千葉県の酒蔵訪問“寺田本家”さん
文化庁の“登録有形文化財”

江戸時代の酒造りの方式・機械を極力使わず手作りで精魂込めた酒造り
添加物を使わない・自然に体にやさしいお酒(料理も)づくりで近年注目されている。
マクロビオテックの方からも、ここの名前は知られている。
生酛(きもと):江戸時代に確立された日本酒の仕込み法。
時間も労力もかかるため、一時日本中の多くの蔵から生酛造りが消えた。
しかし近年、生酛造りが見直され、各地で復活した。
磯野さんから、朝食に納豆を食べないで来るように連絡があった。
見学者の持つ古草菌が入り込むと酒の味が変わってしまうようだ。
24代目当主・寺田優さんが丁寧に説明をしてくれた
暖冬は作業する上では楽だが、お酒造りには難しい
写真はどことっても大丈夫
隠すところはないという粋なはからい、ブロガーにはうれしい一言
▼井戸
枯れたことがないという井戸
神崎神社の鎮守の森の水脈があって、いい水が出るからである
これが体に優しい仕込み水
5・6年前から豆腐屋さんも近所に越してきた

▼洗米
近所の農家で作ったも米が95%
残りは自家保有田から
美山錦(長野原産)50%の米、樽10kgを1分かけて洗う
昔は機械で洗っていたが、今は手作業

▼蒸米
翌朝、(炊くのではなく)1時間蒸す
麹菌がしっかり入るように外側はやや固めにしている
作業者が桶に入り、スコップで出して、20分広げて冷ます
熱々の米を朝の冷たい空気で冷ましている

▼製麹室(麹室・こうじむろ)
ここまで見せてくれる酒蔵は決して多くないそうだ

▼杉で囲まれた部屋・外側には備長炭が敷いてある
炭は発酵にいい
蒸しあがった米を台の上で広げて麹菌をふりかける
米100kgに対して麹菌100g
菌を米粒に繁殖させる

自然から取ってくる麹菌を培養している
一般的には、お酒が濁って悪い菌だと言われている火落菌(乳酸菌の一種)も、ここではOKだ。
温度管理がとても大切
何時間かおきに部屋の温度・湿度をチェックしている

▼酒母室
酒造りのスターター・酒母を作る工程
麹菌を入れ、蒸した米、水を加える
櫂棒(かいぼう)ですり潰し、液状化する
酸素が溶け込み、硝酸還元菌が活発になり雑菌が減る

▼“もとすり唄”20分ぐらいある
歌うことで思いが伝わるのはもちろん、リズムが一定になる
桶ごとのばらつきがなくなる
米の固さによって歌の長さを変えている
酵母菌も市販の純粋培養のものは使っていない
酵母菌が甘味を食べてくれ、だんだん米も甘酸っぱくなっていく
自然発生した乳酸菌がバリアを作って、他の菌が繁殖しにくくなる
空気中から入って来る菌も、「微生物の調和」と考えている

▼当主が歌ってくれた
▼もろみ
4日間で行われる3段仕込み
酵母タンクの酸性をキープしながら(薄まらないよう)
麹・蒸した米・水を3回に分けて投入している
薄まると、もろみに雑菌が増殖してしまうから

▼その後30日かける
ドロドロの泡が上がってくる
麹の液が濃いため、酵素がよく作用する
麹の消化酵素が米のでんぷんを糖化し、酵母菌がその糖分をアルコール化
1gの中に麹菌が2億匹以上いる
酵母(酒母)は、みずから生み出したアルコールによって死滅してしまう

▼しぼりたて
発酵が終わると、アルコール20度ぐらいになる。
タンクは1升瓶2000本ぐらい。
タンクから出し、しぼる
しぼりたての原酒を飲ませてもらった。

自然を大切にして、微生物の共生した酒づくりをされている。
人間すべての重量よりも、すべての微生物の重量の方が重たいんだそうだ。
「私たちが酒造りをしているのではなく、
微生物が元気に発酵してくれるお手伝いをしている」とも言われた。
ノーベル医学生理学賞を授賞した大村智先生の「微生物が頑張ってくれたおかげ」との
コメントを思い出したものだった。
ここの当主も大村先生のように、誠実で謙虚な人柄だと感じられた。
住所:千葉県香取郡神崎町神崎本宿1964
★次回は自然にこだわったお弁当と試飲の様子をレポートします
アサヒビール工場見学の記事はこちら(2013年12月17日)
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