「お客様。顧客を裏切る事は断じて出来ません。それこそ絶望的損失です。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 耀司、テーブル越しに睦美から歓迎会の事を聞いて、
「へぇ~~。ははは。賑やかに盛り上がりましたか。」

睦美、笑顔で、
「えぇ、はい。」

耀司、
「けど、さすがに音楽教室。バンドをやっている人がいるとは驚き。しかも、新しく入った事務局員の人がサックス…???」

「私もです。」
睦美。
「睦美さん、凄いや。」

その声に睦美、耀司に、
「えへ…???」

「あ、いや。」
耀司。
「何か、どんどん、輪ができているって感じで。レッスンの方は、慣れました…???」

「事務局のみんなにも言われたんですけど、はい。」
顔をチョコンと。
「確かに。忙しいんですけど。…でも、その分、子供たちが一生懸命で~~。先生、先生って~~。」

そんな睦美に耀司、にこやかに、
「はははは。先生かぁ~~~。あ~~。ん~~。いい感じ。うん。はは。」
睦美を見て、
「陰ながら、応援させて頂きます。」

「あん。」
睦美。
「陰ながら、と、言うより、ここが、ヨシカワに近いですから、それだけでも嬉しいです。」

すぐさま耀司、口をおちょぼにして、
「おほほほほほほ。嬉しい事を。」

睦美、にこやかに、
「はい。」
頷いて。そして、
「あ、耀司さん。コーヒー、お代わり。」

耀司、
「はい。お願いします。」

睦美、耀司のコーヒーカップを持って椅子から立ち上がり、キッチンへと。
「あ、それから、その。例の詐欺の件。」

耀司、睦美の方に顔を。
「あ~~。う~~ん。…さすがに、かなり、掛かりますね~~。それに…。同じような事件は…。」
首を振って。
「当然ですけど、2億もの大金、そっくりと引き出す。そんな簡単に、同じようなケースは…。」

睦美、お湯を注ぎながら、
「そうですか~~。」

「巧妙なれば、巧妙なだけに、同じ手をそんなに易々とは。…しかも、国内の犯罪なのか、海外なのか…。それすらまだ…。」

「国内と海外とでは、違うんですか…???」

耀司の前にコーヒーカップを。耀司、コクリと。
「えぇ。国内であれば、何とか。今じゃ警察にもサイバー犯罪対策と言うのがあって、インターネット系の犯罪でも事件を解決する事が出来る時代です。…けど。それが万が一、海外となると。それだけで、弁護士でも不可能と言う。」

「え…???…弁護士でも…。」
睦美。

耀司、コクリと。
「えぇ。つまりは。例え、国内に犯人がいたとしても、銀行へのアクセス方法として、海外経由の場合です。つまりは、犯人がひとりではなく複数犯。仲間の犯人が海外から銀行のセキュリティを掻い潜って侵入して海外へ送金。入金した場合なら、全て暗号化されてるそうですから。それだけでも追跡するのに数ヶ月掛かってしまう。遂には、その口座が海外であれば、そこでアウト。弁護士であろうと警察であろうと権限を失う。と、言う事になるんだそうです。」
耀司、コーヒーを啜って。
「今って、ネット犯罪って多いでしょ。ウチの顧問弁護士に前、聞いた事があるんです。だから、麹屋って言う、同じ共同経営者。」
睦美を見て。

睦美も、
「えぇ。その名前、言ってましたよね。」

耀司、両眉を上下に。
「ふたりで。今回のケース、万が一にも、海外なら、アウトだって。」

睦美、眉間に皺を。
「2億円ですよ、2億円。」

耀司、
「えぇ。」

僅かに沈黙。



「…けど。銀行にも。そして銀行からも、詐欺を想定しての契約はしていない。…の、ために、賠償請求も…。」

睦美、口を噤んで。

耀司、窓を見ながら、
「…だから、今も警告してるんです。とにかく、気を付けて下さい。被害に遭わないためにもって。それに。仮に、犯人が判明しても、もし、死んでいたら…。それでも、アウトです。口座が、そのまま凍結してしまいますから。」

睦美、また眉間に皺を。
「そんな…。」

「まっ。賠償請求で戻ってくる場合も、あるそうですが、レアなケースでしょうね~~。…仮に。戻ってくるにせよ、全額までは…。…到底。…だから。…やられた。…に、なるんでしょうねぇ。…銀行でも相当なセキュリティで日々。…けれども、それすら掻い潜る…。そういう専門的な知識、そして、技術の、セキュリティに強い、ITに長けているハッカーが世の中には存在するって訳です。」

睦美、耀司を見て、
「耀司さん。」
何とも困った顔で。

そんな睦美を見て、耀司、思わず目を見開いて、
「え…???…睦美さん…???」

睦美、口を尖らせて困ったような顔で、
「だって。悲しいじゃないですか~~。お金が戻って来ない。」

慌てて耀司、
「あ。いや…。はは。ま。確かに、最悪は…。と。」
顔を傾げて、
「まっ。凡そ、諦めてはいますが。…けど。だからと言って、損失は損失。けど…、まだ仕事、してますから。出来てますから。それが大事なんです。お客様。顧客を裏切る事は断じて出来ません。それこそ絶望的損失です。お客様が安心できる製品を届ける事が理念、ポリシーですから。信頼あってこそです。」








ママでいい…。   vol,264.   「お客様。顧客を裏切る事は断じて出来ません。それこそ絶望的損失です。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


《PR》

庄司紗千「おふろ月夜」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

アメーバ