帰宅しての芙美花、バセットを抱き締めながら、
「バセット~~。博楼、合格したよ~~。」
バセットも芙美花に甘えるように…。
祐里子は途中で買い物してきた食材で早速、合格祝いの準備。
芙美花、祖母に電話で、
「あ、おばあちゃん。」
すぐさま香奈枝、
「どうだった、博楼高校。」
芙美花、その声に、
「うん。受かった。合格だよ~~。」
いきなり香奈枝、
「え――――――――っ!!!…良かった~~~。」
その声に祖父の壮一郎、いきなり玄関から茶の間に。
「芙美花か。」
香奈枝、そんな壮一郎の顔を見てニッコリと。
「うん。芙美花、博楼、受かったって。合格したって。」
壮一郎、香奈枝に、
「どれ。電話、電話。代われ。」
香奈枝、受話器にニコニコしながら、
「もしもし。今、おじいちゃんに代わる~~。」
芙美花、ニコニコと、
「うん。」
壮一郎、
「もしもし、芙美花か。」
受話器から芙美花の声。
「もしもし、おじいちゃん。高校。博楼、受かったよ。合格した~~。」
キッチンで祐里子も、そんな芙美花を見ながら、ニコニコと。
スマホから祖父の声、
「そうか~~。受かったか~~。うんうんうん。ははは。何よりだ。おめでとう~~。」
そして芙美花。夢は、入学式へと…。
家族3人で撮った学校の、「入学式式場」の看板の前で。
そして…。部活の日々。そして…。いつの間にか、母、祐里子の姿から…。
「おかあさん…。」
寝言である。芙美花の目尻から、涙が…。一滴。唇が動く。そして…、また、ポツリと。
「おかあさん。」
夢は…。混沌と…。
そして…。やがて…。ピアノのメロディが…。夢の中で…。
すると…。クラリネットを吹いている芙美花。
「あ。私だ。」
その隣でピアノを弾いている睦美。
芙美花、
「睦美…、さん…。」
クラリネットを吹いている芙美花を笑顔のままでピアノを弾いている睦美。
やがて…。演奏が終わる。その途端、ピアノに寄り添うように芙美花、
「ママ。どうだった、私のクラリネット。」
その声に睦美、ニッコリと笑顔で、
「うん。良かった。上手だった。」
その時、拍手が。
見ると、父の耀司。そして叔母の汐梨。そして義理の叔父の勝臣。麻沙美。
そして、祖母の香奈枝と祖父の壮一郎。そして、晄史に誓が…。
拍手をしながらもピアノの睦美と芙美花の周りに。
そして…。バセットがそんなメンバーの中に潜り込んで二本足で芙美花に抱き着く。
みなが、
「ははははは。バセット~~。」
こちらも…。同じように。夢を。
場面は…、オーストラリア。
勝臣、保育園に。
「すみません。妻がインフルエンザみたいで…。…で、麻沙美、今日は保育園。え、え~~。お願いします。すみません。」
通話は切れる。そして勝臣、麻沙美に、
「麻沙美~~。今日、パパもお仕事、休みだ~~。」
いきなり麻沙美、ニッコリと。
「やった~~~っ!!!」
けれども、
「でも。ママは~~~???」
勝臣、そんな麻沙美に、
「ママね~~。今、お部屋でまだ眠ってる~~。」
「どうして~~。」
勝臣、麻沙美にニッコリと。
「風邪みたい~~。だから~~。麻沙美も、風邪、うつらないようにしなきゃ。気を付けよう~~。」
麻沙美の頭を撫でて。
麻沙美、父の声に、大きくコクリと。
「うん。」
「ヨシ。いい子だ。」
耀司、残り物で朝食を済ませて、そのまま自室で仕事を。
「まっ。こういう時に、家で仕事が出来るの、大助かりだ。」
そして…。自然にスマホに手が…。ラインの画面で。
ラインの着信音に気付いての睦美、
「あれ…???」
画面のデジタルを見て、
「早い…、けど…。」
いきなり、
「え…???…芙美花さん、インフル…???」
すぐさまラインの無料電話、指でトン。
ラインの無料通話の着信音。耀司、スマホに、
「やっぱり、来たか~~。」
そして、
「もしもし。」
すぐさま、
「もしもし、おはようございます。芙美花さん、インフルって…。」
睦美の声。
耀司、スマホを耳に、コクリと、
「えぇ。」
睦美、
「大~~ぃ変。…で、熱は…???」
「あ、えぇ。さっき、測ったんですけど、今、アイスノンで頭を…。最初は39度だったんですけど…。今は、38度9…。今、ベッドで、眠ってます。」
「お医者様…。」
その声に耀司、
「あ、いえ…。まだ、起きるのも…。ただ、意識は…。」
スマホから睦美の声、
「そう…、ですか。」
耀司、
「とにかく、コロナじゃなくって。」
睦美、
「あぁ。えぇ。」
けれども、
「あの。耀司さん…。コロナじゃなくってって。」
耀司、思わず背中に汗を。
「あ。あ、あ~~。…その。…実は。真っ先に。宮前。…師長に。」
その声に睦美、
「あ、あ~~、宮前…、師長。」
耀司、すぐさま、
「えぇ。…でも。…その…、師長が電話に出なくって。」
途端に睦美、
「え…???」
「それで…。その…。いちかばちかで…。坂下さんに。」
スマホからの声に睦美、顔を傾げて、
「坂下…。」
スマホから、
「えぇ。杉並病院の、師長の姪の。」
目をパチクリとさせて睦美、
「あ、あ~~。はい。亡くなった奥様と。」
耀司、
「えぇ。」

ママでいい…。 vol,304. 芙美花の目尻から、涙が…。一滴。唇が動く。そして…、「おかあさん。」
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