パリへの飛行時間は凡そ12時間掛かる。 それぞれの社員が、それぞれ好みに応じてのスタイルで、シートに収まっていた。
辺りは静まり返っているようにも思えるのだが、
それぞれの座席で、様々な会話などが繰り返されてはいる。
…が、しかし、その会話ですらも、意外と機内では、
すぐ隣の座席同士であれば、であるが…。
そんなに会話が周囲に聞かれると言う環境ではないのだ。
それのみならず、周囲の搭乗者であっても、
そのひとりひとりの状況と言うものは、
余り目には触れないものなのである。
そんな中で、それぞれの人の会話が成され、
ある意味では静かな時間を過ごすには適している環境でもあった。
そして、その中に、藤崎純一も同じ課の同僚と共に、
窓際の席にて四方山話で時間を過ごしていた。
頭の中には、密かに「浅川弘美」の事を思い浮かべながら…。
思い浮かべながらも、
また同僚からの話にも応えながら…。
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