「えぇ…。」
龍二。
「実は…。」
萌咲、
「今回の提携に関しては…。…と言うか、ホテルとしての、飲食…、販売に至るまで、クリアしてもらわなければならない事があるの。」
美緒、
「それって…???」
「最終的には…、シェフのOK。」
「シェフの…OK…???」
奈都美と伸永も、
「シェフの…???」
「えぇ…。」
萌咲。
「ここ、東京本部は、サンフランシスコでスーシェフを務めたロナルド・ニコルフがシェフを任されてる。」
そして一拍置いて、
「実は…私も彼にホテル・インスタンベル…、誘われた口なの…。」
美緒、
「へぇ~~。」
「現在、60歳。ちょっと太ってるけど、さすがは…超一流のシェフよ。」
美緒、
「へぇ~~。」
新規開拓のための事業、
新しい製品をレストラン以外にも顧客に販売する事を目的としたもの。
奈都美と伸永は、そのための書類を受け取り、
再び一週間後に同じ場所でふたりに会う事を約束して美緒と共にホテルを出た。
「まずは、ファーストインプレッションは、好感触。」
美緒。
奈都美、
「えぇ…。」
伸永、
「ありがとうございます。」
「そして、これから…、それ…。」
伸永の持っている書類封筒を見て美緒、
「とにかく…頑張って。」
奈都美、
「はい。美緒さん、わざわざ付き合ってくれて。ありがとうございます。」
美緒、そんな奈都美に、
「何言ってんの。逆に、私の方が、ありがたい限りよ。ふふ。」
そして奈都美と伸永、社に持ち帰り、瀧澤と内海に報告。
そしてホテル・インスタンベルの条件に掛かりだした。
木綿子に見舞い。
「ふ~~ん。ホテル・インスタンベル、なんとも凄いよね~~。」
マルシェでは剛輔、
「おやおや。んじゃ、都、尾田ちゃん、これから、その…、ホテル・インスタンベルに、試されるってか…???」
奈都美、
「ん~~。いやいやいや。でも…、さすがに…、かなり…厳しいかも…。シェフ自体は…、なんとも…優しい人柄…みたいなんだけど…。まだ…、一度も会ってないからね~~。尾田君。」
伸永を見ながら…。
伸永、
「えぇ。とにかく、あと5日。頑張らないと。」
剛輔、
「その後、翔とは…???」
奈都美、
「ははは。ふん。ラインと電話は毎日。会いには…。…でも、ラインや電話じゃ、結構…おかあさんとお姉さん、顔…、出してるみたいだし…。それに…。」
「それに…???」
葉月、
「仕事…忙しいのに、わざわざ…。そんな…、動けない訳でもないのに…って。」
そんな葉月の声に剛輔、
「な~~に言ってんだぃ。別に…いいじゃねぇか…。場所、分かってんだろ…。」
そんな剛輔の声に奈都美、何かしら困ったような顔をして、
「う…、うん。」
伸永、葉月も、奈都美を優しく見ながら、
「……。」
その翌日、奈都美、翔にライン。
「翔の部屋…、行っていい…???会いたいよ。」
けれどもすぐに返事は来なかった。翔から返事が来たのが午後3時過ぎ。
ラインで…。
「待ってる。」
その一言だけ…。
そして、まだ仕事中の伸永に、
「ごめんね。」
伸永、笑顔で首を振り、右手を振り、
「いいですよ。うん。行ってらっしゃい。翔さんに、よろしく。」
奈都美、そんな伸永に、笑顔で、
「うん。」
この前3人で歩いた駅から翔の部屋までの道を、今日はひとり。
アパートの階段を一段一段。
そして、翔の部屋のドア。チャイムを押して…。
すると…、中から、何かしらドタドタと…。
ドアが開いて、
「はいは~~い。」
顔を出したひとりの女性。
いきなり後ずさりする奈都美。目をパチクリさせながら…。
女性、
「こんにちは~~。」
そしてにっこりと。
奈都美、まだ目をパチクリと、
「こ…、こんにちは…。」
中から翔の声、
「だから、姉ちゃん。…んもぅ~~。」
その女性、
「だから、翔の彼女さんの顔、見たら、帰るって~~。」
奈都美、呆気に取られて、
「お…、お姉さん…。」

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。