「あ~~ん…???みど、スマホ…鳴ってんじゃねぇか…。」
俎板の上で包丁を使いながら、雅樂。
「あ~~。はいはいはい。」
客の空いた皿をトレイに乗せて厨房の中に、翠。
「ほいほいほい。おっと~~コバちゃん。はい、翠です~~。お疲れ様です~~。」
車から降りて呉羽、
「はいおつかれ、みど。1時間前に、ボスから連絡入って、ユッキの転院手続き、完了したって。明後日、仙台から東京に転院する。東京の病院は、勝浦総合病院。会社から、それほど、遠くない病院…みたい。」
翠、
「わぁ~~。良かった~~。」
そして雅樂に、
「ユッキ、転院手続き、決まったって。」
雅樂、
「おぅ。そうかい。んじゃ…顔、見れんな。」
翠、
「うん。」
そして、
「ありがとうございます、コバちゃん。」
呉羽、
「うん。ゆずには…、ボスから連絡いってるから。」
「は~~い。」
「ん~~???その分じゃ、また、お店、手伝い…???」
翠、
「はははは。お陰様で、満席で、ございます。」
呉羽、目を見開いて、唇を絞らせて、
「おやおや…。嬉しい悲鳴…。雅樂じぃに…よろしく~~。絃にもね~~。」
翠、
「は~~い。伝えておきま~~す。」
スマホの向こうから、
「お姉ちゃん、生、お願~~い。」
その声に呉羽、
「お疲れ。はは。頑張って~~。」
翠、
「はい。お疲れさまで~~す。」
そして、
「ごちそうさ~~ん。」
4人の客。
絃、
「ありがとうございました~~。」
そしてガラリとドアが開き、絃、
「いらっしゃいませ~~。あ~~っと…。」
「あっ。はは。大丈夫、大丈夫、絃、OKよ。どうぞ、こちらに~~。3名様。は~~い。」
翠。
今度は焼き鳥を焼き始める雅樂、
「らっしゃ~~い。」
そして2時間後、部屋の冷蔵庫から缶ビールをグィグィと。
「はぁ~~~。おいっしぃ~~。ふぅ~~。」
口を尖らせて翠。
部屋のドアが開き、
「みど、ほぃ、賄い。私、もう少し、掛かるから。」
絃。
翠、
「あいよ~~。ん~~。おいしそ。いっただっきま~~す。」
そして、夜の11時40分。
「はぁ~~。なんか…不思議。」
絃、ベッドの中で…。
翠、
「だよね…。まさか、こんな風に、絃とベッドで一緒に眠れるなんて…。」
絃、
「ねぇ~~。」
翠、
「くく。こんにゃろ、絃、かっわいいぞぉ~~。」
いきなり絃を抱きしめて。
「わわわわ。んじゃ私も。むぎゅう~~~。」
「かかかかか。こらこら、くすぐったいって~~。」
そして、数分後…。
「ねぇ…みど…。」
ベッドのヘッドライトだけの明かりで…、絃。
翠、小さな声で…、
「ふん…???」
「もしかして…、みど…、遊馬さん…、好き…???」
そんな絃の声に翠、さっきよりまた小さな声で、
「ふん…。」
その声に絃、
「へっ…???うそ…???」
顔を翠の方に…。
「うそ…。もしかし…。寝た…???」
絃、目を見開いて、
「は~~~っや。」
そして、目をキョロキョロと。
「みど…???へっ…???今…、うん…って…???…みど…。もしか…し…。」
そして小さな声で絃、
「え~~~~。」
茶の間のテーブルの上で徳利から御猪口に日本酒。クイッと、雅樂。
「ユッキ…。気ぃ付けて、帰ってこい。うん。」
そして、
「ありがてぇなぁ~~。いろんな人に、助けられてらぁ…。けけけけ。」

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庄司紗千 海をこえて
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。