歩先へ進みました」
大門「後は客が入ってくれれば、なんだが」
久部「ご心配なく。どうやら風向きが変わりました。蜷川幸雄が見てくれました」
大門「世界の蜷川が?」
久部「大絶賛でした。力になってくれるそうです」
大門「面白くなって来た、先生よぉ〜」
そして、久部は無料相談所。
おばば「万歳、あんたはやがて小屋主になる男」
久部「さすがにそれは無理だろ。大門さんがいる」
おばば「いずれあんたは小屋主になり、劇場のてっぺんに立つ。その時、八分坂はあんたのもの。世界はあなたのもの」
蜷川幸雄さんからのお祝い花が劇場に飾られました。
それを聞いて是尾「遅い。何度も案内状を送っておいたんだぞ。楽屋花は? この部屋を埋め尽くす胡蝶蘭を持って来いとニーナに言っておけ」
神社で大瀬「モネさん。僕は警官を辞めて役者一筋でやっていくことに決めました」
モネ「いいんじゃない。それで? 言っておくけど、プロポーズとかやめてね」
大瀬「え?」
モネ「そういうの困るんです。いい人だとは思うけど。私はお付き合いするつもりはありませんから。これっぽっちも」
大瀬「可能性は」
モネ「ゼロ」
大瀬「じゃもう大丈夫です」
モネ「あんたさあ、朝雄の父親が誰か知らないんじゃない?聞いてもこないし。私ら親子がこれまでどれだけ苦労してやって来たか、興味ないでしょう。何にも知らないくせに、呑気なこと言わないで」
久部「蜷川先生が言ってた。僕の舞台にはノイズがあるんだって。舞台は何が起こるかわからないところが面白いんだ。決まりきったことをやってどうなる」
蓬莱「僕にはトニーさんの代役は無理です」
久部「それもまたよし。すべてはノイズだから」
フォルモンがパトラに「おい、ネタ合わせするぞ」
懲りない大瀬はモネに、天津甘栗を持って来ました。
蓬莱は樹里に「今思えば、うる爺がいた頃が楽しかったなあ」
樹里「わかる。腹くくって、頑張って」
蓬莱「ですね」
久部は「リカ」と言って抱きしめました。
おばばに言われました。
リカ「小屋主になっちゃえば」
「神社のお嬢さんが探してましたよ」と言われ、久部「行ってきますね。樹里さんが呼んでいるみたい」
リカ「ダメ」
リカ「追い出しちゃいなよ、大門さん(のこと)。夢を追いかけることに臆病になっちゃだめ。追い出そう。決まっているじゃない。弱みを握るの。心当たりあるの。奥さんの弱み・・・」
神主は代役のオファーがあると思って「明日から出張なんです」
久部「代役は決まっているんです」ときっぱり。
樹里は久部に「探してみたんです。蓬莱さんが立たなくてもいい舞台」
久部「上演する舞台は僕が決める。余計なことはしないでくれるかな」
樹里は伴に「演出家と演出助手は違いますか」
伴「演出助手になってください」
幕が開きました。
蓬莱はとちってしまった
久部「やはり、ヤツには無理だったか」
劇の中に大瀬が割り込んで来て「結婚してください」
「喜んで」大好評で終わりました。
是尾は「シェイクスピアを冒涜している」
袖でモネは大瀬にビンタ。
誰もいなくなった舞台でモネから「あれは、役が言ったんでしょう。ちゃんともう一回言ってよ」
大瀬「僕とお付き合いしてください」
モネ「ノー。すっきりしたぁ」
大瀬「朝雄君のお父さんがだれかなんて、僕にはどうでもいいことです。朝雄くんを愛す」
大門がテンペストで「もう120万用意しなくていいんだ。すべて、トニーさんのおかげだ」
リカ「先生に乾杯は任せたら」
久部「シェイクスピアに乾杯」
大瀬から発表「モネさんとお付き合いすることになりました」
モネ「とりあえず、って感じで」
フォルモン「蓬莱、俺はこいつと新しいコンビを結成するぞ。青い鳥は近くにいたってことよ」
大門「これはめでたい。盆と正月が一緒に来たとは、このことだ」
リカは久部にハッパ「劇団も次のステップに進めるべきだと思うわけ。役者はいいけど、スタッフも力のある人で固めていったらいいと思うの」
樹里「私、プロの演出助手になりたいんです」
リカは冷たく「よそでやって」
