芙美花、睦美の作ったお粥を。
睦美を見て芙美花、
「…おいしい…。」
睦美、そんな芙美花を見てニッコリと。
「うん。良かった。」
ゆっくりと食べる芙美花、時折、お粥に入っている梅干しを口に。
そして、睦美に顔を崩して、
「酸~~っぱ。」
そんな芙美花を見て睦美、微笑みながら、
「ふふ。」
睦美、
「今日…、病院に行って来た…???」
その声に芙美花、お粥を食べながら睦美を見てコクリと。
「…うん。」
テーブルを見て、
「テーブルに、薬局から貰ってきた薬あるから。」
そして睦美、芙美花に、
「やっぱり、インフルエンザ。」
芙美花、顔をコクリと。
「うん。」
そして…。
「友達も、インフルって。…詩乃って言うんだけど…。」
お粥を全部食べ切っての芙美花、
「詩乃…、大丈夫かな~~。」
睦美、
「耀司さん、夕食前に、電話で、話してました。」
芙美花、口の中の物を飲み込むような感じで。
「詩乃のおかあさんと…???」
睦美、コクリと、
「えぇ。…女の人との会話で、勘弁してくれ~~って。かなりへこんでましたけど…。おかあさんたちの話しって、おとうさま方には、分からない事、多いですから。」
その話に芙美花、苦笑いで、
「…はは。うんうん。コホッ。…確かに。」
また口の中の物を飲み込んだ感じで。
「おかあさんなら、すぐに話の中に入っちゃうけどね~~。んん。」
そして芙美花、口を噤んで。そして、
「インフルエンザかぁ~~。私も…。」
そして芙美花、マスクをしている睦美に、掠れた声で、
「あ。…睦美さん。インフルエンザに。」
その話に睦美はニッコリと。
「えぇ。…私は去年にインフルエンザ、罹って。…かなり、酷かった。…だから…、去年の11月には、もぅ、しっかりと予防接種。」
芙美花、
「そうだったんだ~~。」
睦美、
「芙美花さんは…。…だから…、学校は…。1週間は…。」
芙美花、顔をコクリと。
「うん。」
そして、
「何とか、卒業式には…。」
睦美、
「来月…、だよね~~。」
そして芙美花、
「あ。おばちゃんも…、今、インフル。」
睦美、またコクリと。
「えぇ。耀司さん、話してました。」
「1週間は…、おばちゃん。」
頷きながら睦美、
「えぇ。」
「じゃあ…。」
芙美花。
「1週間…、おとうさん…。」
「いいえ。」
首を振って睦美。
芙美花、そんな睦美を見て、
「え…???…睦美さん。」
睦美、コクリと。
「はい。私が来ます。」
芙美花、目を真ん丸にして、
「いいの…???…大丈夫なの。コホッ。」
睦美、そんな芙美花に、ニッコリと。
「えぇ。」
そして…。
「だって…。耀司さんに、私、レッスン終わったら行きますって言ったんだけど、耀司さん、インフルうつるからダメだって。でも、私、インフルエンザ、罹っちゃったから。だから~~。来るなって言われても、行きますって。言っちゃったの。」
その話に芙美花、
「…睦美さん。」
みるみる内に芙美花、目が潤んで。掠れた声で、
「ありがとう…。」
芙美花、安心したのか、目を閉じて両肩の力を落として。
「あ~~ん。ははははは。」
そして…。目尻から頬に伝って流れた涙を両の手で拭うようにして、
「良かった~~~。」
そんな芙美花を見て睦美、ニッコリと。
睦美、
「まだ、体、だるい…???」
その声に芙美花、コクリと。
「うん。」
「じゃあ~~。とにかく、ゆっくりと休んで。」
そして、芙美花の体を…。
その時、芙美花、
「睦美さん…???」
睦美、
「うん…???」
「昨日の夜ね。」
「うん。」
「…私…。いっぱい…、夢を見た。」
その声に睦美、優しそうに、
「うん。」
「夢の中に、おかあさん、いっぱい出て来た。…博楼の合格の時の…。そして…、入学式の…。…おかあさんと一緒に料理作ったり。」
「うん。」
「…でも。段々、おかあさんが夢の中から…。夢の中で私、おかあさん、探してるのね。…そしたら…。…何処からか、ピアノの音が…。…気づいたら、私、そのピアノの音に合わせて、クラリネット吹いてる。ピアノは…、睦美さんが弾いてて。ピアノのメロディに包まれるようにクラリネットを吹いてる。…そして…。演奏が終わるとみんなが、拍手してくれて…。おとうさんもおばちゃんも。勝臣おじちゃんも。麻沙美も。そして、晄史さん、誓さん。それに、おじいちゃんとおばあちゃん。みんな、拍手してくれてる。みんなピアノの傍にいて、囲んでくれて。そしたら、いきなりその中から、バセットが…。抱き付いてくれて。…睦美さんが、私を優しく抱き締めて。」
そこまで言って芙美花、また目を潤ませて…。睦美を見て、
「…睦美さん…???」
涙声で…。
睦美、そんな芙美花を見て、
「うん…???」
「私の…。…おかあさん、じゃなくって…。ママになってくれる…???」
睦美も顔が火照っている。そして、鼓動が高鳴っている。
睦美、芙美花に、
「ママでいいの…???」
芙美花、コクリと。
「うん。…ママでいい。」
睦美、芙美花を見つめて、
「分かった。」
その声に芙美花、自然に睦美の体に。
睦美、その体を受け止めて。芙美花を抱き締める。

ママでいい…。 vol,319. 睦美、芙美花に、「ママでいいの…???」芙美花、コクリと。「うん。…ママでいい。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
