「えっ…???」純一は、自分の目の向いた先に一瞬驚いてしまった。
周囲がステージのショーに視線を向いている中、
浅川弘美の視線が純一に向いているのだった。
それも…、ごく自然に…。
弘美も純一の視線を感じ、時には笑みを、
そして、時には片手を振る仕草もしてくれる。
「えっ…ほんと…に…。」
それに気付いた純一は、何だか照れ臭くなり、
ちょっと落ち着かない姿勢になってしまうのだった。
そんな純一の姿勢を弘美は見て、また「クスッ」と笑う。
そんな純一に隣りの同僚がまたチョッカイを出す。
弘美はショーを見ながらも、周囲には気付かれないように、
時折純一に視線を投げ続けるのだった。
それに純一も気付き、同じく、周りに気付かれないように、
弘美に視線を投げるのだった。
程よい距離感のテーブルからテーブルの…、
しかも、運が良い事に、視線を投げても気付かれないような席に、
お互いが座っていたのである。
※※※※※※※※※※※※※