車の後部席に茂樹。運転席には来未、助手席に梨湖。
来未、
「じゃ、奥様、一颯さん、お邪魔しました~~。先生も、茉祐子さんも…。じゃ。」
美珊、
「はは、梨湖ちゃん、しっかりとおとうさんに奢ってもらって~~。」
梨湖、にっこりと、
「は~~い。」
そして一颯が抱いている麗奈に、
「麗奈ちゃ~~ん、じゃね~~。バイバ~~イ。」
そして車は動き出す。
「さてと。茉祐子ちゃん、私たちも…。」
薫子。
茉祐子、
「うん。そうだね。」
美珊、
「ごめんね。駅まで送ってあげたいけど…。私も…、頂いちゃったから…。」
チロリと舌を出して。
そんな美珊に薫子、右手を振って、
「ううん、ううん。全然。あんなにご馳走なっちゃって…。こっちこそ、お礼言うわよ~~。うん~~。」
スマホで電話をしながら凛久。
薫子、
「霧島さ~~ん。それじゃ、私たち先に~~。」
その声に凛久、
「あ~~っと…。ちょっと待って…。」
薫子、茉祐子、顔を見合わせて、
「…???」
開いているドアから凛久、
「今、タクシー、手配しましたから。」
薫子、
「うそ。」
一颯、
「お~~っと、気が利くね~~。」
凛久、
「5分で、着くそうですよ。先生、茉祐子さん、一緒に…、どうですか…???」
美珊、
「それなら…。」
いそいそとキッチンに。そして…。
一颯、
「確かに…、この暑さじゃ、駅まで歩いて…。」
「お酒も…入ってますから…。結構…。掛かるかと…。」
凛久。
美珊、
「はいはいはい。霧島さん。これ~~。」
残り物を綺麗にまとめて。
一颯、
「おぅおぅ。うんうん。持って行ってよ。俺たちじゃ、食べきれない。かかかか。まさか…成宮ちゃん…って訳には…。かかかか。失礼に値する。」
美珊、
「うん。お願い。」
凛久、
「わぁ~~。いいんですか~~。ははは、すみませ~~ん。」
「かかかか、帰っても、ひとりでしょ。」
その声に凛久、頭を掻いて、
「かかか。当たり。です。はい。」
一颯、
「それは…そうと…。霧島君、何処に住んでんの…???」
凛久、
「えっ…???僕…ですか…???」
その時、薫子、口を結んで目をキョトンと。そして顔を傾げて。
茉祐子、
「あっ、そうだ。霧島さんって…、何処に住んでるんですか~~???」
凛久、
「えっ。え~~っと…。」
一颯と美珊、
「ん~~~???」
凛久、右手指で頭を掻きながら…、
「実…は…。田園…調布で…。」
その声に茉祐子、
「わっ!!!」
一颯、美珊、
「うん…???」
茉祐子、
「あ…、いえいえ。なんでも…。」
頭の中で茉祐子、
「…おんなじじゃん。…って…言うか…、私…、前に…霧島さんに…、調布って…言った…。」
そして、ひとりで笑って。
その顔が薫子と一颯、そして美珊と凛久にも…。
一颯、
「茉祐子ちゃん、どうした…???」
茉祐子、
「あ~~。いえいえいえ。別に~~。」
「おやおやおや。田園調布とは…。何と…。成宮ちゃんと同じ…。」
薫子、
「えぇ…。前に、教室での取材で…。」
その声に茉祐子が…。頭の中で、
「…うそっ。おかあさん…、知ってたんだ、霧島さんの住んでるトコ~~。」
一颯、
「なんともまた…、かかか。偶然というか、何というか…。」
凛久、頭を掻きながら、
「ははは。ねぇ~~。」
そして、頭の中で、
「…確か…、前に、茉祐子ちゃんから、調布って聞いたけど…。」
そして顔を少し傾げて…。茉祐子を見て。
茉祐子、その顔に気づき、思わずチロリと舌を…。
凛久、僅かに微笑んで…。
そうこうしている間に、タクシーがゆっくりと。
一颯、
「おっと、来たか~~。なんとも…、こんなところで立ち話しちまって…。」
凛久、
「じゃ、六条プロデューサー、奥さん。」
右手を振って。
茉祐子も薫子も車内に…。
タクシーが動き始める。
車内で茉祐子、
「び~~っくり~~。霧島さん、田園調布だったんですか~~。」
その声に凛久、
「えっ???…あっ、あ~~。ははは。実は…。ナターシャの仕事をするのと…同時に…、アパート…引っ越したんだ。」
その声に茉祐子、前を見て、
「ふ~~ん。そうなんだ~~。」
薫子、茉祐子の左側で、
「はは。た~のしかった~~。ねぇ~~。」
茉祐子に。
茉祐子、
「うん。うんうんうん。」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.67. 一颯、「それは…そうと…。霧島君、何処に住んでんの…???」
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庄司紗千 海をこえて
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