そして翌日のジェシカ、休憩ブース。
「え――――――――っ!!!!ゆずが…ユッキに、手編みのマフラーと、バレンタイン…チョコ…。10年前……。」
翠、万美から聞いた話に。
万美、
「うん。ゆず、中学生の時、ユッキと同じクラスだったんだって。…で、ユッキに優しくしてもらって…。」
「え~~~。ユッキと同じクラスだったの、ゆず…。」
「うん。まっ、でも…、ユッキがゆずの事…好きだったという…証拠は…ないんだけ…ど~~。」
その万美の声に翠、
「うんうん。全然、全く、聞いたこと…ない、そんな事。」
おちょぼ口で話す翠に万美、
「まぁ~ね~~。…だって、ゆず自体…、ユッキと話したことなんて…、殆どなかったって…。」
「え~~~。…って、事は…、なに、一方的なゆずの…か・た・お・も・い…。」
「うん。…でも、手編みのマフラーをユッキにプレゼントしたって…。ゆずにとっては…、これって…。」
翠、腕組みして、
「ふん。…確かに、相当…好きだったんだね~~。ユッキの事…。」
そして、思い出す翠、
「かかかかか。私…、そんな10年前…。杉浦薫郎なんて、出会ってもいないや…。かかかか。」
「…って言うか~~。その頃、みどはユウマ…。」
そんな万美の声に翠、
「あっ。」
万美、
「つまりは…みどの初恋はユウマ。そして~~、ゆずの初恋が…ユッキ。」
翠、
「……。」
「結局、その後は、みどにしても、ゆずにしても、好きな人とは、別れ別れに…。」
「ふん。」
「当然、ユッキが、ゆずの事、今も…好きなんて…、全然分かんないんだけど~~。」
翠、またまた口を尖らせて、
「そりゃ、分かんないよ、一緒に生活してるって言っても、今まで、ユッキと、そんな事、話したことなんて、一度もないから…。」
「ばか、あるわけないでしょ。話してたら、一緒に生活…してないでしょ。」
「かかかか。まぁ…、そうなる…わな~~。」
「でも…、ユッキも…かなり…優しいとこ…あるからな~~。」
腕組みしながら万美。
「当~~然。んじゃなかったら、一緒に生活してないよ。」
「阿川さんがね…。」
「うん。フレバーの…???」
「うん。ヤマチとゆず、そしてユッキとフレバーに初めて乗り込んだ時…。」
「うん。」
「ゆずとユッキ、付き合っているもんだと、思われたみたい。」
その声に翠、
「え~~~~っ。」
万美、
「ふん。阿川さんから、そんな風に、言われたんだって。」
「ふ~~~ん。」
「しかも~~。帰りの仙台駅で。」
「…ん…???」
「ゆず、余りの緊張で具合悪くなったんだって。」
「あいや。」
「その時、待合室から新幹線まで、ユッキ、ゆずを負ぶってくれたんだって。」
再び翠、
「あぃや~~~~。全然、聞いてないよ~~~。」
その声に万美、
「ばか、言える訳ないでしょ。」
翠、
「あ~~。はぃはぃ。かかか…、うん。そっか。」
「そして、今回のユッキの腹膜炎。」
「うん。」
コーヒーを飲みながら万美、
「ゆず…夢…見たんだって。」
翠、
「夢…???」
「ユッキ…、容態急変して重篤になった夢。ゆず、そんな夢見て、夢の中で、ユッキ、死んじゃいや――――――――って。」
「へっ…???そんな夢…。」
「うん。でもこれ、フレバーの阿川さんも知ってるって…。」
「へぇ~~~。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。