
第十一回 将軍の涙
1549年11月
竹千代が駿河の今川方に送られることになった。
織田信広との人質交換のためである。
信秀は、城を失った主ならば、満身創痍で帰ってくるべきところを、かすり傷一つないことに不満だった。
尾張一の弓の使い手の信秀が、もう弓を引けなくなった。
平手に今川の動きから目を離すなとハッパをかけた。
今川義元のところへ着いた竹千代にはご馳走がふるまわれた。
年が明けたら三河に攻め入ると言う。
1550年夏、義元が尾張の知多半島を次々と制圧。
稲葉山城
高政とその仲間は、利政の織田との和議に不満
利政は「今川と戦う覚悟はあるのか」
「今、戦をせよと言われても、誰も動きませぬ」
平手から援軍を依頼されている。
「米は送れるが、兵は送れぬ」
十兵衛が使いとされ、尾張へ。
十兵衛が援軍は送らぬと伝えると、平手をガッカリして、部屋を出てしまった。
帰蝶は「十兵衛は何を考えておる?」
十兵衛「何か打つ手はないかと」
信長「しかたあるまい」
刈屋城を渡すからと和議を結ぶため、将軍にとりなしを頼むことになった。
十兵衛は利政に相談した。
「やりたければやれ。わしは金を一文たりとも出さぬ」
十兵衛は小声で「ケチ」
十兵衛は高政を頼った。
「頼芸様に会わせてくれ。そなたの申すことなんでもする」
頼芸「何かと金がかかるぞ。そなたの父は」
高政「吝嗇(りんしょく)なもので」
「筋の通らぬ話じゃのう」
高政は「私はお館様をお守りし、父利政を・・・」
十兵衛「金は10枚」
京では三好長慶による下克上が怒っていた。
将軍・義輝は近江の国に落ちざるを得なくなった。
十兵衛の着いた宿には、偶然にも細川藤孝がいた。
将軍のいる朽木へ連れて行ってくれることになった。
義輝は「わしの背をたたいた武士がおる」
十兵衛「恐れ大きことでございます」
義輝「いまだに世は平らかにならぬ。
父が麒麟がくるという話が好きでよく聞かされた。穏やかな世を作れる者だけが連れて来られる不思議な生き物だと言う。
わしはその麒麟をまだ連れてくることができぬ、無念じゃ」
さらに「文の件、しかと承知した。両者に和議を命じよう。それで良いか?」
十兵衛「はっ」
義輝「十兵衛、麒麟が来る道は遠いのお」
第十二回 十兵衛の嫁
1551年
近江から戻った十兵衛は一心不乱に薪割りをして、周りを不安にさせた。
光安と母・牧も、嫁が必要ではないかと感じるようになった。
光安の息子・左馬助に、妻木に鷹狩りに十兵衛を誘うように頼んだ。
十兵衛は左馬助らとはぐれて、1人になった。
煕子が顔を出した。
十兵衛は帰りに「この十兵衛の嫁になりませぬか」
織田と今川は、足利の仲立ちもあって、和議を結んだ。
信秀は家族の前で「わしに万が一のことがあった時、この末盛城は信勝に与える」
信長には「そなたにはこれまで通り那古野城を与える」
信長は不服だった。
「那古野城でどう力を尽くせとおっしゃるのですか」
帰蝶に「母の企みじゃ。いずれ家督も信勝に与えようと言う魂胆。父上は母上の言いなりじゃ」と言って泣き出した。
帰蝶は土田御前から、信秀が「双六をしたい」と言っているから、望月東庵を呼びたがっていると聞いた。
信秀は床に伏せている。
帰蝶は信秀に「この織田家を継ぐのはどちらかとお思いでしょうか」
信秀は最後の力を振り絞って「信長をよろしゅう頼むぞ」
帰蝶は話を膨らませ信長に伝えた。
「尾張を任せる、強くなれ」
京は戦に巻き込まれて、東庵の医院も大騒ぎ。
東庵は闘鶏で40貫失って、薬も買えなかった。
謝礼がもらえる尾張から呼ばれた。
伊呂波太夫が肩代わりするとも言ってくれた。
友野二郎兵衛の子どもが具合が悪いため、尾張の後に足を伸ばして駿河国へ行って欲しい。
駒は、子どもの頃に自分を助けてくれた明智家の侍についても調べたかった。
土岐頼芸からの鷹が利政に贈られた。
突然鷹は利政を襲い、鷹の爪に塗られた毒によって、身代わりとなった近習は咳き込み、倒れて命を落とした。
十兵衛に照子が嫁入り。
稲葉山城から登城するのろしが上がった。
命を奪われるかもしれなかった利政は怒っていた。
「土岐様と一戦交えるまでじゃ。土岐様を敵と見なすことに異論のあるある者は今この場から去れ。
皆心は一つじゃな、鷺山に近づく者は裏切り者として成敗いたす、覚悟せよ」
高政が十兵衛に「わしは土岐様を守る。父上と戦う。
一緒にやろう」
東庵の付き添いで、那古野城に駒も到着。
帰蝶「十兵衛が嫁をもろうた話は聞いておるか?」
駒「それはよろしゅうございました」
東庵は末盛城に着いた。
信秀はさいころを握って座ったまま、まったく起きなかった。
東庵「一足先にお上りになった」
信秀はその生涯を閉じた。
前回の「麒麟がくる」記事はこちら(2020年6月14日)
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では、明日。