「へぇ~~。瀧澤部長がね~~。ユッコがいてトリオ。そして尾田ちゃんが加わって、カルテット。」
剛輔。
「かかか。そう言えば…うん。都とカンちゃん、必ず、尾田ちゃんいるもんな~~。かかかか。うんうんうん。分かる、分かる。なっ、尾田ちゃん。」
葉月、その剛輔の声に、
「ぷっ。…かかか、そうなんだよね~~。」
奈都美、
「ふん。」
そして左隣に座っている伸永を見て、ぶすっとした顔をして、
「なんでだろ…???」
そしてまた伸永から薫るいい匂い。
伸永、照れながら、
「なんで…???って…言われても…。いっつも七瀬さん、尾田君、行くよって…言うから…。」
剛輔、
「ほぅほぅ。」
下唇をビロンと…。
美玖、
「翔君、今…、どんな感じ…???」
「それが~~。」
葉月。奈都美の右肘を突っついて。
奈都美、口を捻じ曲げて…。
剛輔、
「何…???まだ連絡してねぇのか…。お~~ぃ、折角、瀧澤部長から~~。」
奈都美、
「わ~~かってる。わ~~かってる。…んだ…けど…。」
その時、伸永、今までスマホでなにやら検索していた手を止めて、指でポン。
3回のコールで相手が出る。
「もしもし、伸永です。ちょっと待ってください。」
そしてスマホをいきなり奈都美の左耳に。
奈都美、
「えっ…???…へっ…???」
伸永、
「七瀬さん、ほら。」
奈都美、
「なになに…???」
伸永のスマホを左手で…、
「もしもし…。」
スマホから、
「ナツ…???」
奈都美、目を閉じて、溜息、
「あ~~~。」
小さく…。
「かける…。」
「おぅ。」
翔の声。
剛輔、
「へぇ~~。」
美玖、
「ふんふ~ん。や~るじゃん、尾田ちゃん。」
葉月も美玖の顔を見て、にっこりと、
「ふん。」
黙っている奈都美。
そんな奈都美を見て剛輔、口パク。
奈都美、
「どう…してる…???」
翔、
「あ~~、うん。まっ、なんとか…。今、かあさんと姉ちゃん、来てんだ。」
「そ…、そぅ…。」
「昨日は…、ごめんな。」
「えっ…???」
「優里亜の…事…。」
「あ、あ~~。」
「いきなりだったから…、びっくりして…。優里亜も…、優里亜で…。俺の左…。心配…して…さ。」
奈都美、
「う…、うん…。分かってる。」
瞬間、奈都美、何かしら小鼻がツ~~ンと。すると、思わず目が潤み、
「ご…、ごめん…。」
スマホをいきなりカウンターに置いて、席から離れる。
葉月、
「ナツっ。」
奈都美、そのまま化粧室の方に…。
伸永、
「七瀬さん。」
奈都美を追いかける。
女子トイレに入り、洗面台に…。零れる涙。奈都美、
「う…。う…。あ~~。」
伸永、女子トイレのドアの前に、
「七瀬…さん。」
ドアをノックして、
「七瀬さん。七瀬さん。」
ドアの中から聞こえる奈都美の泣き声。
葉月、心配で歩み寄る。その時、ドアの内側から聞こえる奈都美の声、
「ノブ~~。どうしよ、私~~。」
葉月、その声に、
「ナツ…。」
そして葉月、伸永の顔を見て…。
伸永、困ったような顔をして、
「カンちゃん。」
葉月、
「うん。」
そしてトイレのドアを開けて、
「ナツ…。」
奈都美、入ってきた葉月に寄り掛かり、
「カンちゃ~~ん。」
「うんうん。」
優しく奈都美の肩から背中をさすって。
…少しずつ落ち着く奈都美。
葉月、
「大丈夫…???」
頭をコクリと奈都美。そしてふたりでドアの外に。
葉月、奈都美を抱きかかえながら。
すると奈都美、自然に伸永の右手を握って。
葉月、それを見て、笑顔で、
「ふっ。尾田ちゃん、行こ。」
カウンターに戻る3人。
美玖、
「大丈夫~~???」
剛輔、
「おぃおぃ。」
葉月、
「うん。少し…落ち着いた~~。」
剛輔、伸永のスマホに指差して、
「まだ…、繋がってる。」
葉月、
「うん。」
葉月、伸永のスマホを取って、
「もっしも~~し。」
翔、
「カ…カンちゃん…???どうした…???どうなってる、ナツ…???」
葉月、
「こんにゃろ、女を泣かせるんじゃねぇっ!!!!」
そして通話を切る。
翔、
「えっ…???…なんで切れる…???」
泉美、自分のスマホでラインしながら、
「へっ…???切れちゃったの…???」
翔、目を天井に、そして頭を傾げて、
「ふん…。」

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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。