タクシーに乗りながら…。
小暮、愛耶乃に、
「…もしかして…。料理番組の…成宮薫子先生。そして、エクレールの…、それこそ、成宮茉祐子、ふたり…。何か…、関係が…???」
愛耶乃、頭の中で、
「…来た~~。さすがは出版系…。」
愛耶乃、仕方なく…、少し、右目を歪めて…、
「さすがは…小暮社長。気づきました…???」
「えぇ…。後田局次長が、その話をしたときに、本部長、途端に笑顔に…。」
「実は…、成宮薫子、成宮茉祐子、親子です。」
その声に小暮、
「お…、親子…???」
愛耶乃、咄嗟に、
「えぇ…。あっ、でも…、この事は…、絶対に、オフレコに…。」
「えぇ…。それは…、うん。もぅ…、もちろん…ですけど…。」
「社でも、その事を知っている人は…、ウチの部署以外は…。成宮薫子、そして成宮茉祐子は。その年の差…、8つですから…。」
「…と、言うことは…。成宮薫子の…実の子では…。」
愛耶乃、
「えぇ…。成宮薫子は…継母です。」
「そう…だったんだ~~。」
「社長、くれぐれも…。」
小暮、
「うん。OK。」
タクシーが止まり、ドアが開く。
車を降りて愛耶乃、
「今夜は、どうもありがとうございました。」
小暮、
「うん。今後ともに、よろしく。お休み。」
「おやすみなさい。」
タクシーが動き出す。
深々とシートに凭れて小暮、
「そっか~~。あのふたり…、親子…。」
愛耶乃、階段を上って、改札に…。そしてバッグからスマホを…。
そして履歴のひとつに、指をトン。2回のコールで相手が出る。
「お疲れ様~~。」
愛耶乃、
「あっ、迅、私。もしかしての…準備。仕方なく、成宮親子、鳳出版の小暮社長の耳に…。一応、オフレコとは言ってあるけど…。」
その声に迅、
「ありゃ。ん~~、OK。了解~~。」
「あんた…、まだ…???」
「うん。いますよ~~。」
「OK。私も、一旦…、そっち…。」
「はい…???…もう…、21時っすよ~~。」
「な~~に言ってる~~。まだ、仕事、残ってんの~~。」
「あ~~い。差し入れ…待ってま~~す。」
愛耶乃、その声に、
「かかかか。そっちかぃ。了~~解。」
「あ~~。凛花には俺の方から…。」
「うん。お願い。私…これから電車、乗るから。」
「OK~~。」
シャワーを浴びて冷蔵庫からウーロン茶をグラスに注いで、リビングのソファに。
夫の勝臣(かつおみ)に凛花、
「上がり…ました~~。」
勝臣、
「おぅ。ではでは…。あっ、電話あって…。それからライン来てたみたい。」
「ふん。ありがと。」
そしてテーブルからスマホを…。
「おっと、迅ちゃん。」
勝臣、
「ふ~~ん???」
凛花、
「あらららら。バレちゃったかぁ~~。」
「何が…???」
「ううん。大丈夫~~。仕事の話~~。」
早朝5時。日曜日である。
ジョギングウェア姿で薫子、
「ヨシ。」
そして、走り始めながら凡そ30分。折り返しの公園。
その中のベンチでドリンクを…。
「ふ~~。気持ちいい~~。」
両腕を左右に伸ばして空を見る薫子。
その時、
「うそでしょ…???薫子先生…???」
男性の声。
その声にびっくりして頭を元に薫子、
「へっ…???」
そして、目の前に現れた人物に、
「わっ!!!うそっ!!!」
目の前に…、凛久である。
薫子、
「霧…島…さん…。」
凛久、笑いながら、
「え…えぇ~~。うそ…。薫子先生…、ジョギング…???」
薫子、目をパチクリさせながら、
「え…、えぇ…。」
そして、
「はぁ~~あ~~???…え…???え…???霧島…さん…???」
凛久、
「かっかかかか。なんとも偶然…。」
「うんうんうんうん。」
そして薫子、
「霧島さん…って…。お住まい…???」
その声に凛久、
「えぇ…。田園調布です。」
薫子、
「えぇ~~~~???」
「実は…、ナターシャの編集者になると同時に、アパートも…変えちゃって。」
その声に薫子、
「へぇ~~~。」
「まぁ…、それも…、今の会社の…指示…なんですけど…。」
頭を撫でながらの凛久。
薫子、
「へぇ~~。そうだったんだ~~。」
そして、ジョギングウェア姿の凛久を見て薫子、
「ん~~~。」
そんな薫子を見て凛久、
「ん~~???」

薫子と茉祐子~その愛~ vol.54. 愛耶乃、頭の中で、「…来た~~。さすがは出版系…。」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。