
江戸・幕末。
毛利の山形彦九郎を待ち伏せしていた会津の高坂新左衛門。
会津の「丸顔」村田左之助 は即気絶。
山形と高坂の一騎打ちとなりました。
急に雨が落ちて、雷鳴。
高坂は耳鳴りがして、起き上がりましたが、山形はどこにもいませんでした。
気づいたらそこは京都のスタジオ。
打ち切りの噂がある時代劇『世直し侍 心配無用ノ介』。
撮影中に高坂は助太刀と言って割り込みました。
山本優子助監督が「どこの事務所から来ました? 現場から出て行ってください」
別のスタジオで頭を強打して気絶し病院へ。
高坂は外の景色を見てびっくり。
頭に包帯をしたまま、そのまま脱走。
街中で黒船来航のポスターを見て唖然。
どこへ行くあてもなく彷徨いました。
偶然、毛利家の門を見かけ、近くに座り込みました。
そして雷鳴
「落ちろ。あの時に戻してくれ」
翌朝、住職は「撮影の役者かいな」
起き上がった時、優子が駆けつけていました。
優子「どうして、病院から抜け出したんですか?」
高坂のお腹がなりました。
握り飯をごちそうになりました。
優子「所属事務所とか、何か覚えてませんか」
高坂「申し訳ござらん」
住職「人助けに何の躊躇があろう」
西経寺で居候することになりました。
高坂は、ショートケーキを食べてビックリ
「日の本は良い国になったのですね」
住職「あんたと話してると、本当のお侍さんと話しているような気になりますなあ」
茶の間のテレビに『心配無用ノ介」が放送され、高坂は見とれてしまいました。
住職「これが優子ちゃんが作っている時代劇やで」
優子らは西経寺で撮影することになりました。
高坂はソワソワしていました。
住職は法事で出かけました。
斬られ役の安藤が体調不良でダウン。
高坂は突然代役に選ばれました。
「芝居大丈夫か?」
殺陣指導役の関本さんと斬られ役の試しをしたら、高坂はオーバーアクション
「歌舞伎か?」
坂本龍馬とのアクションで、ピストルに撃たれました。
高坂は死ぬつもりで「無念。最後には素晴らしきおなごと出会えたのう」
演技は関本さんから褒められ「あんたの殺気だった斬り込み、良かったで」
夜の食事では奥さんから「新さんのもともとの仕事かも知れんで」
高坂「左様」
ある日、優子の元へ住職と斬られ役として剣心会に入りたいと申し出ました。
優子「分かりました。関本さんには、私から伝えておきます。入門が許されるかどうかは関本さん次第です」
関本さんは斬られ役で食って行けないことを伝えました。
高坂「私は事故に遭い、すべてを失いました。今更空腹の何を恐れることがありましょうか」論語を空で話し、いっぱしの侍だと思われました。
その晩、西経寺に優子が心配して、駆けつけました。
「入門が許されました」
「よかった」
関本さんとの練習では斬られ役が斬ってしまいます「何でやねん」
高坂さんの斬られ役としての生活が始まりました。
高坂さんは殺陣や芝居の飲み込みが早く、本物の侍のようなたたずまいがあって、
すぐにあちこちの撮影に呼ばれるようになっていました。
床屋でまげを落としました。
ある日監督から「おまえの殺陣、なんか違うな」
竹を重く見せようと芝居していたことを打ち明けました。
ある日の撮影では敵のラスボス役に大抜擢。
斬られ役としてどんどん出世して行ったのです。
優子は一生懸命仕事する高坂を見て、しばらく辞めていたシナリオを書き始め、しばらく諦めていた監督への挑戦を始めました。
元時代劇のスター・風見恭一郎が時代劇に復帰する制作発表が放送されました。
高坂は会議室に呼ばれました。
風見の敵役に推薦されました。
井上所長「一生懸命頑張っていれば、誰かがどこかで見ていてくれる。ほんまやな・・・」
高坂「私には分不相応」
風見「貴殿でなければならないんだ。覚えておらぬかね。丸顔の同輩はどうされたのかな・・・」
風見とは山形彦九郎で、高坂よりもひと足先にタイムスリップしていたのでした。
時代劇を飛び越え、俳優としてスターになっていました。
風見「この話受けてみる気はないか」
