
鏡の扉へ。
鏡の向こうに螺旋階段が見えるだろ?
でも君の後ろには螺旋階段はないね。
ここはね、そっと想いを預けてゆく場所だ。
泣いているのかい。
泣く自分が嫌い…。
では、鏡の扉の向こうへ捨ててしまう?
ここではそれが可能なんだよ。
辛くて言葉が消えてしまったご婦人も。
狂ってしまいたいと狂う少年も。
鏡の扉の向こうへ捨ててしまったよ。
すっきり笑顔で帰るけれど、何故だろうね。
鏡の扉の記憶は抹消するのに。
みんな、みんな戻って来るんだよ。
時には鏡の扉の向こうへ、逝ってしまう人もいてね。
だからね、騙されちゃいけないよ。
この鏡の扉は偽りさ。
よく見てごらん。
壁にかけてあるだけだよ。