兄の犬をたまには散歩してやろうと、連れ出して気づいた。
恐ろしく痩せている。
まだ若いのによたよた歩く。
当時の私は兄に存在を無視されていたので、話しかけることはなかった。
でも犬の状態に黙っていられなくて、問い詰めた。
すると餌は3分の1しかやらず、散歩もさせてないと判明した。
犬への虐待である。
私は直ぐにドックフードに味噌汁をかけて、食べやすいようにした。
冬だったから脂肪つけるようにマーガリンも与えた。
犬は弱々しく食べていた。
私は気づかなくてごめんね、と頭を撫でながら泣いていた。
体重がある程度戻るまで、時間はかかった。
もともと細い体型の犬で、ペットの病院であと2、3キロ増やしても大丈夫ですよ、と言われていた。
柴犬とスピッツのミックスで、毛皮がフサフサで痩せた事に気づきにくい面もあった。
元の愛くるしい姿に戻って、兄は反省したのか餌も通常の量を与えるようになった。
私が気づかなかったら、死んでいただろう。
それくらい痩せていた。
ちょうど兄が引きこもりになった頃の話だ。
兄も病んでいたのだろうが、許せるものではない。