
箱根の観光客は2000万人にのぼる。
案内役は、神奈川県温泉地学研究所・萬年一剛さん
初めて大涌谷に来たタモリも、その景観に圧倒された。
白煙が立ち昇り、硫化水素の臭いがただよい、硫黄で地面も真っ黄色のところもある。
2015年6月29日に起こった噴火で、箱根が火山だと知られるようになった。
爆発は、最小規模の100トンぐらいだった。
大涌谷は今でこそ観光地だが、昔の人は箱根の火山活動を恐れ、地獄に見立てていて、地獄谷と呼ばれていた。
人間が、箱根に「極楽」を作るようになった。
冠ヶ岳、台ヶ岳、金時山
箱根は色々な山の集まり、皆繋がっている。
全部箱根火山「外輪山」、東西に11キロ、南北に8キロに渡る。
巨大な噴火の際に大量のマグマが排出され、下のマグマだまりに大きな空洞ができ、山そのものが陥没し、巨大なくぼ地ができた。
直径2キロ以上のくぼ地をカルデラと言う。
箱根の地形図を見ると、中心だけが陥没しているのがわかる。
しかし、箱根のカルデラの成り立ちはもっと複雑。
1つの火山だけで陥没したのではない。
約40万年前からいくつも噴火があり、カルデラが合わさった。
これを複合カルデラと言う。
箱根はカルデラの集合体になった。
そして、カルデラには「極楽」の温泉がある。
カルデラと温泉との関係を探りに、宮ノ下へ。
富士屋ホテルは、明治時代に外国の方をお招きするためにつくられたホテルで、1878年に創業。
周りの商店には、外国語の看板が目立つ。
宮ノ下は豊富な湯量のため、箱根の中でも古くから温泉地として発展した。
源泉の辺りは、崖の隙間から自然に温泉が湧出している。
温泉は70度くらいある。
宮ノ下の温泉は、戦国武将とも関係のある太閤の滝がある。
蛇骨川の、しめ縄を張ったところは「太閤の岩風呂」
1590年に豊臣秀吉が小田原攻めの時に入った。
岩風呂近くに流れ落ちる滝。
あちこちの谷から温泉が湧き出ていて、量にして1日1000トンで、家庭用の風呂の5000杯分に相当する。
温泉には、量と熱と成分が重要。
宮ノ下の温泉は、熱と量に加えて、成分は食塩泉で、3つの要素が揃った宮ノ下は、理想の温泉。
地下のカルデラが作っている。
岩など礫(れき)が地下200メートルあたりに埋まっている。
地下水的には豊富。
さらに下にはマグマだまりがあるから、高温。
それは、地獄(マグマ)の上に、極楽(温泉)がある。
箱根の外輪山の西の端・長尾峠
絶景から箱根の地形の要素がわかる。
神山のふもとに扇状地が見えた。
3000年前に神山が山体崩壊して、冠ヶ岳が形成され扇型の地形が誕生した。
山体崩壊が、箱根の重要な要素を作っている。
昔の芦ノ湖は今よりもずっと小さい川だった。
山体崩壊により、早川がせき止められて、多くの水が溜まるようになって、現在の芦ノ湖になった。
芦ノ湖の船に乗ったら、湖の中に鳥居が見えてくる。
九頭龍神社・柘植英満さん
神社には、日本古来の猪目(いのめ)というハートマークのような文様があり、縁結び、恋愛成就として解釈されるようになった。
毎月行われる神事には1000人以上が訪れる。
祀られている神こそが、地獄の手がかりである。
信仰の起源は奈良時代だと言われている。
九頭龍とは、芦ノ湖の神様。
神様になる前は毒竜で、野山を荒らし、人々を苦しめていたと言う伝説がある。
今も芦ノ湖の中に、毒竜が暴れまわった痕跡がある。
再び船に乗って、魚群探査機で見ると、湖底は32メートル、その中に高さが10メートル以上のものがある。
スギ、ヒノキ、モミなどの巨木だった。
芦ノ湖ができたのは3000年前であるが、これら湖底木はそれより後に出来たとされる。
大雨などで外輪山に地滑りがおこり、立木のまま入って海底へと根を張り、今でも枯れたまま立っている。
昔の人は毒竜の仕業だと思っていた。
現在は、船舶の航行、漁業のために、水面下3~4メートルの深さで梢は切り取られている。
神代木
湖や土に埋まっている木のことを言う。
土の中にあったものは表面が黒い。
箱根の伝統工芸品である寄木細工に生かされた。
日本にこういう黒い木は、神代木にしかない。
白濁湯
ここの温泉は白っぽい硫黄泉
箱根の温泉施設の3分の1を占めるほど箱根を代表する温泉
仙石原の箱根カントリー倶楽部の大きな池(イタリ池)・ここに白濁湯との関係がある。
池の水はここの地下水がわいたもの。
地表まで 深さ600から700メートルある。
この地下水は、高低差350メートル・2.6キロ先の大涌谷まで汲み上げられている。
大涌谷で噴出する高温の蒸気に、造成塔の上から水をシャワーで流しこむことによって、温泉に変えている。
この方式を蒸気井温泉と呼ばれ、仙石原や強羅などの温泉にもパイプで送られている。
箱根では、昭和の初めに導入された。
地獄のしくみで「極楽」を作っていたのだ。
箱根 三社バスツアーの記事はこちら(2019年5月5日)
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では、明日。