
986年
安倍晴明「決行は6月23日、丑の刻から寅の刻にかけて。右大臣様にとって最も運気隆盛の時です」
わずか2時間の中にことを成すということだった。
兼家は子どもたちを集め、策について話した。
道兼に「帝を内裏から連れ出す。帝には袿(うちき)を来てもらえ」
道隆に「牛車を用意し、元慶寺へお連れせよ」
道長と道綱に「神器である剣じを手に入れよ」
道長に「関白に知らせよ」
道兼「必ず成し遂げます」
兼家「このことが頓挫すれば我が一族は滅ぶ。兄弟力を合わせて、成し遂げよ」
兼家は道長と2人になった時、「何も知らなかったことにせよ。しくじった時には父のはかりごとを関白に知らせるのだ。そうすればお前だけは行き残れる」
道長「この役目は道隆兄上のものでは?」
兼家「このはかりごとがうまくいけば、手柄は道隆になる。道隆はそちら側だ」
花山天皇は義懐に「出家しようと思う」
義懐「わずか2年ですぞ」
花山「まず何より忯子を救ってやらねばならぬ。おぬしは女子、女子と申す。朕は義懐とは違うのじゃ。下がれ」と怒った。
そこへ道兼が現れて「どこまでもお供いたします。忯子様も安心して浄土へと旅立たれましょう。23日が最良の日にございます」
花山「早い方がいいのだな」
家でまひろは琵琶を弾いた。
いと「ご主人様は高倉の女のもとから帰らないかもしれません。まひろ様の琵琶の音が悲しくて。何かお辛いことでもおありでしょうか」
まひろ「生きてることは悲しいことばかりよ」
いと「どうぞこれからもいとを離さずにしてください」
まひろ「弟・惟規のところに行けば」
いと「まことでございますか」たいそう喜んだ。
まひろは考えた「高倉の人、どんな人なんだろ。そんなに父上の心をとらえる人って」
まひろは興味がてら、父のいるところを見に行った。
父と目が合った。
為時「病の女性で、身寄りもなく、1人で食事も取れぬ。もう命も長くない。誰にも看取られずにこのまま死なすのは可哀想」
まひろ「父の行いは素晴らしい」
為時「まひろに褒められるとはな」
まひろ「わたしが看病してもいいと思ったのです」
為時「それはできぬ。わしの娘に世話になるのは、気づまりであろう」
道長の従者の百舌彦がまひろ宛の手紙を持ってきた。
古今和歌集より「そなたを恋しいと思う気持ちを隠そうとしたが、俺にはできない」
「そなたが会おうと言ったら生き返るかもしれない」
「そなたに会うことができるなら命は惜しくない」
まひろは漢詩で返事した。
道長は行成に聞いてみた「女子に手紙を書いたら漢詩で返されるのは、どういうことだろうか」
行成「どんな内容なのか」
道長「それは言えぬ」
行成「好きな女子がおいでなのですね。漢詩はなんらかの志をうたに託しているのではないでしょうか」
道長は姉・詮子の家を訪ねた。
明子女王(瀧内公美)を見かけた。
詮子「もう一つの後ろ盾を作っておきたいの。2つの源氏を掴んでおけば安心でしょ」
詮子は道長に対し、「わたしは父上のやり方が嫌いなの。何があるの?」
道長「姉上様と東宮様にとっても、悪い話ではありません」
詮子「懐仁を託せるのはお前だけよ。わかっているわね、己が宿命を」
道長から、まひろへの文「我もまた君とあいまみえんと欲す」
まひろは廃屋に先に着いた。
道長が後ろからハグ「会いたかった」
2人はキスした。
道長「一緒に都を出よう。海の見える遠くの国へ出よう。藤原を捨てる、一緒に来てくれ」
まひろ「道長様、うれしゅうございます。うれしいけど、どうしていいかわからない」
道長「父や弟に別れを告げたいのか?このまま行こう。お前も同じ思いであろう。心を決めてくれ」
まひろ「本当に捨てるの?」
道長「それ以外に望みがない」
まひろ「あなたが偉くならないと、直秀のように亡くなる人が後を絶たない。あの直秀を見た日、前よりもずっとずっと好きになった。2人で都を出ても世の中の理不尽なことを正せない。よりよいまつりことをすべき使命があるのよ。この国を変えるために道長様は偉くなるのよ。あなたの使命は違う場所にあると思います」
道長「偽りを申すな」
まひろ「ひもじい暮らしをしたことがない道長様のこと、全然思い浮かばない。あなたは己の使命を果たしてください。いつまでも都であなたのことを見つめ続けます」
そして・・・、道長「振ったのはお前だぞ」
まひろ「人は幸せでもなくし、悲しくても泣くのよ」
道長「(今は)どっちなんだ」
まひろ「どっちも」
道長「送っていくよ。また会おう。これで会えなくなるのは嫌だ」
花山天皇「今日のことは義親に言った方がいいのか?」
道兼「忯子様の浄土が阻まれるということでございます」
花山「そうだな、言うのはよそう」
道兼「私は夜目が効きますので、私におつかまりくださいませ」
花山「文を忘れた。取りに戻っていいか」
道兼が嘘「寺に送りましたゆえ」
花山「お前が踏み箱を開けたのか?」
道兼「急ぎませぬと」
花山と道兼が牛車に乗り込んだ。
丑の一刻になり、兼家「これより全ての門を閉める」
道隆と道綱が神器を運び、海壺のもとへ届けた。
寝ている懐仁。
道長は関白に報告した。
元慶寺に着いて花山天皇は剃髪した。
花山天皇「道兼、次はお前の番だ」
道兼「わたしはこれにて失礼いたします。おそばにお仕えできて、楽しゅうございました」
驚いた花山天皇「裏切り者」
酒宴の最中だった義懐に報告が入った。
寅の一刻が伝えられ、クーデター(寛和の変)が成立した。
兼家が高笑いした。
翌朝、兼家が蔵人の前に来た。
「昨夜、帝がにわかにご退位された。新しい帝の摂政はこの兼家。先の帝の蔵人はすべて先のならいによりその任を解く。新しい蔵人頭は道兼。よしなに頼むぞ」
これまで仕えていた人間は全員解雇となったことを聞いた実資「そのようなことはおかしい。昨夜一体何があったのか、お聞かせ頂かねば筋が通らぬ」とかみついたが、道兼は「静まりませ」と取り合わなかった。
前回の「光る君へ」の記事はこちら(2024年3月10日)
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では、明日。