耀司、困ったような顔をして、
「あ、いえ…。」
右手を振って、
「そんな…。…って言うか、ま。大概の物は、直して、使っているような…。まっ。原理さえ分かれば。」
女性、思わず、
「凄~~~い。」
耀司、照れながら、また頭を掻いて、
「いえいえ。」
そして。
女性、男性に、
「こちらです。」
教室の表札が、「ロレアンクラス」
女性、
「ロレアンクラスです。腕時計を見て、もぅ~まもなく、小白川(こしらかわ)先生、来ると思いますので、お待ちください。」
耀司、女性にお辞儀をして、
「ありがとうございます。」
女性、麻沙美に、目線まで腰を低くして、
「麻沙美ちゃん。じゃあね~~。」
麻沙美、ニッコリと、
「うん。バイバ~~イ。」
男性にお辞儀をして、ニッコリと、
「失礼します。」
耀司、
「ども。」
女性、ゆっくりと歩きながら、
「サックス、好きなんだ~~。」
小声で。
そして、ひとりの女性と。
「あっ。小白川先生。」
お辞儀をして、
「お疲れ様です。」
小白川と言う女性も笑顔で、
「チャオ~~。」
右手を振って笑顔で、
「睦美(むつみ)~~。頑張ってる~~???」
女性、小白川に笑顔で、
「はい。いつも、ありがとうございます。」
「じゃね~~。」
事務局に戻ってきた眞鍋、他の事務局員数人から囲まれて、
「ねね。高井戸さん、どうだった…???」
その声に眞鍋、
「高井戸…???」
「麻沙美ちゃんのおじさまよ~~。」
「あ、はい。教室に、ご案内しました。」
事務局員、顔を濁らせて、
「あん。そういう事じゃ~~、なくって~~。」
またまた眞鍋、
「えっ…???」
目をパチクリと。
事務局員、
「あん、もぅ~~~。」
眞鍋、頭の中で、
「…たかいど…。」
高井戸家にて汐梨、
「はいはい。おかえり~~~。」
麻沙美も、
「ママ~~。」
「今日も、頑張って来たかい~~???」
麻沙美を抱き上げて。
麻沙美、ニコニコしながらも、
「う~~ん。」
玄関口で耀司、
「ただいま~~。」
汐梨、
「あん。お疲れ~~。ありがと、兄さん。」
耀司、
「いえいえ。どういたしまして。」
「…って言うか、レッスンの間、兄さんって、何してるの…???」
その声に耀司、
「へっ…???…あぁ。かかかか。しっかりと休憩室で仕事、させて頂いております。」
その声に汐梨、
「うそ。」
「いやいやいや。うそって。」
「いや…。」
汐梨。
「だって、他の父兄もいるのに。」
耀司、目を見開いて、
「あ、いや…。特に。」
「気にならない…???」
「いや~~。気になるって言うか~~。」
耀司、ポケットから、
「これ、使ってるから。」
ワイヤレスイヤホンを。
汐梨、
「あっ。あ~~~。」
頷いて、
「なるほど。その手があるか。」
そして、
「かかかかか。それなら他のママさんたちも。」
「俺がパソコンで仕事やってるって、分かると思うから、逆に気にしないんじゃない…???…って、言うか、ママさんたちの声も聞こえないから。」
汐梨、
「うんうんうん。しっかりと、Wi-Fi、あったもんね~~。ヨシカワ~~。」
耀司も、
「はい。最初にしっかりと確認しております。」
麻沙美、
「ママ。おじちゃん、眞鍋のお姉ちゃんとお話してた。」
すぐさま汐梨、麻沙美を見て、
「うそ。」
そして耀司を見て、
「うそ。兄さん…???」
耀司、そんな汐梨に、
「うん…???」
顔を傾げて、
「あ。うん。…って言うか…。まぁ。偶然がね~~。」
「偶然…???」
そしてリビングで…。
汐梨、
「はは~~~ん。そういう事~~。まま、確かに、そりゃ、偶然だわ。…ってか、名前って…。」
汐梨の声に耀司、口を捩じりながら、
「んや…。」
汐梨、
「ややややや。んやって…。聞かなかったの…???」
すぐさま耀司、可笑しがりながら、
「いやいやいや。…って、聞ける訳ないじゃん。そんな…、知り合ったって訳じゃないし。しかも…。教室案内されただけで、あなたのお名前は…???…って聞くの…???…不自然でしょう~~。幾ら何でも~~。…って言うか、向こうだって、俺に名前、聞いて来なかったし、敢えて俺から名乗る必要。」
汐梨、ブスッとした顔で、
「まま。うん。ま、確かに。」
そして汐梨、空を見て、
「へぇ~~~。ジャズフェスか~~。」
耀司、
「うん。何とも、大大的なポスター。」
汐梨、
「かかかかか。兄さん、アルトサックス、好きだもんね~~。」
ニコニコと。
耀司も、
「イエス。」
汐梨、
「な~~んか、こぅ~~。私ら、音楽には馴染みがぁ~~。」
耀司も、
「ふふん。それは、否めないね~~。汐梨はピアノ。俺は、演奏は出来ないけどサックス。まっ。親父がベースだったからね~~。」
「…って言うか、父さんのベースを聞いて私、ピアノ走ったんだからね~~。かかかかか。どっちかって言うと~~。高井戸家は、とうさんの影響で、ジャズなんだよね~~。」
耀司、
「かかかかか。その通り。…いや。…って言うか、親父のあのベースなんて、セミプロじゃん。引く手数多。あちらこちらのバンドから誘われて~~。」

ママでいい…。 vol,025. 「ねね。高井戸さん、どうだった…???」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
