宮前、「はは。思わず、こんなところで長話。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 「な~~んてね。」
宮前。

子供連れの夫婦が耀司の後ろから。

宮前、耀司に、
「あっと、耀司。後ろ。」

狭い通路。3人共に、子連れを通すように。

宮前、
「はは。思わず、こんなところで長話。」

耀司もその声に、
「は。ははははは。」

「あ、でも、芙美花、今、高2。」

耀司、その声にコクリと、
「え、えぇ~~。」

「あんた、どうするの~~???…家事、出来なくって、今、高井戸家の家事、芙美花でしょう~~。何々、来年、大学受験~~ん。…まさか、受験勉強、しながらも家事全般…、なんて事…。」
僅かに眉間に皺を寄せての宮前。

芙美花の事も呼び捨てにしているが、それも当然の事。
芙美花が産まれて一番最初に喜んでくれたのが宮前。
そして、芙美花自身も宮前には懐いている。
子供の頃は、「宮バァ。」そして、今は、「宮さん。」


耀司、そんな話に思わず困ったような顔で、頭の中で、
「…困ったな~~。いきなりの再会で、こんな話になろうって…。それにしても、この人。何なんだ。祐里子、そのまんまじゃん、似過ぎだろ~~…。」

宮前、
「あんたねぇ~~。耀司~~。まさか、おっちょこちょいのあんたでも、芙美花、勉強しながらも家事全部なんて、ことはないでしょうね~~。」

いきなり耀司、恐縮しながらもニコニコと。そして右手をひらひらひらと。
「いえいえいえ。そんな…、そんな、そんな…。」
顔をペコリと。
「はい。家の事は、今、妹が、芙美花の代わりに、手伝って。」

瞬間、宮前、
「妹…???」
瞳、キョロキョロと。そして、
「あ~~。はいはいはい~。祐里ちゃんの義理の妹にもなる~~。」

耀司、ニコニコと、
「え~~。」

「え、と~~。名前…、確か~~。」

ふたり、同時に、
「汐梨。」
「汐梨、です。」

宮前、頷きながら、
「うんうんうん。汐梨、汐梨さん。木守。」

耀司も頷きながら、
「えぇ。」

「あ、そうっか。妹さん、いたんだ。うんうんうん。確か~~。家も…???」

耀司、
「えぇ。車で10分と。」

「うんうんうん。確かに。近いよね。な~~るほど~~。」

何とか誤魔化し笑いの耀司。
「えぇ。…で、今、ウチの家事、芙美花の代わりに、手伝ってくれてます。」

宮前、目を真ん丸にして、
「へぇ~~。そうなんだ~~。」
けれども、
「いや。…けど、耀司~~。それじゃあ何…???…その、妹さん、これからもず~~っと、芙美花の代わりに高井戸家…???…家事のお手伝い…???…それもあんまりじゃないの。自分ちのお台所は~~。」

思わず困る耀司、
「そ、それは~~。」
そして、
「まま。俺に、家事を教えながら。の。」

いきなり宮前、
「…って、出来んの、あんたに…???…家事…???」

慌てながらも耀司、
「あ、いや…。…って。だから~~。今、その、妹から、教えてもらって~~。…あ、ほら。俺、今、自宅で、リモートで。」

瞬間、宮前、目を真ん丸に、そしてにこやかに、
「あ、そっか~~。うんうんうん。一日中、家ん中~~。」

すかさず耀司、
「はい~~~。」

空を見ての宮前、
「ふ~~ん。そう言う事~~。」
けれども、
「けど…。あんた、そんな…、人を頼ってばかり~~。」

瞬間、耀司、
「あ、あ、あぁ~~。ははははは。」

いきなり宮前、
「何、その暢気な、あ、あ、あぁ~~。はははははよ~~。ま。それも、まぁ…。仕方がないとは、思うけど~~。祐里ちゃん、逆にあんたには家事はさせない。耀司は仕事専念でいい。って、豪語したくらいだからね~~。まぁ、そういう意味では、仕方ないっちゃ~~、ないんだけど。さぁ。」




その頃、高井戸家では、汐梨、
「遅いね~~。兄さん。何処で…???寄り道…???…って、まさか、マヨネーズ、ない。なんて、スーパーは。」

芙美花、瞬間、
「ぷっ。」
そして右手をひらひらと。
「ないない。」

そんな芙美花を見て睦美も、
「ふふふ。」

汐梨、下唇をビロンと。
「だよね~~。」





宮前、
「とにかく。こんなとこで立ち話もなんだから。いつでも、ラインよこしな。」

その声に耀司、
「あ、あ、あ~~。はい~~。分かりました。」

宮前、ニッコリとしながら耀司の左肩に左手でトントンと。
「じゃあね。」
そして、ふたりは歩き出す。


耀司、
「ふぅ~~~。」
そして、カゴの中のマヨネーズを見て、
「…って、これだけにカゴ、いるかぃ。」
そして、ポケットからスマホを。カゴを左肘に掛けて画面に指をトン。

いきなり、
「何やってんの~~。マヨネーズ買うだけに~~。」
スマホからの声。

思わず耀司、スマホを耳から遠ざけて、
「いっ…。」
そしてまたスマホを耳に。
「あの、さ。他に何か…。」

スマホの向こう、汐梨。芙美花と睦美を見ながら、
「ふ~~。そうね~~。」



耀司、話を聞きながらに、
「は~~い。了解~~。」

汐梨、通話を切って、
「ふぅ~~。な~~に、やってんだか~~。」

芙美花は睦美に、
「でね。」

睦美も、話を聞きながら、ニコニコと。
「うん。うんうんうん。」








ママでいい…。   vol,178.   宮前、「はは。思わず、こんなところで長話。」

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。