◎ 第3章「智慧」
あなたは真我が本来ひとつで、限りないものだと知っている。
あなたは真我を知り、それゆえ安らかなのだ。それなのに、なぜまだ富を望むのか?
無知ゆえに、あなたが真珠貝の中に銀を見るとき、強欲が湧き起こる。
大海の波のように、その中で世界が湧き起こっては静まりかえるそれ、それがあなた自身だと知りながらなぜみじめにうろつきまわるのか。
聞かなかったのだろうか?
あなたは純粋な気づきだ、しかもあなたの美しさには限りがない
それなのに、なぜ煩悩に身を焦がすのか?
賢い人は、すべてが彼自身の中にあり、彼自身がすべての中にあることを知っている、それにもかかわらず、何と奇妙なことだろう、彼はいまだにこう言う、
「これは私のもの」と。
自由になろうと決意して、彼はすべてを超越し、一なる者としてとどまる。
それにもかかわらず、なんと奇妙なことか!
彼は熱情に溺れて力を失い、性欲に飲み込まれてしまった。
年老いて、衰弱しながらも彼はまだ欲深い。
性欲が覚醒の敵だとはっきり知りながら。
何と奇妙なことか!
彼は自由を求める、この世もあの世も気にかけず、
何がはかなく何が永遠かを知っている。
それなのに何と奇妙なことか!
彼はまだ自由を恐れている!
だが、真に智慧ある人はいつも至高の真我を見る。
褒められても、喜ばず、軽蔑されても、怒りもしない。
澄んだハートで彼は自分自身の行為を他者の行為のように見守る。
どうして賞賛や非難が彼をかき乱せるというのだろう?
澄み切った揺るぎない洞察で彼はこの世界を幻として眺め、もはや、惑わされることもない。
どうして彼が死を恐れることがあろう?
純粋なハートから絶望の中でさえ、彼は何も望まない。
彼は真我の知識で満ち足りている、彼に並ぶ者がどこにいるだろう?
澄み切った揺るぎない洞察で、彼は見るもの全てが本来無だと知っている。どうして彼に選り好みができよう?
彼はすべての二元性を越えた。
欲望から解放され、心の中から世界への熱望を消し去った。
喜びや悲しみ、何が起ころうと彼が揺らぐことはない 。