リカは樹里へ「悪いこと言わないわ。本業に専念しなさい」
久部は大門に「ちょっとお話が。事務所の方でいいですか」
久部「いい機会なので、支配人に伺おうと思いまして。客はゼロではなかった。全32ステージ。4000円をかけると、128万。そのお金はどこにいったんでしょうか。帳簿を見せてもらっていいですか」
大門「ひょっとして俺がちょろまかしている?これは本気か。俺がそんなことするって、本気で思っているのか」
久部「奥さん、あなたがそっとポケットに入れたブローチですよ。それも翡翠ですね。奥さんの翡翠魂に日がついたんです」
フレ「この翡翠はオーナーからいただいたんです。支配人の妻が何もみすぼらしいって」
オーナー「それはどこのオーナーの話? 私は言った覚えはないわ。よくできているけど、偽物ね、こんなまがいもの私からもらったなんて言わないでよね。私からもらったって、この人が言った段階でこの人はクロ。どうするの、クビにするの?新しい支配人が決めちゃって」
大門は久部に「もう少し一緒に夢見させてくれないか。一回の過ちだと思って水に流してくれないか」
久部「ごめんなさい。大門さんは支配人を勇退されたことにします。奥さんのことは他の誰にもいいません」
大門「こんなゲンの悪いところ、いてもしょうがない」
フレは怒って久部に「やっぱりあんた疫病神だよ」
リカ「自分のせいだろ。あんたが旦那の足引っ張って。目障りだから早く消えてくれる?」
大門は舞台で久部に「この小屋が、この空気が好きだったんだおれは」
久部「こんなことになって申し訳ありませんでした」
大門「おまえがあやまることじゃない。カミさんが言う通り、お前さんはやっぱり疫病神だ。でも俺はそんなお前に賭けた。悔いはない」
久部「かならずここを客さんでいっぱいにしてみせます」
大門「どうでもいいや」
久部「この世は舞台。ぼくらはみんな役者にすぎない
大門「意味わからねえんだよ。この世は舞台?じゃあ、楽屋はどこになるってんだ」
大門は出ていきました。
おばば「いいねえ。悪い顔になってきた」
久部「これでよかったのかな」
おばば「さあね。おとこからうまれたおと子に気をつけろ。お前に足を引っ張るのは、男から生まれた男」
久部「そんなやつはいない」
おばば「じゃあ、安泰だ」
リカ「見て、あなたの劇場」
蓬莱は伴に「久部さんは、最近やたらノイズっていうんですけど、意味がよくわからなくて」
マスター「ノイズっていうのは、蜷川がよく使う言葉です。最近の若い役者は礼儀が正しいが面白くない。昔の役者はやんちゃだし、無鉄砲だし、もっとノイズがあったとかね。確かに昔の役者は舞台の上で何をするかわからない。そんな雰囲気の役者が多かったですよ」
蓬莱「へえ。なんで詳しいんだろう」
伴「君は知らないのかい。まあいい」
久部「まずはロングラン。連日満員。そして、大きい会場にする。目指すは紀伊国屋ホール。、付いてきてくれるよね」
リカ「あなたの夢は私の夢。八分坂はもういい。一日も早く連れて行って。ここいがいのどこかへ」
ちょうど支配人夫婦が出て行くところ、キスしました。
伴「久部くんはね、僕から言わせると惜しい。自分というのがない。人の影響を受けやすい。だからね、同じことをくりかえす・・・」
ジャンジャン劇場では黒崎版ハムレットの稽古中。
久部が顔を出しました。
「ハムレットか、君たちには10年はやいんじゃないか。僕は自分の芝居小屋を持った」
黒崎「あのストリップ小屋か」
久部の目の前に、宿敵トロが現れました。
久部「ウソだろ」
トロ「僕は役者になった。お前を見返すため」
久部「お前にハムレットは無理だ」
出口にトンちゃん
久部「こっちだって最高の『ハムレット』をみせてやる」
蓬莱は樹里に「日本大学演劇部卒業です。僕の話なんか興味ないでしょう。母親は中野で喫茶店を経営してるんですけど、名前が変わってるんです
“乙”に “子” おとこって読む、僕はおとこから生まれてきたんです」
樹里は酔いつぶれ、寝てしまっていました。

