「佐津香さん。菜帆子さん。先日は、本当に。ありがとうございました。」
小埜瀬、佐津香と菜帆子にも深々と頭を下げて。
そんな小埜瀬を見て佐津香、菜帆子、びっくりして、お互いに顔を見せ合って、
「えっ…???…えぇ…???」
そして、目をパチクリと…。
…中々、頭を上げない小埜瀬。
佐津香も、菜帆子も、手を小埜瀬に向けて、
「あ、あ…。あ、あの…。」
「課長…???」
愛結美も順平もバツが悪そうに…。
佐津香と菜帆子、思わず愛結美と順平を見て…。
「…???」
愛結美、思わず、口パクで、
「順平。」
指を指す。
菜帆子、それを見て、
「あ~~~ぁ。」
佐津香は、思わず、クスクスと。そして、未だに頭を下げている小埜瀬に、
「課長~~。小埜瀬課長~。いつまで頭を下げているつもりですか…???…私たち、課長の部下なんですから、そんなに頭、下げないでください。デンとしていて下さい。…でないと困ります。」
いきなり頭を上げる小埜瀬。
「はい。ありがとうございます。」
菜帆子、
「…で…???…愛結美さん、発端は…???」
愛結美、ニコニコと、
「ふん。あのね。」
そして愛結美、小埜瀬がテーブルに置いたお重に手を差し出して、
「実は~~。…そのお重が発端。」
佐津香、目を丸く、
「お重…???」
そし佐津香、お重に目を。そして、2度の瞬き。
愛結美、
「ふん。そのお重。課長のお宅の隣の家に、お年寄りが住んでるんですって。そのお年寄りが、課長にって、作ってくれたんですって。」
その話に菜帆子、頷いて、
「あ~~ん、そっか~~。そういう事~~。ふんふんふん。確かに、隣に、家、あったもんね~~~。うんうんうん。」
その菜帆子の声に、瞬間、愛結美、
「ぷっ。」
そのまま口を塞ぐ。
菜帆子、そんな愛結美を見て、
「ふん…???…なんでよ。…???」
愛結美、菜帆子を見て、
「だ~か~ら~~。今、菜帆子が言ったこと、順平も、そのお重見て、課長の話を聞いて、その途端、確かに、隣に家、あったなって。…なんで、私たちが課長の家、知ってんのよ。」
話を聞きながら菜帆子、顔を凹まして…。口をへの字にして、佐津香に顔を…。
「うぇ~~~ん。引っ掛かった~~~。」
佐津香、どうしようもない顔をして、
「くくくく。まっ。仕方ないよ~~。お重に、罪はないからさ~~。では。」
そして、佐津香、体を前に。自分のお弁当をテーブルに置いて、お重の蓋を開けて…。
いきなり5人共々、
「わぁ~~。」
「凄い。」
「凄ぇ~~。」
「いやいやいや。」
「何ともまぁ~~。」
小埜瀬、
「かかかか、これは何とも、立派~~。」
そして、
「ささ。みなさんでどうぞ。」
順平、
「旨っそう~~。」
愛結美、可笑しがりながら、
「確かに、凄いご馳走。上手に…って言うか、丁寧に作られてるわ~~。」
佐津香、
「順平、あんた、外に食べに行くんでしょ。ここで、済ませちゃいな。こういうご馳走、しかも、これだけの手料理、しかも…、かなり手間が掛かっているって感じ。こういうの、中々味わえないよ~~。」
そう言われて順平、ニコニコとして、
「かかか。…って、いいんすか…???」
顔だけコクリと。
小埜瀬もニコニコ顔で、
「もちろん。…それにしても、凄いなぁ~~。さすがは昭和の人間。」
順平、
「うんうんうん。いやいや。旨っそう~~。はははは。」
愛結美、キャビネットから小皿と割り箸を出して、
「はいはいはい。…ってか、私の弁当…。」
佐津香、
「それより、このお重、頂いちゃおう、折角作ってくれたのに~~。残して返せないよ~~。」
菜帆子、
「かかかか。確かに。…では。頂きます。」
愛結美と佐津香、小皿にそれぞれ取り揃えて…。
そして、5人共々、口に。
瞬間、5人共々目を丸く、
「旨っ。」
「美味しい~~。」
「うんうんうん。」
「中々の出来栄え。」
「いいわ~~~。」
菜帆子、
「あははは。嬉しくなってくるぅ~~。うんうんうん。おばあちゃんの味~~。」
愛結美も、
「うんうんうん。そんな感じするよね~~。昭和の味だわ。かかかか。」
佐津香も、
「うんうんうん。いやいやいや。中々この味には、辿り着けないね~~。」
順平、
「おほほほほ。うんうん。確かに、ばあちゃんの味~~~。」
小埜瀬、
「うん。確かに。旨い。おふくろの味って奴ですね~~。はははは。」
愛結美、食べながらも、
「課長の…、おかあさまって…。」
その声に小埜瀬、愛結美を見て、
「あ、うちのですか…???」
菜帆子、小埜瀬を見て、
「ご健在で…???」
小埜瀬、また、一口。そして、
「あ、いいえ…。亡くなってます。80歳で…。…まぁ…。脳梗塞…、で、ですね~~。だいぶ前に…、まっ。大往生ですよ。」
愛結美、食べながら頷いて。
菜帆子、
「そうでしたか~~。…で、課長、課長の奥様は…???」

好きになれない。 vol,105. 小埜瀬、佐津香と菜帆子にも深々と頭を下げて。
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