雑誌とパソコンを見ながらのメンバー。それぞれが…。
「SOLD OUT」
またそれぞれが…、
「嘘でしょ。」
園枝遼子(そのえりょうこ)、
「…って、この雑誌って、確か…。」
悠里、
「あん。セレクトショップ・ファニチャー。確か、昨日発売されて…。私、まだ…。」
他のメンバーも、
「うんうんうん。ここにもまだ…。」
事業部のマガジンラックを見て、
「届いて…ない。」
「いやいやいや。昨日発売されて、いきなり今日でソールドアウト~~~???」
優維香と池辺、事業部に入ってきて、テーブルに集まっているメンバーたちに顔を傾げて、
「うん…???…みんな、どうしたの…???」
その声に事業部に入ってきたふたりの顔を見て、
「チーフ。」
「課長~~。」
池辺と優維香、
「うん…???」
悠里、優維香に、
「これ見て。」
そして、
「課長。」
優維香と池辺、差し出された雑誌を見て、
「うん…???」
そして、表情を変えて、
「えっ!!!うそっ!!!」
亞北志津恵(あきたしずえ)頭を抱えて、
「有り得ないでしょ。なんで~~~???」
すぐさま池辺、パソコンに。
優維香は、
「何これ…???」
池辺、
「嘘でしょ。有り得ない。リリースして、次の日に、ソールドアウト。完売って。」
いきなりドアの方から、
「どういうことだっ!!!」
真宮である。
「何が、どうなってるっ!!!」
同じ雑誌を手にしている。ページを開いたままで左手に持ち、そのページに右手でパンパンと。
困惑する池辺。
真宮、血相を変えて、
「菜瑠美っ!!!」
静まり返るトラディショナル事業部。
真宮、メンバーたちを見て、興奮気味に。…けれども何とか冷静に。
「大丈夫なのか…???」
メンバーたち、も、困惑した表情で、
「…部長…。」
真宮、口を搾って、
「大丈夫、なのか…???」
何度も瞬きをして池辺。こちらも口を搾って。そして、真宮を見て、
「麟…。」
真宮、再び、
「俺は…、大丈夫、なのか、と、訊いている。」
そして、声を大きく、
「大丈夫なのかっ!!!」
その声にメンバーたち、いきなり体をビクン。
「1週間、切ってる。大丈夫なのかっ!!!」
目を真ん丸に厳しい表情で真宮。
2秒後、池辺、
「やるしか…。」
いきなり優維香、
「やるしかありません。」
そして、今度は声高に、
「やるしかありません。」
悠里、優維香を見て、
「優維香。」
他のメンバーも、
「チーフ。」
「優維香。」
真宮、優維香を見て、
「大丈夫…、なんだな。」
優維香、歯を食いしばって、目を潤ませながら、
「やるしかありません。とにかく、やるしかありません。」
真宮、優維香を見て、他のメンバーを見て、そして、池辺を見て、
「菜瑠美。そして、みんな。分かってるんだな…???…トータルインテリアストア・伊玖伊那。つまりは、前回のスタッフコレクション、俺たちと、殆ど互角。たったひとりの審査員で、俺たちが金賞をもぎ取った相手。その相手が、今。この時期に。新しいデザインをリリース。そして、それが…、事もあろうか、リリースして次の日にはソールドアウト。完売だぞ、完売。どういうやり方で、こんな事が可能なのかは、分からない。…けれども、これが事実だ。…そんな相手に…。…あと、5日だ。当然、伊玖伊那もまた、今回のスタッフコレクションには出て来る。」
メンバーたちは静まり返っている。
「そして、いきなり今、もぅ、目の前だってぇのに、このニュース。そして、製品のソールドアウト。」
池辺、
「とにかく。…やるしか…、ない。」
そして池辺、優維香を見て、悠里を見て、そして、メンバーたちを見て、
「みんな。」
ドアを開けて…。
友也が、事業部に入ってきた顔を見て、
「社…、社長っ!!!」
全員が後ろを振り向く。
「社長。」
「社長。」
「社長。」
それぞれが…。
真宮、と池辺、
「社長…。」
メンバーたち、社長の七瀬麗子(ななせれいこ)に一礼をして。
七瀬も同じ雑誌を持っている。
そして…、テーブルに近づき、
「ふふ~~ん。や~~っぱり、見てたか~~~。はは。」
そして、
「確かにね~~。」
2度頷き、
「こりゃ、売れるよ。確かに。かかかか。見事だよ、リリースしてすぐにソールドアウト。完売と来た。偉い。さすが。我が社の好敵手。何とも天晴。拍手喝采~~い。」
パチパチと。そして、テーブルに両手を着いて、
「ねぇ~~~。いきなりこのタイミングで、こういうの…、やられちゃったら、メンタル…下がるわ~~。ねぇ、菜瑠美~~~。」
池辺、七瀬に恐縮しまくって、頭をペコリと、
「え、えぇ~~。」
そして七瀬、今度は優維香を見て、
「ねぇ~~。優維香。柿崎優維香。」
優維香も同じく、恐縮しまくりで頭をペコリ、
「あ、あ~~。はい。」
顔を傾げて、
「あ。…でも…。」
そして七瀬、優維香に、
「佐津香、元気…???」
その声に優維香、困った表情で、
「あ、はい。」
ペコリと、
「元気です。はい。」
七瀬、ニッコリと、
「そっ。」
そして七瀬、真宮に、
「麟。あんたもあんたでしょ。興奮して飛んでくるんじゃないよ。みんな、怯えちゃうじゃないかい。外まで聞こえるよ。」

好きになれない。 vol,030. 雑誌とパソコンを見ながらのメンバー。
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