バスケットリンクのネットの下の方にボールがさらりと…。
瞬間、蒼介、
「かかかか、凄ぇ~~。」
和奏、
「うそでしょ。」
理沙を見て。
「この高さ…。理沙…、ボール、ネットまで届いた。へぇ~~。」
蒼介、腕組みをして、
「や~~るもんだ。かかかか。」
理沙の…、瑞樹家の庭に新設した、屋外用バスケットリンクへの第一投である。
蒼介、バスケットボールを地面にト~ント~ンと…。
「因みに…。」
庭の椅子を持ってきて、それに座って蒼介、ボールを…。
リンクに当たって…。
「まっ、届く…事は…届くか。」
和奏、
「当たり前です。男性なんだから~~。」
理沙、そんな蒼介を見て、
「かかかか。おとうさんも、やるぅ~~。」
そんな理沙に蒼介、ニッコリと、
「そっか~~???かかかか。」
けれども、
「それにしても理沙~~。さすがにおまえは凄い。ん~~。鍛えられてるね~~、バレーで…。車椅子に乗って、いきなりボールを投げて、ネットの下まで届くってんだから~~。」
そして蒼介、ボールを和奏に、
「ほれ。」
和奏、
「おっと~~。え~~???…私~~???」
「やってみれば…???」
そう言われて和奏、両手で持って、バケツの水を放るように、
「ヨ~~ッと~~。」
すかさず蒼介、
「お~~い、おいおい。かあさ~~ん。」
理沙、思いっきり、
「キャッハハハハ。」
「バケツの水を放る訳じゃないんだから~~。」
ボールは支柱の真ん中辺りに当たり、床にトントンと。
和奏、両手をパンパンと、
「さすがに…、鈍ってるね~~。かかかかか。」
そんな和奏に蒼介、
「そ…、そっち…???」
その声に和奏、下唇をビロン。
そして蒼介、またそのボールを手に取り、そしてボールを理沙に…。
「けど…。びっくりしたね~~。」
蒼介、理沙が持つそのボールを見て。
和奏も、
「うん。まさかね~~。」
栞奈が理沙にオンライン授業の話を持ち掛けたその日の夜、
理沙のスマホに麗亜から電話。
理沙、
「麗亜ちゃ~~ん。」
麗亜、
「あっ、理沙お姉さん、こんばんは~~。」
「うん、こんばんは~~。」
「あ、理沙お姉さん、お姉ちゃんにちょっと代わるね。」
その瞬間、理沙、
「へっ…???」
すぐさま、スマホの向こう、
「もしもし、お電話代わりました~~。理沙さん…???私、麗亜の叔母の流美です。」
理沙、目をパチクリとさせて、
「る…、流美…さん…???」
流美の声、
「こんにちは。」
「あっ、はい。こんにちは。」
流美、
「いきなり電話で、ごめんなさい。」
「あ~~、いえ…。いえいえ。」
「あのね、ちょっと…、お願いがあるんだけど…。」
その声に理沙、
「あ、あ~~、はい。」
そして流美…。
話を聞きながら理沙、
「あ~~~。ちょっ、ちょっと…、待って…、くれ…ますか…???」
すぐさま理沙、後ろを振り向いて、
「おかあさ~~ん。」
寝室から聞こえる理沙の声にキッチンの和奏。そしてソファに座っている蒼介、
「ん~~???」
和奏、すぐにキッチンから…、そして寝室に…。
引き戸を開けて理沙に、
「どうしたの…???」
理沙、自分のスマホを…。
「麗亜ちゃんの叔母さんの、流美さん。」
そしてスマホを母に渡す。
和奏、
「もしもし、お電話代わりました。和奏です。」
スマホの向こう、
「あ~~。和奏さん。ご無沙汰しております。将輝と麗亜の叔母の流美です。」
和奏、
「はいはい。」
笑顔で、
「こちらこそ、ご無沙汰しております。その節はいろいろと…。」
そして流美の話を…。
和奏、
「…えぇ。えぇ、えぇ。……。あらっ。まぁ~~。そんな事…。」
理沙を見ながら笑顔で和奏。スマホ越しに、
「よろしいんですか~~。そんなに~~。え~~~???…そんな~~。」
心配で部屋の入口に蒼介。
そんな父を見て理沙、ニッコりと…。
蒼介、理沙を見て、笑顔で、
「ふん…???」
和奏、後ろを振り向いて蒼介に、頷いてニッコリと…。
そしてスマホ越しにここの住所を話している。
蒼介、両眉の先を吊り上げて、声を小さく、
「住所…???」
理沙、ニッコリと、
「うん。」
和奏、
「いつも、いつも、すみません。」
お辞儀をしながら…。
蒼介、そんな妻を見て頭を傾げる。
和奏、
「あ~~はい。はいはい。いつでもどうぞ。お越しくださいませ。」
蒼介、また顔を突っ込むように、
「うん…???」
理沙、口を塞いで、可笑し気に…。
和奏、
「はい。はい。わざわざありがとうございます。はい。御免下さいませ。」

信じて…良かった。 vol.065. バスケットリンクのネットの下の方にボールがさらりと…。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