高坂「断る」
風見「お主しかおらんのだ。本物の侍として時代劇として残せるのは。お主しかおらんのだ」
風見「時代劇を捨てたのは、お主であろう」
高坂が一人で稽古していたところ、関本「しょうもない意地はって目の前のチャス逃すな」
優子「私もそう思います。風見さんの時代劇を守りたいって気持ち、本当やとおもいます」
風見の時代劇を引き受けることになりました。
『最後の武士 』撮影も始まりました。
釣りで2人が背中を向けるシーン
高坂「なぜ捨てた、時代劇を」
風見「向こうで人を斬ったことがある。時代劇で人を斬るたびにあの感触、死体の顔が思い出されて、夢でうなされ、もう限界だと思った」
高坂「つまらん、見損なったわ。腰抜け」
風見「田舎侍。そのなまりいい加減直しららどうだ」
風見の撮影を見ていた武者小路監督「何か物足りないんだよなあ」
風見の顔色も良くありませんでした。
優子助監督は、この日は別のシーンを撮ることを提案しました。
高坂はバーに呼び出されました。
風見「お主にはわかるまい。俺の苦労など」
高坂「貴様には責任がある。徳川の御代を終わらせ、この時代の礎を築いた者としての責任だ。侍らしく己に与えられた役目を果たせ」
風見「侍らしくか」
次の日の風見の芝居は「成仏してくれ」とアドリブも入れて良くなってました。
風見「礼を言うぞ」
高坂「礼を言うのは拙者の方だ。芝居に呼んでくれたんだ」
風見「では貸し借りはなしだな」
懇親会が設けられました。
風見のスピーチ「私は10年前、時代劇を捨てました。テレビでは時代劇を見なく無くなりました。寂しい限りです。私は時代劇を残したい。どうか皆さん力を貸してください。よろしくお願いします」頭を下げました。
監督が打たれ「最高の時代劇を作りましょう」
優子が風見のところに来て(この日のアドリブについて)「少し感動しました。斬った相手の悲しみを引きづつっていくようで、よりキャラクターに深みが入りましたね。監督もお気に入りのようですよ」
高坂は、シーンが変更になった脚本を受け取り、会津が壊滅するとのくだりを読んでで、すすり泣きました。
翌日高坂は動揺して芝居になりませんでした。
ミーティングで高坂はラストシーンに真剣を使うことを提案。
優子は辞めろと言いましたが、風見「俺は面白いと思う。何があってもこの作品が世に出るように俺たちも一筆書くよ」
高坂も指で血判状に指を押しました。
監督もノリノリになりました。
西経寺での撮影。
井上所長も心配してタクシーで乗り込んで来ました。
撮影のスタートギリギリに高坂がやって来ました。
「お待たせいたしました。よろしくお願いします」
高坂「リハーサルなど無用」
監督「いいじゃないか。一発勝負の緊張感」
風見「やはり俺を許せんか?」
高坂「無念のうちに死んでいった仲間に顔向けができんのだ」
風見「あの夜の続きというわけだな。あいわかった。楽しかったぞ。お主と映画が作れて」
高坂「拙者もだ」
日の入りを待って、真剣アクションが始まりました。
見ていてアクション監督「全然手が違う。これアドリブ」
優子助監督「止めましょう」
監督「絶対止めるな」
見ていた役者たち「本物や。本物の侍がおる」
風見の刀が落ち「これも定めか。さあなすべきことをなぜ。討て」
高坂は斬り込み・・・できませんでした。
高坂「俺は情けない男だ」
風見「己の信じる道を精一杯生きた。それで良いではないか」
壮絶なシーンにスタッフから拍手。
風見「今という時代を精一杯生きなければな」
優子は高坂にビンタし「今回だけは許します。2度とはダメですよ」
高坂「はい」
映画は封切りになり、住職夫婦も映画館に見に来ていました。
興行は大ヒット。
村田左之助がタイムスリップしてきました。
(安田淳一監督作品)
「ヤツは雷と関係ないのに?」
「奇跡の映画・大ヒット誕生の熱き想い」の記事はこちら(2025年5月17日)
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では、明日。